美しさに弱い人間
『美しい』という部分に人間はあらがいづらい
『可愛い』とか『うつくしい』とか
そんな部分に魅せられると
人間は本能的に拒否できなくなる部分がある
美しいものには目を奪われ
綺麗なものには賞賛し
可愛いものを愛でる
そこのコントロールが効かない部分の力を人間はよく理解しているからこそ
人は他人の『そのコントロールの効かなさ』を利用しようとし
利用して
自分を見捨てないように仕向ける
『若さ』とか『美しさ』とか『綺麗さ』とか『可愛さ』を
保とうと人は必死になる
資本主義というのは
その人間の抗えない『美』への特性をよく理解していて
『見捨てられたくない』という人間の弱さもわかっているからこそ
『美しくあれば 人から見捨てられない』
というところを刺激してくる
SNS などでは
『美しいのよ だから私は見捨てられてないのよ』という
うらのメッセージを読み取れないと
自分まで巻き込まれることとなる
精神科医のスーパーバイザーは私に教え始めた初期の頃に
『潔癖になるな 潔癖になればなるほど悪にコンバートする』
と言いました
かの有名なヒットラーも『美』を愛し潔癖であったという
彼は絵を愛し
忠誠心を信じ
そんな美しいものを追い求めるがゆえに
自分の『美の対象』から外れるものを自分で見出してしまった
美しいもの以外は『醜いもの』と認定し
道を誤り
彼の中での『排除すべき対象』としてユダヤ人が選ばれてしまった
そこから彼は『自分が悪の権化』となってしまった
『美』からは程遠い存在と世界中からいわれるまでに育ってしまった
『美』を追い求めすぎると
そういうところがあるのかもしれない
と
私は折りに触れて先生の続きの言葉が響く
『すべてマルっと包める心の器の大きさを育てること』
クライアント様を見ていても
この『美』を追い求める風潮は（私も含めて）現代人の多くに見られます
どうしたって
『美』を追い求めていた方が多分簡単なのです
私の感覚ですが
『美』を追い求めていると
頭が麻痺してくるような感覚になります
YouTubeなどで綺麗なインテリアなどを見てうっとりして
そのあと 自分の部屋を眺めてイライラし始めます
けど頭はまだYouTubeの麻痺感覚が残っているので
自分の部屋を見ないようにして
いつの間にか寝てしまう
それの繰り返しをしていると
自分がどこにいるのか分からなくなってくるような感覚がします
綺麗なものばかり目からは吸収されるが
実態が追いつかない
それを散々繰り返して
陰が極まり 陽となる
ある日、そして急に物を捨て始めて、やっと楽になるような感覚になる
楽になるとYouTubeを見なくなり、少しずつ身の回りを片付け始める
『他人のための自分』を追い求めていませんか？
カウンセリングもそれに近しい場面をよく見かけます
『目標』など美しく見えることばかりを設定しては
それで満足して動かなくなってしまう人がよく見られます
けど
それは自分の足元を見たくないが為のダミーだったりします
『美しい自分』ばかりを脳内で眺めていると
余計に動けなくなってきます
いわゆる酒に酔っている状態と同じです
ここから抜け出すには
私のように 底辺まで行って陰を極める方法もいいですが
（いかんせん、これでは時間がかかるので）
美しい妄想を捨てる決意をするようなタイムスケジュールに
自分を設定するのがいいかと存じます
一番は身体を動かす仕事をするのがいい
要は『酒断ち』と同じです
飲酒する機会を自分で自分に作らない
自分は美しいかも・・と言う妄想から
少しでも遠のくことができたら
次は物凄い不快感が襲ってきます
けどそれは『自分の実態』です
介入でそれを綺麗に洗い出していきますが
結構嫌がられます
だって、自分の『実態』を見ることになるので
苦しいわけです
けど、これを見ない限り
『自分のための、自分のためだけの努力』には結びつけない気がします
自分の実態を見ないうちに
『美しい自分』を追い求め始めると
人は『人のための自分』を追い求めなくてはならなくなります
捨てられないような自分
賞賛されるような自分
他人によって『生殺し』される自分を追い求めることになります
そうすると
いつも他人の目を気にすることになるので
また、『他人から見た美しい自分』を脳内で再生して
酔い始める日々が待っていることになります
おそらくこれを一般的には『自己愛性パーソナリティー障害』などと言うのでしょうが
きちんと自分の『実態』が見れるようになり身体の不具合が治癒されてきます
実際うちに通われるクライアント様たちの
自己愛性障害における生活のいかなさ具合は
これで解消されてきました
不眠、動けない、脳内で再生される声に惑わされてしまう
肥満、過食、飲酒過多
などは解消が可能です
Instagramはじめました カウンセリングルームの様子を よかったらご覧ください
