毒親から飛び立つ

『毒親をどう乗り越えるか』

自分にトラウマがあると診断を受け
そして自分なりに、何もわからないまま
そのトラウマを解消すべく
一番にしたことは親に謝らせることでした

こんなに私は傷ついた

と私は積年の思いのたけを母に言い

『わかってもらえなくても 母は自分で少しでも悪いと思えば ごめん というだろう』

『そして私の気持ちも少しは晴れるに違いない
私は断絶したいわけではなく 許したいのだ』

何故なら、母からの暴力は壮絶だったし
暴言も仕打ちも罰も酷かった

『子供の育て方を間違った』とため息をつく母に対して

少しばかりの『人間らしさ』が母にも、まだ残っているのであれば・・
という期待もあった

 

しかし母は強固でありました

舌打ちをし、
『何を喋ってんだか、わかんない』と言い
金切り声をあげ
『あんたは頭がおかしくなった 私が精神科を探すからそこへ行け』と
言い放ちました

びっくりした私は
そこから震えが止まらなくなってしまいました

四六時中
親からされたことが思い出され
頭の中から払っても 払っても
母の声が余計に鳴り響くようになり

『汚い』『醜い』『いらない子』『嫌い』

とよく言われた、おなじみの言葉が反芻してこだまする

叩かれていた場面と
その時の悔しさ 、やるせなさ、恐怖、惨めさが身体にじわじわと押し寄せてくる

けど、なんだかんだ
1年くらい、私はフラッシュバックのまま過ごしていました

なんとかなる、
いつか、母親がわかってくれる、反省してくれる
と願って そうしたら和解できる
と耐えておりました

 

けど、毒親って
理解しないから毒親なのですよね

 

親がやばいかもと気づいてから人は旅に出る

さて
自分の親がやばいのかも。。
と気づいてから
人は大いなる旅に出るような気がします

クライアント様を見ていてもそうです

それまでの牢獄から抜けて
自分がどんな牢獄に入っていたかを眺めて
そして
外の世界がどんな世界かと 恐る恐る足を踏み出してゆく

他の人は、こんなにも最初から楽な世界を生きていたんだ・・!と衝撃を受けたり

目隠しが取れても
瞼を開けることさえ怖くて出来なかったりして

だから目を閉じたまま
手探りで、触れて、世界の雰囲気をつかもうとする時もある

そんな時カウンセラーはある程度まで
手をひき、

しっかりとご自身の足で一歩を踏み出すまで

目が開けることができるまで

『目を開けても大丈夫』と言い続ける
という役目な気がします

 

『自分の目でしっかり世界を見る』とは

世界の実態を自分の感受性で見れるようになることです

毒親とか、養育を拒否し続けてきて命からがら生きてこられた方々にとっての世界は
『戦うべきもの』として映りがちです

もしくは『恐怖を与え続けるもの』として君臨します

この恐怖感を取り除くのは
それなりにカウンセリングではできるところではありますが

そこから『自分の目を開く』というところに行くまでが結構大変です

それまでは『親を批判さえしていればなんとかなった』
という世界から

『その親さえいない、自分で選び取っていく世界』は
実はものすごく恐怖を感じるものなのです

今月、ちょうど目を取り戻しかけた方は
『紐のないバンジージャンプを飛んだ感じだった』
とおっしゃっていました

清水の舞台から飛び降りるくらいですよね・・と申し上げたら

『それより怖かったです!!』と
仰る顔は明らかに透明で、お美しくなっていていました

毒親の影響を克服するには順番があります

毒親から受けたトラウマなりを解消していくには順番がとても大事です

 

最初は『親になされた実態を見る目』を養っていくこと

そしてる程度まで
親がしたことの本質を掴み
親を一人の人間として見つめる目が出来上がったら

それと同時に『他人を見る目』も出来上がってきます

 

その後は『自分を見る目』を開くことが重要です

『世界の中の自分』をしっかりと見つめる

取り柄
強み
短所
ポジション的なもの

そういったものを『等身大』で見られるようにすることが大事です

どんな人も世界と断絶しては生きていけません

どんなに引きこもっていても
食事を作る人のお世話にはなるし
食糧、衣服、電気を作る人、水を循環させる人 など
色々な人の働きの恩恵で生きています

また、その人となりを『構成』してきた要素として
いろいろな人が関わって生きています

『自分』という『自分』を考えることすら
その人に言葉を教えた人が、『言葉の意味を教えたとして』関わってきた過去があります

なので引きこもりだもん。。という方々も
しっかり世界と繋がっています

大切なのは自分をしっかり見つめるようになる『目』を育てることです

自分に
過大評価せず
過小評価もせず

ただ『そのままの感じている自分』を『眺める自分』に気づくことです

 

カウンセリングでは
過大評価と、過小評価をしすぎなところを
丁寧に一緒に見ていきます

過大評価をしすぎると
『自分はこんなにすごいのに・・!』となり
誇大妄想に行きがちになり

過小評価をしすぎると
『どうせ私なんて・・』と
生命力が萎みがちになってしまいます

ご自身を評価してきた『大元』は『毒親』です

この時の決戦はなかなか、やりごたえがあります

カウンセリングでも一番面白いところでもあります

憑依している『毒親』を仕留める時でもあります

そして『自分の人生』を取り戻していくのです