百万回生きたねこ

『百万回生きたねこ』というお話を
読まれたことはありますでしょうか

教科書にも載っていたかもしれないお話

私は小さな頃 これを読み
不思議な感覚になったのを
今でも覚えています

 

物語の主人公は オスの『とら猫』

絵にも見えるとおり
毛並みもフサフサしており
いかにも 生命力のかたまり を 現すネコは

何回も生きて

何回も死んで

を繰り返してきたネコでありました

 

また ネコは生きる度に
色々な飼い主に飼われていましたが

なんと ネコは いつも飼い主が 『大嫌い』

ある時は
戦争好きな王様のネコで 矢にあたり死亡

ある時は
泥棒のネコだったり

船乗りのネコで 船から落ちて死んだり

女の子のネコで 遊ばれてる最中に死んだり

…しかし
ネコは 『死ぬのなんて へっちゃら』
だったのです

 


ある時 生まれてみたら ネコは
誰のものでもないネコでした

そんなネコは 白い美しい猫に出会います

ネコの自己紹介は
『俺って 百万回 死んだんだぜ!』

『俺って サーカスのネコだったことも
あるんだぜ』と宙返り

しかし 白い美しい猫は
『そう』と言ったきり

ただ 座っているだけで まるきし
ネコの 自己紹介には反応しません

そんな ネコは 自慢をやめ
次第に やっと
美しい白い猫に 『あること』を表現します

それは
『一緒にいてもいいかい』

という 心の機微を表現するのです

 

そうして ネコと 白い美しい猫は 一緒に暮らし始め
小さな子猫も たくさん 生まれ

かつての トラ猫は
自分より 大好きなもの を 沢山見つけました

ゆったり過ごし 愛でて 慈しむ時間

その時間を 2匹は共にいて
ある日
美しい白い猫は 動かなくなるのです

その白い猫を抱きしめ

ネコは 泣いて 泣いて 泣きました

天を仰いで
わぁわぁ 泣きました

朝も 夜が過ぎても 泣いて

ネコは 百万回 涙を流したあと
白い美しい猫の隣で
しずかに 動かなくなりました

そうして ネコは もう二度と
生きかえらなかったのです

そう

ただ ただ
これは
時間が 流れてゆく 絵本だと感じるのです

 

生 老 病 死 心

その 廻る 廻る 彩りが
ネコの時間に 透けてみえる絵本は

私の人生にも大きな影響を与えていて

まぁ 催眠や暗示といえば 味気ないのですが

感じることは

 

{誰かの『所有物』である時間と

自分を感じながら生きる時間 }

これは 明確に違うということ

 

所有されている時間は
感覚もなく 痛みにも鈍感で
感情が 動かされないが

誰かを感じる 『自分だけの時間』は
満たされるが
それ故に 哀しく 悲しく 一緒に居たいと
気が狂わんばかりに涙が流れ

そして それは
抗えない流れの中にあるという絶望感

カウンセリングをしていると
やたら 百万回生きたネコ に
思いを馳せている時間があります

 

ねえ ネコさん

私は いま
狂おしいくらいの悲しみと 愛おしさを
感じて生きていますか?

輪廻転生 なんて
催眠かもしれないけれど

カウンセリングをしていると
あながち 否定出来ないのです

 

 

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