欲望は時代と変化する

欲望って興味深いものです

フロイトは全ての行動原理は『性欲』から成ると言いました

・・しかしその理論はすこぶる評判もウケも悪く
到底その頃の人々には受け入れ難いものでした

現代でもフロイトは
『あーーあの幼児期に性衝動があるとか言ったオッサンね』
とか言われがちではありますが

カウンセリングの臨床の現場では
ものすごく『欲望』というものの扱いがポイントになってきます

生命を維持するためには食物を摂取しなくてはなりません

例えば
『お腹すいたよー』というサインは『飢え』という感覚として表します

しかし性欲の場合には これに当たる言葉がないので
フロイトはそれを『リビドー(衝動)』と表しました

このリビドーはラテン語で『羨望』『欲望』という意味を表します

ドイツ語では『快感』に相当するらしいのですが
日本は・・となると『衝動』という言葉に変換されてしまうのです

『衝動』って なんとなく
突発的と言いますか、勢いがあるもの、突き動かされているもの・・
というようなあ言葉のニュアンスがあり
どちらかというと男性が持っているものに限定されるイメージがあります

しかし他国のニュアンスを見てみると
先程のラテン語での『羨望』『欲望』、ドイツ語の『快感』など
ここでは男性だけではなく女性も含めた、『人間全般』の
普遍的に毎日どことなく持つ感覚のイメージがあります

『衝動』という日本語バージョンの訳し方が
このフロイトの理論をもっと受け入れ難くしているような気がしてなりませんが

当然
日本の女性にもこのフロイトの論理は当てはまる場合が多く
しかも きちんと理解すれば
日本の女性の鬱屈とした『女性という性への受け入れ難さ』も
解決策が見えてくるのでは・・と思うのです

もちろん
日本の女性にだって『リビドー』はありますよね

『羨望』『欲望』『快感』の感覚です

奥ゆかしく振る舞うように躾けられがちな日本の女性たちにだって
感覚としてはあります

そもそも『奥ゆかしくいなさい』と躾けられたらば
もともと大人しい方は良いけれど
活動的な方は まずの最初の『活動したい!』と言う欲求を押さえつけれることになります

日本は『家父長制』というものが存在します

いまの時代そんなん無いよ〜と言いながら
現代も、裏で牛耳っているのは、この概念です

これらから見て
この父親(家父長)がもつ感覚が、

もし

『女性は 妻となり一家を支えるために存在するものだ』
とか
『女性は男性に認められてこそだ』
とか
『女は愛嬌だ』
とか
もしくは
『誰かに気に入られてこそ、生きていけるものだ』
とか
『一家を働いて支えている人間の意向こそが優遇されるべきものだ』
とか
『食わせてやっているんだから文句を言うな』

等々を強制するものだとしたら

女性や子供を
『一人の人間として尊重する感覚がなく』
『一族を繁栄させることこそが人間の喜び』という人間が
一家の長だったならば

良かれと思っていやっていることが
実は『意向も聞かずに先祖からの刷り込みを維持していく』だけだったとしたら

女性たちは『人間として扱われていない』から
当然苦しくなるわけなのです

 

 

で、冒頭に戻りますが
「女性の喜びとは必要とされていることだ』
なーんて思っている親から

『必要とされなさい』

と『性の対象者』として育っていくことが最上の生き方だと
刷り込まれた娘は ひどく大変な思いをすることになります

『性対象(性的魅力を発動する人)』として生きることが喜びだぞ

と言われてきた娘(息子)は

相手から『欲望』の目線をいかに自分に向けさせるかが
人生の目標となってしまいます

また『欲望の目線』を向けてくる相手は
幼少期においては 父親の目線が主になってしまいますから

父親の目線が 自分ではなく
母親や他の姉妹に向けられると
不安が襲ってくるのも仕方がありません

日本は特に、『御家を守る』と言う感覚が強く
『一族』とか『血縁』とかを重要視する風潮があります

それが男性の視点が一番!で進んでしまうものですし

それに便乗してしまわざるを得なかった女性が
『今更、一人で生きていくなんてできない』と
枠組みを変えることを拒否すると言うことも多く見られます

女性のクライアントさんは、ある一定の限界までくると
いきなり
『もう堪忍ならない!!!』

一人で生きて行った方がまだマシ!!

となる瞬間があります

ここにくると女性は本当強いですね・・・

多分 普段からシミュレーションをしていたんでしょうね

一人で生きて行ったら、どんなに楽なんだろう・・

実は考えていたんです・・とおっしゃる。

その点、男性は一人で生きていく!っていう決心をされたいる方って
お見受けしません

むしろ『年取ったら一緒に旅行をしたい』とか
『美味しいものをたまには食べさせてやりたいと思っていたんです』
とかを仰り
余計に ご伴侶様の怒りを買ったりします

普段のコミュニケーションでのやりとりが取れていない状態で
『ご褒美を与えればすむ』と言う思考は
現代には通じにくくなってきているのは感じます

そんな折に、うちからのクライアントさまに
女性が起業する方がほとんどなのは面白い限りです