子供でいることのメリット

『親になることというのは 相手に何かを求めることではなく
 与えることの喜びを味わえる大人になっていることである』

今回は加藤諦三先生のご著書『大人になりきれない親たち』という本 から
抜粋しつつブログを進めていきます 

何よりこの本は
『性的虐待』のテーマ
『支配 被支配』と『所有』の概念とどう付き合っていくかということと

大人になるとはどういうことなのか
自立とは何なのか

ということが書かれています

『親』になった人だけが読む本ではなく
『親がいる人が読む本』です
・・・なので万人向け

しかも結構痛い本です

自分の痛みを見せつけられる本でもあります

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私たちのカウンセリングではもちろん
インナーチャイルドを癒していくという処置をします

私たちはインナーチャイルドを細かく分類分けしていて

スーパーチャイルド!とかもいるかどうかを見ます

スーパーチャイルドは才能を持った子供

ちいさな頃、それなりに育っていれば開花したかもしれないチャイルドとかです

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また虐待により
眠ったままのチャイルドは起こしたりもします 

眠ったままのチャイルドは実は起こすのは結構大変で

なにしろ眠っているので
夢の中にいるのです 

他には、怒り狂うチャイルドっというのも見ます

怒り狂うチャイルドは
ご本人も扱いに困るくらいの強い激情を持っていたりします

なのでそれ相応の対応が必要となります

このチャイルドのケアの最中は湿疹が出たり 
不眠の症状が出ますが一時的なものです

その中でも大変なのが
『子供のままでいたいチャイルド』です

子供のまま、大人になることを拒否するチャイルドです

このチャイルドは頭が良く回り
大人になると『損をする』と考えています

大人は順番を守り
ルールを守り
たまには損をしたりもしますよね 

子供を育てるには自分を押し殺したりもする 

それを嫌がるチャイルドがいたりもします 

大人は『お互い様だよね』と譲り合いの精神を持ちますが
それを拒否するチャイルドです 

育ってしまうと『暴君』のチャイルドです

人に命令をして
自分の欲求を通らせるということをします

相手の『状況』や『気持ち』を(敢えて)読まないというところです

自分は虐待されて来たのだから
自分も暴君になっていいのだ

と『トラウマ』を免罪符のように使い始めたりもします

トラウマを手放すことよりも
トラウマの『使い道』を発見してしまいそれにトラウマに依存するチャイルドです 

このチャイルドは育ってしまうと
境界性人格障害のようなバランスを呈してきます

相手を侵害して振り回していいという考えを手放せなくなってしまいます

これはご本人も苦しいところではありますが

メリットがあることでもあるので
ご本人が『気づく』しかありません

相手にも『気持ちが存在するのだ』ということに気づく必要があるのですが

その感覚にカウンセリングで到達しようとすると
ご本人の中のチャイルドが怒り狂い始めます

ご本人が『メリット』を選び取る場合もあります

なので
こちらとしては『他力』を信じて待ち続けるしかありません

この冒頭の加藤諦三先生の本では
『大人になりきれない』ということがテーマになっています

子供のままの欲求を抱えたまま、
時間だけが過ぎていってしまった人がたくさん例として出てきます

そして自分の『子供の頃の欲求』をリアルな子供ではらそうとする例をたくさん提示してきます  

『大人になりたくない』『大人になりたくない』という叫びは
カウンセリングでも良く聞くチャイルドの声です

しかし 
大人になるのも悪くはないのですよ

人を慈しんで
あるがままに受け入れるという行為ができるとともに

『不安』とか『怒り』といった激情は癒えてきます

怒りとか 不安って
誰でもいらないなあ・・と思う感覚のものだと思うのですが

『大人』になると
それらが手放されていくといいますか
自分の中の、その感覚に振り回されなくなります

カウンセリングでは案外
『怒り』『不安』を手放さない方を多く見られます

怒りとか不安があると
相手を憎しむことができるので

相手に支配を挑むことができるのです

そうすると泥沼にハマるのです

支配とか被支配の関係性ではない関係が『大人の関係』になります