イグアナの娘

『イグアナの娘』という漫画をご存知でしょうか

 

私の世代だと菅野美穂さんがその『イグアナの娘』役で
このドラマをされていました

母親が確か川島なお美さんだった気がする

この漫画はものすごく深い漫画で
現代催眠の先生も この漫画を引用されて話してくれたことがある

 

この漫画のあらすじは(以下ネタバレ注意)

 

生まれてきた自分の娘が イグアナにしか見えない母親。
そして母親にイグアナとして扱われながら育てられた娘。

妹のことは普通の女の子として見える母親は
イグアナの娘に余計に差別をしながら育てるのだが

実は母親自身が「イグアナ』だった

 

という漫画なのです

 

これな
なんとも苦しいお話なのですよ

母親自身も記憶をうまい具合に無くしているから
(原作ではね)
『なんで 私はあの子のことがイグアナにしか見えないのかしら』と悩む

そしてその反動で妹を猫可愛がりする

理由もわからず 母親にイグアナとして育てられた娘は
もちろん 自分をイグアナとして認識するようになるから

周りから『自分はイグアナとして見えている』
すなわち
『自分は醜いからオシャレもしない 女性らしいことには手を出さない』
と学習し 自分と周りの世界を分断するようになってきます

 

実は私 このドラマをリアルタイムで見ていたときの感覚を覚えています

このとき私はこのドラマの中の母親に
『もう少し賢くなってくれ・・』と思っていました

イグアナにしか見えないのならそれはそれで仕方ない

可愛がれないならそれも仕方ない

しかし『妹を可愛がり イグアナにそれを見せつけるのは
全く別であり
これはすなわち 醜いものと捉えている その対象 への
虐めでしかない』

だから 醜いのはこの母親の心持ちだ

と怒っていたような気がします

いまにつながる思考だった

 

私の母親も私を醜いといい
女性らしくありたいという感覚は汚らわしい
という あの眼差しで見ていたので
なんだかそのあたりで バグってしまったのだ

思春期になり
私のゴミを漁り押し入れに袋いっぱい隠し持っていたのを
私が発見し 私が怒り狂うと

母親は虚ろに眼をぼんやりとさせて
さも
『誰がそんなことしたのかしら』みたいな健忘のそぶりをみせ

このときの母親に対する感覚は
『・・やばい  母親はまじで頭がおかしいのかもしれない』
と知能の部分に 疑問を感じたのを覚えています

 

私が治療を受けて
一番受け入れるのに時間がかかったのは
『母親が人格障害』ということと『知的レベルが低い』ということでした

自分の血が繋がった親が まさかの『私、親ガチャの「ひき」が悪かった』
なんて認めたくなかったのです

なんでかって 『血のつながりってのはものすごく濃い』と思っていたから。

 

けども時間をかけて
『血のつながりは 単なる物質的なもの』と 理解するようになり

確かにクライアント様を見ていても
結構『親と似てない』

そして
みんな『親の嫌なところを取り入れないようにしている努力を無意識にし続けている』
とわかりました

その無意識下での葛藤や努力が
それぞれの『強み』になっているんだなとわかったら

もちろん私の介入の腕も上がりましたが

何より『自分の母親との繋がりが変化』してきました

イグアナの娘だった私
・・いいえ 多分いまもイグアナの娘なんだと思うのです

けどもいろんな人の眼差しが『鏡』となって
自分が少しずつわかりかけ

そして 少しわかりかけたら
自分が何者か なんてどうでも良くなりました

イグアナと思っている人がいたって 別にいいや となりました

イグアナが嫌だ
イグアナが嫌だ
と思っていたときは ひどく苦しい日々でした

 

ちなみにこの漫画の母親は
イグアナの自分では人間と恋ができないので 魔法使いに頼みます

どうか人間にしてください って。

そうしたらば魔法使いは そのイグアナの母親にいうのです

『イグアナとバレてはいけないよ
バレたらイグアナに戻るからね』

そこで
その母親は イグアナから人間になるのですが
『自分が かつてイグアナだったこと』を
忘れてしまうのです

けども皮肉なことに
生まれた娘が どうしてもイグアナにしか 見えない

だから愛せない

苦しいまま
『かつての自分の要素』を受け入れられない

この母親は
『イグアナに見える娘と
人間い見える娘との 自分の接し方の差』
に 気付けたならばな・・

結構昔の漫画ですが 面白いのです

 

専門的にいうならば
自己愛と 境界性パーソナリティ障害と 醜形恐怖

ちなみにうちでは
『そもそものイグアナの世界』を視野に入れた介入をしていきます

 

 

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