憑依

憑依という言葉がありますが
これを私たちは臨床の場でも使っていたりシます

ひどい虐待を受けてきた方たちの生存方法
生き延び方の方法の一つとして

『虐待者の感覚をダウンロードする』

というものがあります

虐待者の気持ちを理解すれば
なぜ自分が虐待されなければならないのか・・が
理解できて

なおかつ
虐待を防ぐことができるかもしれない
と被虐待者は考えるのです

虐待者の法則・・

例えばお腹が空いているときは機嫌が悪そうだ とか
タバコが切れると不機嫌になりがちだとか
父親が母親に暴力を振るうと、そのとばっちりが自分らにくるとか
父親と親しくしていると、母親が機嫌が悪くなるとか

この虐待者の法則というか

虐待者の心の動きを知ることで、自分を護ろうとする働きが

いつの間にか
自分の心と同一の働きになってしまい

自分が感じているのか
虐待者が感じていることを自分が感じているのか

境目がなくなってしまい

それはすなわち境界線がなくなることでもあり

虐待者の感覚がウイルスのように自分の中に入り込んでしまい
それと共存せざるを得ないということを
臨床の場面ではよく見かけます

ご本人としては
『自分が考えていること・・のような気がす・・』と仰るのですが
介入を進めて
トラウマを治癒していくと

『あの私の思考は完全に虐待者のものでした』と仰る

自分の思考がまさか虐待者の乗っ取られていることは
現代の精神医学でもあまり公になっていないというか

ここの分野は沈黙の世界なのだと思います

少しの先生がたが
『親からの洗脳だ』とか『考え方を親に乗っ取られている』とか表現されますが
現代ではなかなか、この世界を治療していくというのは難しい分野なのではと思っています

子供は基本的には 
自分の親の考え方で始めは世界をみていきます

最初は親の世界の捉え方が
自分の世界の捉え方になります

例えば親が被害妄想が激しい方だと
こどもも世界は自分を害してくると捉えるようになってきてしまいます

しかし子供の世界は
絵本とか
近所の人たちとか
同年代の子供同士との関わりで

『あれ 親が言ってたことは、もしかして合っていないのかも』と
親に対して疑問を持てるようになれば
親からの世界の見方は解けてきます

しかし 実際のトラウマ治療の場面では
本当に生き霊がくっついているんではないか・・と言う場面にも多く遭遇します

執着されやすい人というのがあり、
執着されやすい人は自分なりのバリアの方法を模索する必要があります

一番いいのは
境界線をきちんと引くことができるようになることですが

親が生き霊としてくっついている場合は
ひっぺがす介入をしなくてはなりません

親が子供に執着している場面を多く見かけますがななぜなのでしょうね

自分の子だからという考えから
子供を所有物化する考えが生まれるからでしょうか