エロスへの怒り

『子供がほしい』と言う女性たちがいる

しかし心の声は聞こえてくる
『本当は欲しくない』『ただ必要なだけだ』

そんな女性の顔は土気色で生気がない

カウンセリングではそういう女性たちをたくさん見てきました

みんな押し並べて顔色が悪く
『子供がほしい』と言いながらも顔が歪んでいて目がそわそわしている 

怒りに満ちている 

自分には何故それが手に入らないんだという怒りがある  

カウンセリングでは
確かに順調に回復されてくると
望むものが手に入ってきます

ある方は心の平穏を

ある方は心の支えとなるパートナーを 

ある方は世界を美しいと慈しむ心を

ある方は強い意志を

けども
なぜか

『子供がほしい』と仰りながら
ある年齢を迎えて 諦めて

その結果

『ホッとした』とおっしゃる方の多さよ

いっ時の歪んでいた顔は晴れ晴れとしていて
『欲しがらなくて済む』という呪縛から逃れたときのそのお顔は
清々しさが漂います

子供がほしいという感覚は現代だと非常に大きくののし掛かる女性への重荷です

昔はそれこそ 『家のために産まなければならない』という呪縛があって
それはそれで
女性の恨みは半端なかったのだけど 

現代の女性はその『大仕事』に対して、自分に決定権があるということが
かえって
追い詰められているという現状がある

しかも社会は巧みに『産まない選択』をすることの道を狭めてきます 

女性には『素晴らしい母性がある』と声高々に責め立てて
それを使わないことには『もったいない』とばかりに
追い立てる

そんな中で子供を産み育てるということをシミュレーションし
自分の中に『何かがある』と気づく人も多いです

『屈託』とか『葛藤』とか『不安』とかです 

そしてその自分の中の感覚を自分で怖がり
自分の扱いに困ると見極めて
産まない選択をしている人もかなり多いです 

子供を産む 産まない は非常に繊細な問題ですが
実際
現代の女性の多くはそれこそ
産みたくない という声が多く聞こえるのは仕方がないことなのかもしれません 

だって
生きるのがしんどい世の中だと
ご本人たちが心底感じているのですから  

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ところで
閉経して
メンタルが安定した とおっしゃる女性は多いです

ホルモンの関係もあるのかも入れませんが

私はそれより『女性としての呪縛』が解けたからだと見ています

『女性が女性として自分を意識』するということの
呪縛はなかなかしんどいものがあります

カウンセリングで見ていて
かなり強く女性を縛っているものには『ルッキズム』があります

見栄えがよい
器量が良い
美しい

という女性には男性からのニーズ(性欲)があります

ニーズ(性欲)があるからこそ
男性は美しい女性の前では(最初は)ひざまづきます

そのひざまづく行為を『愛』だと勘違いしてしまう女性は多くあります

なので『愛』を欲しがるがために自分を美しく装うことの不毛さに疲れている方も多いのです 

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そして
その『愛』が本当にただの性欲だった場合

女性から見ての『愛』は変化せざるを得ません

エロスは本物の愛ではない というやつでしょうか

一過性のエロスを『愛』だと思ってしまった女性の怒りはすごいです

カウンセリングの中での介入でも上位に上がる『怒り』です

けれどもそんな女性たちの中でも
男性の『性欲』を逆手に利用してシタタカに生き延びようとする戦法もあります

それが共依存の温床にもなるのです