
カウンセリングの後、なぜ身体に症状が出るのか
吐き気・下痢・吹き出物という不思議なサイン
カウンセリングを続けていると、ときどきこんなご報告を受けることがあります
「面接のあと吐き気がでました」
「お腹を下しました」
「なぜか吹き出物が出ました」・・(面白いことに場所が割と特定されたとこに出ます)
一見すると、これは単なる体調不良のように見えるかもしれません
しかし心理療法の臨床では、こうした現象は決して珍しいものではありません
むしろ、ある意味でとても興味深い“身体からのサイン”として現れることがあります
今日は、
カウンセリングのあとに身体に現れる不思議な反応について
精神分析の視点から少し掘り下げてみたいと思います
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私たちは普段、心と身体を別のもののように考えがちです
心は『考えるもの』で
身体は『物理的なもの』
しかし実際には、心と身体は非常に深くつながっていますと感じます
強いストレスを感じるとお腹が痛くなる
恥ずかしいと顔が赤くなる
緊張すると汗が出る
不快感はまずは背筋や、ざわざわした感覚として体が感じるし
イライラしたとき、怒ったときは
お腹のあたりが煮えくりかえる感じで熱を持ちます
こうした経験は誰にでもあると思います
心理的な出来事は必ず身体にも影響するのです
カウンセリングでは
ときにとても深い感情や記憶に触れることがあります
すると、その変化が身体に現れることがあるのです
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精神分析では、私たちの心の中には『抑圧された感情』があると考えます
『見たくないもの』
『感じたくないもの』もそれに含まれます
それは例えば
怒り
悲しみ
恐怖
恥
罪悪感
などです
こうした感情は、感じ続けることはとても負担がかかることなので
心はそれを押し込めてしまいます
心の奥にしまい込まれるのです
しかしカウンセリングの中で
その抑圧が少し動くことがあります
言葉にならなかったものが、ほんの少し浮かび上がってきたり
忘れていた感覚が、かすかに戻ってくるということは
良くあることです
このとき、心だけでは処理しきれない部分が身体に現れることがあります
吐き気
下痢
強い疲労
発熱
頭痛
こうした反応は、心が動いたときの身体の反応と言えるのです
特に多いのは、胃腸の症状だと感じます
吐き気
下痢
腹痛
これは偶然ではないよなあと思っています
腸は「第二の脳」と呼ばれるほど神経が集中している器官であり
ストレスや不安に非常に敏感です
実際、緊張するとお腹が痛くなるという経験は多くの人にあります
カウンセリングの中で心が大きく揺れたとき
その反応が腸に出ることはとても自然なことなのです
またもう一つ興味深いのが皮膚症状です
吹き出物
湿疹
肌荒れ
これも心理療法の臨床ではしばしばクライエント様から報告されます
精神分析では、皮膚は「境界」と関係する身体だと考えられています
皮膚は
自分と外界
内側と外側
を分ける場所です
カウンセリングでは、自分の内面を他者に語ります
つまり、普段は内側にあるものが外に出てくるのです
このとき、心理的な境界が揺れることがあります
その反応が皮膚に現れることがあるのです
臨床を長くしていると、ある感覚に気づいていきます
身体の反応のあとに、話が進むのです
つまり、
吐いたあとに重要な記憶、もしくは感情が出てくる
体調を崩したあとに本音が語られる
こうしたことが少なくありません
まるで身体が先に知っているかのようだなと思っています
私たちは言葉で理解していると思っていますが
実は身体の方が先に反応していることがあります
そしてとても大事なこと
・・・『身体は嘘をつかない』ということです
精神分析の世界ではよく言われる言葉であります
頭では「大丈夫」と言っていても
身体は正直に反応します
カウンセリングのあとに体調が変わるとき
それは必ずしも悪いことではなく
それは
心が動いたサイン
変化の前触れ
であることも多いのです
心理療法は、単なる会話や、共感の場ではありません
むしろ積極的な場なのではと感じます
(うちのカウンセリングでは特にそうかもしれません)
特に何かをものすごく話してもらうということもしません
しかし『問い』はカウンセリングの場で
多く発生します
そしてそれにクライエント様は、その問いを共に
無意識の世界に、地下の階段に降りてもらうのです
問いは、まるで『一つの灯り』のようです
私は問いをクライエント様にお渡しするたびに
『小さな蝋燭』を手渡ししているような感覚になります
地下に降りてもらうのはクライエント様です
私は、ある場からそれを見ています
危ない場所に行くような『問い』は渡しません
あくまでクライエント様が
ご自身で自分の無意識の構造を見てこれる、安全な場を提供する
それがカウンセリングの役割かなと思っております
無意識の構造はかなり立体的であり
多元的です
そこに触れたときに
クライエント様の体験と、体感と、言葉を通して
記憶が動き
感情が動き
ときには身体まで動きます
心と身体は切り離されたものではなく、
一つのシステムとして働いているからです
もしカウンセリングのあとに体調が変わることがあったら、
それは身体からのメッセージかもしれません
もしかすると身体は、
心よりも少し早く
変化を感じ取っているのかもしれないなと思うと同時に
無意識は
かなり早い時点で
その人の人生を設計して、動かしているなと
感じることも多くなってきました
無意識は、時間すら
構造の一面として動かしているのかもしれない
なので、何かに対して興味をそそられる
ワクワクする
ドキドキする
なんていう身体からのシグナルも
大事なサインの一つでもあり
そこに繋げていくのもカウンセリングの面白さでもあります







