壮大な物語

たくさんの
『果てしない物語』を聴いた気がいたします

そんな一年でした

 

このカウンセリングも、それなりに年季が入ってきて
相当のケースをみてきました

私が引き継いできた
先生たちからの『心理療法』とは
『その人の物語を読む』というスタンスでありました

スーパーバイザーからは
過去世からなる一大叙事詩の読み方を習い

禅の先生からは『空』から出づる物語を見出す力をつけられ

その他もろもろの先生たちからも
たくさんの『物語』の読み方を教えてもらい

本当に
物語というのは織り成すのだなと実感します

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物語とは
その人の背景に流れる潮流のようなものです

だから、その方ご本人が
全てを話しうるわけではなく

その方が話す内容に聴き入りながらも

その方の背後で流れる水の流れにじっと耳を傾き続けるといいますか

そうすると
次第に、ただの雑音だったようなものが

あるリズムを刻んでいて
かつ、何かメロディ的なフレーズが聞こえる時があり

その背景の音楽的なものが実はすごく大事だったりします

 

そんな中でも
今年は
かつての女性たちの涙の粒の音が多く聴かれた一年でありました

世界各国のどの神話を見ても
『男性 女性』の中で生じる『葛藤』は大きな争いの種として存在します

日本の古事記ですと
男性の神と 女性の神が出会った時に
女性から声をかけたものだから
できた子どもは不具の子供だとなり、それを流したら島になり
それが淡路島という

何故か女性が『先んじる』と難が起こるという物語があります

・・だからリードするのは必然的に男性となり
男性主導の物語となっていく

男性が選びつづけるお話

例えばギリシャ神話で有名なゼウス神は
行く先々で娘に恋をして連れて帰ろうとするものだから

嫁であるヘラーは嫉妬して大変なこっちゃだが

『神様も嫉妬するのね・・』と
親近感も湧くけども

それにしてもゼウス神の女好きは並大抵ではない

この『女性 男性』を創造した『本当の神』はもの凄いなあと思う

二項対立で
ここまで深みのある物語が作れるのだからすごい

平安時代の歌をみてみても
どこもかしこも『叶わぬ恋』のオンパレードで

そこの熱量の凄さよ

 

そんな二項対立の葛藤を人類は最古から繰り広げて来たわけでして

今更
そこに答えが出るとは思わないけれども

人類は、長年『葛藤』してきたのだという物語は、
色々な方の背後でも繰り広げられています

それを眺めていると、どうしたら良いのかなあ・・と思ったりもするわけです

 

夫婦カウンセリングや
カップルカウンセリングも多くいらしていただきましたが
概ね、私のカウンセリングでは申し上げることはひとつです

そうすると、あれよあれよと
夫婦が発展して仲良くなっていかれるので面白い限りなのですが

 

コツは『ぶつかりを恐れないこと』に限ります

 

本当の魂のぶつかり合いです

『いいカッコしい』みたいな逃げのようなものが混ざると
途端に濁る感覚があります

 

ここまで書いて
年末に何を記しておきたいのかと言いますと

人類は悩みや迷いや葛藤があることが『問題』ではないよなあと思うのです

問題があることについて
きちんと悩みきるということができないということが問題ではないかなと思ったりもするのです

悩みや葛藤を
持ち続ける力

その力が一番なのではないかなと最近は思うわけです

私はそれを『胆力』と表現したりもしますが

先生たちは『葛藤がないケースなんてつまらない』と言い切ります
・・・嘘でしょ😭と最初はびっくりしましたが

精神科医やセラピストとしては
葛藤を治すためではなく
『葛藤を持ち続ける力』を育てる、もしくは養ったりする支援こそが一番なのではと思うのです

 

ラッキーなことに問題解決がオプションとしてついてくることが多いですが

そのオプションだけを最初から求めた生き方は
最終的にはどういう人生になるのだろうか

と、私も思うわけです

 

介入などで記憶が戻ったり
我に帰ったり
正気に戻ったりすることは、最初の段階であり

その後
その葛藤をどう自分で『持てるか』『持ち続けられるか』が大事なのです

 

割り切れることばかり求めないで

割り切れなかったことにこそ
『その人の本質』が隠れていて

その時に、私も魂が震えるような感覚になります

割り切ることの中には『選ばれなかったこと』もありましょうが

何故選ばなかったかという周りへの配慮の感覚も
とても大切なものなのだと思ったこともありました

選ばれなかった方は
惨めで悔しく無様な感覚を覚えましょうが

『対立したこと(者)への敬意』こそが
次世代に向けても
実はすごく大事なものなのかもと来年へ向けてのヒントとしたいと思っております

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いよいよ今年の私は
先の道が『空』のようなものになっておりました

なんやら天を仰ぐと満天の星空で

その下の暗く深い森には
シンとした静けさの湖のようなものが
目の前にあることがうかがい知れます

今年は水面上はものすごく
てんやわんやした一年でありましたが

水面下は
物凄く静かで深く
悠久の時が流れてくるのを感じます

 

精進し続けるのは変わらずでおりますが

来年はどんな年になるでしょうか

カウンセリングにいらしてくださった皆様も
ブログを読んでくださる皆様も
お世話になりました

どうぞ良いお年をお迎えくださいませ

2023 ユークリッド・カウンセリング

   

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