こんにちは。高之瀬です。
皆さま乙原のブログがそろそろ恋しい頃でしょうか。。
さてさて、前回は
「私がいかに動けなかったか」
「いかに動けるようになったか」
「そうなるまでに何をしたか」
をお話して、
まさにその中に乙原のカウンセリング哲学の一つが現れている
というところまで行きました。
それでは、
その乙原のカウンセリング哲学とはなんなのでしょうか。
まず一つ目は
「『できること』を増やしていく」
ということです。
一見当たり前のことのように思えるかもしれません。
しかし、
私たちは『できること』よりも
『できないこと』
『症状そのもの』
に目を向けがちなのです。
(どうですか?)
私自身、
『なにができるか?』『なにをしたいか?』
ということよりも、
『この痛みの原因、この辛さの原因はなんなのか?』
ということに終始してしまっていました。
というよりも、
『辛すぎて何がしたいかとかそれどころじゃねえよ!』
っていうのが心の叫びではありましたが。。
そして迷宮入りするというパターンを繰り返していました。
そんなわけで、
『辛くてどうしようもない状況』自体は
エネルギードライブ療法等でケアをしつつ、
確実に『できること』を増やしていく
というのが乙原のカウンセリングです。
そして二つ目は、
「その方に合ったステップを設定する」
ということです。
これも言葉にすると当たり前のようなのですが。
クライアントさま一人一人に合ったステップというのは
クライアントさまによってそれぞれです。
これまでの歴史、育ってきた環境や培ってきた価値観、性格や物事の捉え方、ありとあらゆることが人によって異なります。
私に合うステップが、
これを読んでくださっている方にそのまま合うとは
限らない、、、
というよりも合うことは無いと言い切ってもいいと思います。
現代催眠の祖ミルトン・エリクソンもその論文(*)の中で
「『催眠を行う者』(高之瀬注;=カウンセラー)の果たす役割がどんなものであれ、『被験者』(高之瀬注;=クライアント)の役割には、催眠を行う者の役割に求められる以上の積極的機能ー被験者の全体的な性格特性のもつ能力や学び、体験的な歴史からくる機能ーが必要である」
と書かれています。
(*)Erickson, M. H. (1952/2001 b), “Deep Hypnosis and Its Induction,” in Milton H. Erickson M.D.: The Complete Works (digital media published by the Milton H. Erickson Foundation)
カウンセリングにおいて、「クライアント側の積極的な関わり」が必要であると言っても、
それを引き出すのはカウンセラーの役目でもあり、腕の見せどころでもあります。
クライアントが「できること」を増やしていくということに重点が置かれるわけですが、
そのクライアント一人ひとりのこれまでの歴史や体験に沿ったものである必要があり、
また、そのクライアントが『これならできるかも』と思えるステップを
(なるべく細かく)設定することが重要であると考えられます。
(そうであって初めてクライアントが積極的にカウンセリングひいては
個々人の人生に積極的に関われるようになります)
次回は以上のことを踏まえて、
私が乙原に言われてやったことを改めて振り返ってみたいと思います。
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