からくり箱

 

からくり箱というものをご存知でしょうか

 

箱根の伝統工芸品でもある、これは秘密箱とも呼ばれていて

内部や表面に仕掛を施し、
一定の操作を行わないと開かないように作られた容器であります

 

細工箱などとも呼ばれていますが

美しい木目が
模様のように並べられていて

それが市松模様や縞模様などを織りなして
ただの木目なのに、とても深みのある色合いなのです

 

私は生まれが神奈川なので
自分の県の『伝統工芸品』を調べなければならないという学習があって

その頃から
この箱の神秘さに惹かれてしまったということもあります

 

この、からくり箱の面白いところは
蓋を開けて内部をを見るまでに
何行程も、どこかしらを押したり、引いたり、ずらしたりして

箱をどこかしらを少しずつ動かして

そうすると
パカリと蓋が開くという
箱自体が『鍵』となり得るという
存在自体が不可思議なところなのだけれども

この『箱』は、

精神世界を仕事とする私には

どこかしら『心』の構造と似通っていると
いつも感じている

 

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蓋を開けたくても 開かない

ということは心の内部を見てみようと試みるときに
どなたも感じたりするものではないかなと思う

特に、ずっと自分の心の痛みなどを感じないように生きてきた方は
いざ自分が何を感じているか・・などに向き合おうとしても

どこをどう感じればいいのか

上下も右も左もわからないという感覚に陥るらしく

そこで初めて
自分が何を感じているのかわからない

そして自分が何を面白いと感じているのか

何が好きなのか
嫌いなのか

嬉しいのか

悲しいのか

怒っているのか

それが皆目、見当がつかないという方は多いです

 

そして
そこで初めて
自分自身に焦る感覚を持たれるようです

『自分が何を感じてるのか、感覚を取り返したい』と
よくカウンセリングでは主訴としておっしゃられます

しかし、その状態ですと
いきなり『自分の心の蓋を開ける』ということは難しいのです

めちゃくちゃ
何重にもロックがかかってるような状態なので

いきなり『鍵がありました はい 開きました』
・・なんて事は在ったことがないです

 

そこで
からくり箱なのです

心の蓋を開けるには
色々な働きかけが必要なのです

自分の心の箱というものを
まずは温めて

それから年齢ごとの記憶を少し動かして
(そこにトラウマがあったりして記憶がおかしくなってる場合には記憶を取り戻させて)

自分の感じたことや

自分が分裂したならば
そこの分裂したところを癒して、くっつけて・・

などなど

からくり箱並みに動かしていきます

 

その動かし方も
『全然関係ないこと』が実はすごい大事な心の動かし方の支柱だったりするのが面白い

私の場合だと

解離性同一性障害で
心の内部の人格の声(本当の本音みたいなもの)がなかなか捉えられなくて

でもその人格自体も
こちらに繋がれないからフラストレーションみたいなものがすごくて

それが圧みたいな圧迫される感覚で
もうしんどくてしんどくてたまらなかった

私は、もう猪突猛進ですから
その人格を目指して
なんとか解放できないかと
それはそれはノックしまくり、体当たりしまくりしてましたが

開かないよね

隔たりがあって、どうにも繋がれないのです

 

でも、あちら側からも
こちらへのサインみたいなものはあって

不意に涙が流れてくるとか

変な感覚が込み上げてくるとか

そういうサインは届けられるのだが

それが、どうにも遠いのだ

 

そんなあるとき
私は『欲しいもの』があって

それをどうしても言い出せなくておりました

でも、やはり欲しいよなあ・・となったが
買いに行った先で、アクシデントで買えなくて

そうしたら、もう心がすごい荒れて荒れて

『欲しいものは欲しいんだよ』みたいな激流が流れ込んできて

その激流で
そこにあった隔たりが、決壊したのだ

 

それとともに
私は、母親からいつもモノを捨てられたり、隠されたりしていたので
『大事なものを捨てられたくない』『大事にしたい』という感覚が蘇ってきて

『ものを選ぶ』ということは
実は心の成長に非常に大切だったのに
親から取り上げられたり差別されたりするから

そこが『鍵』となっていたのに
気が付かなかった

 

からくり箱の
一つ、ずらす部分は『欲しいものを欲しいという』ということだった

これがずれて
中から隠れていた感覚の一つがピョコンと飛び出したおかげで

また核の部分に近づいた気がする

その箱の
奥の奥には何が在るのか

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本当は、無なのかもしれない

先生たちや、先人たちの解釈なんかを聞くと
『無』だったという場合が多そうですが

私は、他にも何か仕掛けがかかっている気がするのだ

それを一つ一つ解いていくのはとても楽しい行程でもあり
心を開けていくのは苦しいこともあるが

でも、それは自分にしかできない大切な自分への向き合い方。

 

クライエント様と『初めまして』と初めてお会いした場合
背後に『箱』が本当に見えます

それはブラックボックス的な様相をしていますが

どこか異次元的な繋がりと宇宙的な広がりを持っている不思議な箱です

   

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