抽象的な『馬鹿』

いきなり

『馬鹿なの?』

と言われた時
耳に血がドクドク流れる音がして

私は ただ 目を見開いたまま
動けなくなったのだ

楽しく談笑していたら
急に 私の言動がスイッチに触れたらしく

キュルキュルと 視界が廻り

この時を思い出すと その相手の赤い顔が浮かぶ

そして その方の
身体の曲線も ぼんやり浮かんでくる

くの字になり 腰を曲げながら
顔を赤くして
私を ひと指で さして叫ぶ姿は

江頭みたいだなぁ と思ったのだ

そして その時 私も それを思ったのだ
『こいつ 馬鹿だ』 と

あの時の 私の反応は
正直 上に書いた通りだが

最近 これをよく思い出すのです

なぜなら
『馬鹿なの?』と私も 他人に思う場面が増えたからだ

発端は
『お金 かして』と言われたのと

勝手に 私のものを捨てられていたこと

この出来事に対して
『馬鹿なの?』と 呟いた私がいたのだ

さて いまの呟きは
なんで出てきちゃったかと その時思いましたよ

呟いた瞬間 目をかすめる速さで
黒い影が見えたし

呟いたあとに

あれ? そもそも 『馬鹿』ってなんなんだ?と
考えてみたらば 説明できないし
知らないことに気がついて

だって カテゴリーや境界線が
『馬鹿』には 決まってないじゃないか

うむ これはいいチャンスだ!とばかりに
潜ってまいりました

『馬鹿なの?』の実態を見に。

そうしたらば おりましたわい

『私の世界』のルールから外れた行動が
私の白い壁にうつりこみ

そこにうつる 黒い影に 馬鹿なの?と
呟いていました

白い壁の内部は 私の世界でした

私の世界がわかるのは
私しか居なくって

だから 私は 私の世界では 王様でした

王様が 壁に呟いていたよ

だって王様なんだもの
王様の世界では

だから 私が 1番正しくて
私の世界では
『私の世界』を理解しているのがこの私
1番の知恵者なの

だから みんな 馬鹿なの 馬鹿なの 馬鹿なの…


その王様の表情は見えなくて

ちょっと泣いている私でもありそうだし

いつか私を罵ったあの人だったのかもしれない

そうしたら ふいに
私は思いました

白い壁ばかりをみて
世界を知った気になってるのって
つまらんな

世界は 知らないことばかりだ

そういう意味では
知らないことばかりで
世界を『私』にしていて

知ったつもりになっている私は 馬鹿なのかも!笑

そうしたら愉快になってしまって

いつのまにか 壁も王様も消えており

草原に ぽつり
風を頬にうける自分が おりました

 

あの方が 一生懸命に 私に言ってたことも
満更ではなくて

うん 私 馬鹿だよな

と ニヤリとした自分がそこにおりました

 

どこからか
風が
樹や草の若々しい匂いを 運んできています

 

 

Instagramはじめました
カウンセリングルームの様子を
よかったらご覧ください

 

↓TOPページへ戻る↓ユークリッド・カウンセリング
ご予約・お問い合わせ等はこちら