笑えるもの

 

クライアントさまと話をしていて

うーん そうだよね!と盛り上がったのが

 

お笑いの芸人さんたちの『芸風』が変化してきて
それに伴う『私たちの世界の変化』も
なんだか 変わってきたよね

というお話

 

このクライアント様は
大学時代に ラカンを学ばれていた事もあり
少し 視点が(いい意味で)変わっていて
いつも面白い表現をなさるなぁと思っていましたが

そのクライアント様が仰るには

『お笑いの質が変わってきた』 との事。

それで盛り上がってしまったのだ
…私達の笑いや 楽しいって
結構 『その時代の芸人さんに作られているかも』と。

 

確かに
私は
『ドリフ世代』の終わりと
『志村けん、加藤茶』のゴールデンコンビを
幼少期に経験しました

その頃 よく 『笑い』として
学校のクラスに存在したのは

『失敗を笑う』『ドジを笑う』などの笑い

座ろうとした椅子を
後ろから引っ張られて
ドシンと尻餅をつくと

周りは 皆んな 笑ってたよなぁ…

あれ 恥ずかしかったんだよな
…と 思い出す

 

なんとなく あの時代ってのは
『痛がる』とか 『恥ずかしがる』様子をみて笑うという空気があった

タライが頭の上に落ちてきて
芸人さんが目を回す なんてシーンは
私は なんだか 痛くて
あまり笑えなかった

胸をあらわにされて
乳房を見られて 苦笑いする女性達と
それを見て
ゲヒゲヒ笑う男性の芸人さん達をみて

よくわからないが
これは 大人になれば
許される笑いなのかと 学んでしまったところもある

 

そして あの辺りは
『面白い流行り歌』を芸人さんたちが作り
それを子供達が 大声で歌うというあたりで
(今も変わらないが)

淫猥な歌を歌うことにより
眉をしかめる大人達の顔をみて

それを よけいに 囃し立てるように
歌うというコミュニケーションがあった

 

タブーが
まるで 会話のキャッチボールのボールのように

あちらこちらから飛ぶようになった気がする

 

しかも
それは 大人 対 子ども という構図で

子どもから
大人への 今までは無かった 『表現』が
芸人さん達の力により
表立ってきたのではないかなと思う

 

古典文学などを読むと
子どもなりに 大人の 『しがらみ』を察して

差別や
生まれながらの貧しさなどに
苦虫を噛み潰したような想いをしながらも
『正攻法で成り上がる』表現が多いが
(例えば 沢山勉強して 出世するとか 下克上とか)

 

1980年前後にもなると

『皮肉』や『ブラック』や『差別』の部分を
笑いでコーティングする代わりに

親と子の 世代間の『性』取り扱いの差異を
笑うという裏の笑いが出てきたような気がします

 

『子どもに見せたくない番組』として
PTAからクレームが
くるほどだったとは聞くけども

親も、何をそんなに刺激されたのか

…と 今の目線で眺めてみるのも面白いかと
思います

 

そこから また時は流れ

とんねるず らへんの時代は
…色っぽさみたいなものを
『これ、いいよね』と
クスクスと笑うようなイメージだった気がします

 

ダウンタウンの時代になると
イメージは
『怒鳴る』のイメージが強い

怒鳴るおじさんや おばさんの
変わりっぷりを 笑う ようなイメージ

 

そして
今 現在は どうなのでしょうね

強者が いじる

というお笑いから

弱者と言われる人達が 知恵を絞ったり
工夫したり
努力したりして

開示する姿に 感動させられる
…という芸風が多い気がします

 

子ども達の 『笑い』を見ていても
『他人の痛み』などには あまり 笑わないのよな

『笑い』にも
世代と時代が あり

世代と時代により
『笑える内容』は
それぞれ違うのかもしれませんね

 

 

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