名付けの物語

 

家族の外には決して出せない『家族だけの暗黙の物語』

 

クライエント様のお話をお伺いしていくと
ある傾向に気付かされます

それは、『家族内だけの神話』とも言えるような
物語が、家族の中に存在しているということです

 

シェイクスピアは、物語のパターンは全部で36種類に分けられる!
と言っていたといいます

真偽のほどは分かりませんが
私も無類の
『物語好き』そして『神話好き』なので

クライエント様のお話を聞きながら
どことなく
『これはこの物語と似ているなあ』なんぞと想いながら耳を傾けています

 

まず一番分かりやすいものが
『嫉妬もの』です

この嫉妬の物語でも
・親と子
・兄弟間
・ご近所

などと登場人物は違いますが
物語のベースとなるものは『誰かの嫉妬から生まれる物語』です

 

一番有名な嫉妬物語といえば『白雪姫』で

継母(本当は実の母親だったとも言われたりしますね)が
娘の健やかな美貌に嫉妬するところから始まります

 

もし、継母が、白雪姫に嫉妬をしなければ
白雪姫は森へ行かず、7人の小人にも会わず

そして毒林檎🍏なんてものを食べないから
王子様には出会わなかったことでしょう

 

しかし、面白いことに
クライエント様の物語でも
『ああ、まるでこれ 白雪姫みたいじゃないか』と言う物語を含んだ生育歴の方は

白雪姫(のポジションと言えるクライエント様)が選ぶ夫は
継母の理想のパートナー像だったりするのです

 

白雪姫の物語では
本当の父親は、ほとんど姿を現しません

『不在の父』は
もちろん妻(継母)にとっても『不在の夫』となります

白雪姫の物語だと
晴れて『王子様』と出会うわけですが

クライエント様のパートナーとなる方の多くは
『存在感のあるパートナー』が出現するところが非常に興味深いところです

 

ーーーーーーと、これは 2世代にわたる物語のご紹介になりましたが

 

次は『神話』とも言える
家族内だけの物語に目を向けてみると

これはこれで、面白い兆候がたくさんあるのです

 

『〇〇家の恥と言われる』などという言葉がカウンセリングの時に出てきます

おおッとびっくりするようなフレーズですが
これは『その家だけに伝わる言葉』です

大概、このフレーズを家訓としているお家柄の先祖は、
名家や土地をたくさん所有している昔話風に言うならば
『庄屋様』のお家柄の子孫の方が多いのです

自分たちの血縁をこよなく特別視するという物語が
家にまるで『神話』のように語り継がれてきてしまうがゆえに

家からの縛りつけは非常に強く

もう、催眠レベルという次元ではなく洗脳レベルであります

 

育った家が
『自分たちの血縁が至上主義』という物語は

子孫の中でも
とても理性的で、健全な思考バランスを持った人を脅かしていきます

そもそも
家にある『密やかな物語』を最初から疑いもせずに
信じ込む人はトラウマにはなりません

『家に流れるこの空気はおかしい、何かがおかしいんだ・・』と
疑問に思える人は
その家の密やかな物語の深淵を覗いてしまいバランスを崩してしまうのです

 

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まだまだ若輩者ですが
フロイトの流れを汲む『精神分析』をカウンセリングに用いていますが

精神分析の中で
一番に注目すべき点は(私としては)

そのクライエント様(困っている人)の背景です

どういった『物語』の中にその人が入り込んでしまっているのか

を丁寧に読み解くところから始まります

 

カウンセリングにいらっしゃる方は
もちろん、お困りの方でありますが

どのかたも
もれなく、暗い森の中に迷い込まされてしまっています

なんとか森の中を彷徨って生きていますが

その森の中には
狼などの人喰いや
魔女などがいて

今か今かと牙をむいていたり
お鍋をかき回しながら罠にかかるのを待ち構えています

そういったものをいかに
上手くけむに巻いて
物語の中で共存していくか です

 

それに
自分が、誰かの物語での登場人物になっている・・なんてこともよくあることです

誰かの物語の『脇役』もしくは『引き立て役』となってしまっている方は

どのかたの物語に内包されているかを
丁寧に見ていく必要があります

影響力と、求心力で、
周囲の人を自分の物語に引き摺り込んでいる人がいるのです

物語自体を否定はしませんが
周囲の人を引き摺り込まないと完結しない物語は
なかなか厄介なものです

 

他者の物語に、引き摺り込まれている人は
『他者からの催眠』と『他者からの洗脳』にかかっていると言っても良いと思っています

なので
その物語からの脱却を目標として

『新しい物語の構築』をカウンセリングでは始めていくのです

 

 

クライエント様の
クライエント様による『回復の物語』は
いずれの物語も本当にすごいストーリーになります

『悪魔』との契約を捨てにいく物語や

『名前探し』の物語なんかもあります

 

そうそう
『名前探し』といえば

相手に『名付け』をした時点で
物語は急展開をすることがよくあります

例えば、今まで『母親』として認識していた存在に対して

『魔女』と名付けた方がおりましたが

その名付けをした時点で
その人の物語が

魔女から魂を取り戻す物語

になったのです

 

魔女は魂を喰う存在として
自分の中に『像』が生まれた瞬間に

その人の人生は『物語』として動き出すということがあるのです

   

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