時間がかなり経ってしまっておりました
申し訳なし
いろいろと考える出来事が多く
もう1月も半分過ぎてしまったよーーー
というわけで
今回はカウンセリングの方向性についてのお話です
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新規でいらっしゃった方に、私は見立てというものをするのですが
その際によく見るのは
その方それぞれの『欲動』です
フロイトは無意識という領域を発見して
そこをエス(イド)と名付けます
そこは性的衝動の場所でもあり
性エネルギー、もしくはリビドーの場です
その性的エネルギーは幼児期から成長と共に発達していき
幼児期の性欲動は身体全体に広がっていきますが
発達段階に応じて
たとえば口唇期(ミルクを飲む時期)など特定の部位に集中しながら
移動をしていきます
たとえば5、6歳の時期の幼児は母親の愛情を独り占めしようとしますが
父親だったり
兄弟姉妹がいることで独り占めが叶わないので
母親への思慕と、父親または兄弟姉妹への憎しみは
無意識へと抑圧されていきます
フロイトは、この時期の心理状態を
父親を殺して母親と結婚したギリシャ神話のエディプス王にちなんで
エディプスコンプレックスと名付けました
フロイトによると
このように抑圧された社会的道義的に許されない性的欲求は
無意識の中に抑圧されて
それが複雑な働きをする心的なエネルギー体のようなものになり
理由のわからない不安や麻痺や強迫などの神経症的な原因となると
考えられてきました
しかし、現段階の私たちのカウンセリングを見ていると
これらの愁訴はあまりいらっしゃいません
むしろ、この概念が周知されたこともあったせいなのか
兄弟間のコンプレックスなどは
割と扱いやすくなったのか
自分自身で、なんとかする方が多いような気がします
むしろ現代におけるカウンセリングでは
もっと複雑化した『欲動』が浮上してきているような気がします
私たちはある概念を近代になり取り入れることにしました
それは『人権』というものです
人は等しく、誰にでも幸福になる権利がある
というものが人権です
この『人権』という概念は
とても難しい概念だと、私は思っています
むしろ究極の理想論だと思っていて
未だ現代では
その『人権』というものを使いこなせていないような気がするのです
人権というものを
よく知らないままに、人間は『なんとなく幸せになる権利が、この私にはあるのだ』
と捉えてしまい
『私の権利』というものを
どれだけ追求していくかということに血眼になり
それぞれの、袖振り合う仲でも
どれだけ自分の袖を汚さずに大きく振るか
と言ったような剣幕がよくあります
『等しく他者にもある人権』と
『自分の権利』と『自分の幸福』というものがごっちゃまぜになり
何を優先していけば良いのか
こんがらがったままに
とりあえず『他者の得た権利』ばかりが目について
苦しくなってきてしまうという方々が
多くカウンセリングにいらっしゃっているような気がします
そのような方には
見立てとして『本当の欲動』をきちんと把握していただくことをします
欲動には『良・悪・善』もなく
むしろ獣的な本当の動物的な欲求です
また、この欲動は
それぞれ全く違うあり様をしていて
人により表れ方は違っています
ある方の欲動は、『他者を支配したい』というものだったり
『ずっと怠惰でいたい』だったり
『快感を感じ続けていたい』だったりと
強弱もさまざまであります
カウンセリングでは、自分の欲動は一体どんなものなのか
ということを
オブラートに包む場合もありますが
それぞれクライエント様の『自覚』として感じていただくことをして
そして、その欲動を、まるッと抱えて
どう人間社会で生きていけば良いかを考えていくことをします
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私ごとの話になるのですが
私は幼少期に、この『人間の欲動』というものを
まざまざと見てしまう環境下にありました
今ではその分野に理解はありますが
幼少期に、人間の獣性を帯びた欲動を見た経験は
それこそトラウマとなり
ずっと誰にも言えずに過ごしてきました
持つ者と持たざる者
欺瞞と差別と殺意に満ちた阿鼻叫喚な世界でした
なので、日本という国で
『社会』が形成されて、発展していくなかで
周りの人たちが『幸福』をいうものを追求していくという世界が
それこそ『人間ごっこ』のような
蜃気楼のようなものに見えてしまい
本当のリアルな世界は、むしろ
人間の皮をかぶって人間ぶっていたけれども
一皮剥けば・・という世界観の方でした
なので、カウンセリングの仕事についた際、
綺麗事と正論を基盤とすることができませんでした
むしろ『人の獣性』が見えてしまったのですが
しかしそれは
カウンセリングを提供する上ではかなり強みとなった『私の眼差し』でした
獣性は
単体では弱く、無力であるがゆえに
独占欲をもち
集団を求め
また自分を誇示したくなる支配性を帯びており
そして他者との区別化・差別化をします
子孫を残すようにプログラミングされているために
そのプログラミングはある年齢になると
身体の衝動性として表れます
そのような生々しいものを
私たちの身体と脳へのプログラミングされたものを抱えて
かつ集団をどう維持するかという難題に対して
集団の中で、淘汰されないために
抑止力として『人権』などの概念を
さも常識のように掲げていますが
しかし本当のところは
大人も子供も
誰もがとても不安で、孤独で
無力感を感じていて
いつ隣人に攻撃されないかとビクビクしていて
『人権』なんて概念は
実は、誰も信じてないことが
無意識下に
見え隠れしていて
それを誤魔化せなくなってきたときに
カウンセリングにいらっしゃる方が多いような気がします
カウンセリングでは
本当の恐怖に直面化してしまった人の不安を癒したり
また集団で隠しきれなくなって際立ってきてしまった
獣性を帯びた欲動を、抱えきれなくなってしまった人を
どうしていけば良いかを考えていく場にしております
私は
人権なんて蜃気楼のようなものだ
なんて曰うておりますが
しかし
心の底から、『人権の実現』を願っているというジレンマを抱えています
何世代かあとに
本当の意味での『人権』を人類が相互理解できたらなあと考えていて
今はその未来のための
種まきをしていくことが仕事なのかもなあと思っています
では今できることとして
何をしたら良いのかという具体的なことですが
人は、自分の獣性を把握して
それを自覚して抱えて生きていくことが『人間としてのたしなみ』ではないかと考えています
たとえばの例で言うと
自分にはひどく依存的なところがあるけれども
それは『弱い』という動物的な自分への信頼感がないゆえに
他者をコントロールしたくなるんだなあ・・
でも、他者も他者で
1人の人間なのだから
『自分の弱さ』を埋める道具ではないんだよなあ・・
では『自分の弱さを活かす道』はないのだろうか
というようなカウンセリングをしております
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私も、自分の弱さを生かした仕事に就いています
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