マルチタスクは落とし穴もある

世の中で
マルチタスクの脳の使い方は生産性が高い、無駄がない、効率が良いと言われていて

マルチタスクで物事を進められると『良い』と言われることが多い気がいたしますが

実は深い落とし穴が背後に待ち構えていることが多いので
注意が必要になります

 

そもそもマルチタスクとは
複数のことを同時に行える脳のことを言いますが

実はマルチタスクを『意識的』に行う以前に
脳は『マルチタスク的』になるように成長していくものです

例えば道を歩いていても
後ろから車の音を耳で聞き分けて
自動的に『危険⚠️』と脳が判断できるように常時
その『警戒』のモードに外出の際に切り替わっているし

仕事をしていても『時間』と言うものが
常に追い立てているような感覚だったり

先の見えないことを『心配』したままのモードで
誰かと会っていたり

誰かと楽しく食事をしていても
過去に『気まずい発言をして嫌われた記憶』を何個も反芻して思い出し
食事を食べることとと
会話を気にすることと
場を壊さないこと
・・を気にしなければならないなどという
結果、マルチタスク的な脳の使い方をしなくてはならないとなります

日本の社会は『恥』をかくことをとても避けたがる傾向があるので

常に『規範』を意識せねばならないということ
それが常にマルチタスク的とも言えるのです

 

クライエントさまの主訴として
『疲れやすい』と言うものが非常に多いのですが

どの方も共通して言えることは
『認知負荷が高い生活をしている』と言うことです

認知負荷とは
脳が情報を取り込み
『それは何か、どういうことなのか』と認知して
それを
『処理』すると言うことなのですが

 

この『処理』段階で

『恥を晒してはいけない』
『失敗してはならない』

などという観念を持っていると

情報として
取り込んだことからの『正解』をいつも出し続けなかればならない

といつも追い立てられることになり
脳の働きがオーバーヒートしてしまうのです

 

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接客業や営業などのコミュニケーションをする仕事は
『相手がどう考えているか』を常に推しはかりながら
会話をしたり
行動を読んだりしなくてはならないので
認知負荷が高い仕事と言えます

 

また家事なども毎日やってもキリがなく終わりがないので
限られた時間の中で
自分をどう動かすのが良いか・・と

自分を機械のように捉えて
自分を働かせなければならないので
認知負荷が高いと言えると思います

 

赤ちゃんや幼児をお世話することが非常に大変だと訴えるお母さんは多いですが

それは『相手が曖昧な情報』しか出さない上に(言葉を喋れない)
素早い判断を求められるので
プレッシャーも大きく
負荷が多いと言えると思います

 

ただ、情報をある程度『読み解ける』ようになると
慣れていったり学習することで負荷は低減していくこともあります

人間が社会の中で生きていくには
『周りからの情報』をなるべく的確に読み解かないと
『恥をかいたり』『見放されてしまったり』するので

情報を読み解かないと
『自分にとっての不快なことが待っているやもしれない』と

やむにやまれぬ脳の使い方をしないとならないのが
現代でもあります

疲労は現代病の入り口でもあるかもしれないなあ。。と思うのですが

 

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マルチタスクをし続けていると
次第に脳は負荷がかかりすぎて

免疫力が弱まってきたり
自律神経(生命維持をするところ)の働きが乱れてきます

その中で注目するところは
やはり『自律神経』です

自律神経は、
①呼吸
②排泄
③血液循環
④体温
⑤消化吸収
⑥ホルモン分泌

を司るところになります

自律神経とは、『意識ではコントロールしづらい』ところなのです

トラウマを抱えていたり
PTSDの方は、この自律神経がどこかしら調子が悪いです

 

そして分類としては
性的虐待(身体的接触だけではなく、例えば女性らしいことを強要されるとかも含まれる)
を受けた方などは
⑥のホルモン分泌が乱れており
生理痛やパートナーとうまくいかない(恐怖心などがある)
・・などの特徴があり

 

恐怖心を刺激され続けてきた方は
①の呼吸系が乱れており
パニックや、過呼吸などで表れてきます

 

②の排泄・・便秘、下痢は
押し付けられすぎてきたものが多い方に
よく見られます

価値観の押し付け、要らぬ愛情の押し付けを経験されてきた方が
身体の現れとしてこの症状が多く見られる気がします

 

③血液循環が悪い・・と言うことは
束縛、嫉妬を経験されてきた方に多い気がします

親から束縛されてきた・・もしくは親から嫉妬されてきたなどの方は
手足がものすごく冷たいです

そしてものすごく顔色が青白いか
黄色味を帯びてしまっています

 

④の体温
これはあまり気にする方も少ないのですが
おしなべて低体温か

もしくは夕方になると微熱が出る・・という方。

体温調節がうまくいっていないと
朝起きられないと言う症状につながってしまうことが多いです

 

⑤は過食が過ぎてしまう
なにかを口にしていないと落ち着かないなどと言う症状で
よく見られますが

愛情飢餓の状態です

回復してくると一時的に体重が増えますが
(この時点でカウンセリングを怖がってしまう人も多い)

怖がらずに進めていくと
『愛情』の本質が心の底から理解できるようになり

回復が充分に進んできますと
『愛情より、安心な場が欲しい〜〜』なんて
皆様仰います

拒食もこれにあたります

なのでもれなく『住まい』を整え始めるのが
この方達であります

誰かに何かを与えてもらうことよりも
実は、ただ『安心』したかっただけなんだ!!と
仰います

 

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トラウマの治療を進めていくと
どのかたも『生活での不便だったこと』と言うことに
気が付かれていきます

誰かを操作しようとしていたんだ・・

とか

誰かから搾取しようとしていたんだ・・

とか

誰かが離れないように演技していたんだ・・

とか

もっと奥深いところは

恨みを晴したかったんだ
(それはすなわち、自分が楽になりたいと言うことです。
怒りを持ち続けると言うことはすごく消耗するので)

怒りを手放したかったんだ

などの
自分では如何ともしがたいもの
・・
それは『執着させられてしまっているもの』

動かされてしまっている

と言うことに気が付かれていきます

 

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そのような『奥底』の色々な願望が
実はマルチタスクへの切符だったりもするのです

なので
一見楽しんでいるように見えても
実は『打算的』な働きを脳がしていたらば
それはもう

脳に負荷が掛かる働きであります

 

では
どうしたらば、脳が疲労しないように活動をできるのか・・なのですが

やはりシンプルに
『目の前のことだけに集中してやる』と言うことなのですが

でもでも現代人は
そうはいっても気を抜くと『フル稼働の脳の使い方を』推奨されているので

癖がついてしまった脳を
まずは休ませるような動きを取り入れていくことが
一番の近道だと思われます

 

何人かのクライエント様と実験的にやっていたことですが
どの方ももれなく落ち着かれてきて

そして『今まで生きてきた中で、一番生きやすくなった』
とおっしゃるのですが

『丁寧に目の前のことをやる』と言う行動を通して
脳が静まることを
脳自体が理解してきた

と言うことです

 

例えば一例ですが

『食べる』と言うことをただ
ものすごく時間をかけてやってみるとチャレンジをしてもらいます

やり方は
まるでその食べ物を初めて食べたような感覚

始めた味わうものなので、ゆっくりと新鮮な感覚で

『その食べ物を体全体で迎えにいく』と言うことをするのです

迎えにいく時は、身体全体で

そして味わう時(口に入れた瞬間からですね)は

身体全てが『口になったような感覚』で

(瞼を閉じて味わうのもいいです)

その食べ物を咀嚼するのです

歯にあたる感覚
咀嚼する歯応え
唾液の出方
飲み込む時の、食道の動き

などを全身で感じるのです

 

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ただ歩く
寝る
たたむ
お風呂に入る
などの方法もありますが

どれも一つの行動を全身全霊で味わうと言うことなのですが

そこに『意識』を入り込ませないことが目標となります

『あーこれ、こないだ食べたものに比べて・・』とか
『時間の無駄だよなあ』とか
『これやってなにになるの』

などは代表的な意識からの『横槍』です

意識からの横ヤリは
本当に脳を疲弊させ
やる気を失わされ
イライラさせます

意識の横ヤリは気を抜くと
ものすごく『水を差して』きます

この水をさされる時の『水』は
後々に『汚水』となり脳にこびりつくような感覚になります

話していても
話があっちこっちに飛んでしまったり
(意識が邪魔するから気が色々な方向にそれてしまうので)

なにをしていても満たされない感覚で焦燥感ばかりが増えてしまったりするのです

 

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この仕事を始めてから
何故か、優秀な人や天才に多く出逢うことが増えたのですが

実は共通点があって
どの方もめちゃくちゃシングルタスクなのです

シングルタスクの方は
全身全霊をかけてある一つの対象に熱中するので
物事を成し得やすいです

禅の先生が言っていたことで
数学オリンピックで優勝した人が同級生だったらしいのですが
その人は
交差点の真ん中で
数学に熱中し過ぎて
いつも渡るのを忘れてしまうらしいです

いつもいつも数学と共にあるのがデフォルトモードなので
生活に気が回らないらしい

 

シングルタスクの脳の使い方を推奨するわけではないのですが

でも
シングル的に生活の物事をすすめていく脳の使い方をしていると

脳にエネルギーが充満しやすく
その結果
やりたいことなどに力を注げて

それがまた『やる気』のホルモンを刺激するので

どんどんいい循環になって来るのです

 

カウンセリングで実験的に

トラウマを治癒しつつ

シングルタスク推奨生活をしてもらった方々は
もれなく
『やりたいことで個人的充足を感じられて
生きるのが楽しくなってきた』
と仰います

今までの循環を
真反対の状態にするので
最初は抵抗が強いですが

いい循環に乗ってしまえば、皆様お一人で

いい風を掴まえて
船出をされていきます

   

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