聴いているとみえること

 

読む 聴く ということをとても大切に思うようになってきたのは
いつの頃からだろうか

話す 書く 描く という行為よりも
読む 聴く という行為は受動的であり静かな行為だけれども

でも内実は 人間1人の個体としてとても
アグレッシブな行為だと感じる時があります

 

特に読むという行為は
読んでいる時に、その人の内的な感覚を呼び覚まし
また色々なイメージをそれぞれに膨らませたりするので

内的な、それこそ心だとか精神だとか経験だとか記憶などの
個体によって違うものが膨らまさせるわけで

それこそ その人、それぞれの『個性』が出るものだと感じるのです

 

どんな本を読まれますか

 

という質問をカウンセリングではするときが多いのですが

その答えを色々なクライエント様がそれぞれにお答えになる時に

その本によって
この人は内的な何を刺激して展開しているのだろうか・・と
こちらも想像するところがあります

 

ある方と
どんな童話が好きかという話になり

私の好きな童話の話をしたところ
『記憶にあるが、物悲しい雰囲気の話だったとしか覚えていない』
と言われて、うちにあるその物語の本を持ち帰られていかれました

もしかして、今読んだらまた違う感覚になるのかもしれませんね

なんて言いながら
カウンセリングのお見送りを終えながら

 

なるほど、この物語を
このかたは『物悲しい』という感覚を呼び覚ますものとして感じられたのか・・
と不思議な気持ちになりました

私としては、美しい物語だなという感覚で
その物語を心に置いていたのですが

一つの物語にしても
多くのパターンの何かを感じられるもので

その感じ方にこそ、それぞれの方の『内的』なものが映し出されるのだなと思った次第です

 

またもう一つの『聴く』という行為も
とても受動的な要素が含まれているもので

ただ、人の話をじっと聴く
話だけではなく、そのことを話す声の抑揚や、言い回し
間合いや呼吸など

それこそ話の内容だけではなく
全身で聴くという行為をするときに
こちら側でも色々な思惑が湧いてくるのだけれども

それもひっくるめて『聴く』という行為をし続けるときに

何気に『聴く』という行為は現代では難しいものになりつつあるのかもしれない
と思ったりもします

 

私が今、もう1人スーパーバイザーとして師事している女性の方がいて
その方はそれこそ『聴く』という行為を全身でなされる方です

この人に会った時に
私の意識ではなんとも思わなかったのに

腹の内部が、もう、拍手喝采なのですよ

こんなことは今まで経験したことがないので
『腹の中で拍手している??!!』『誰がしてるの?』『てか誰なんだ?』
みたいな
自分で不可思議で

でもその時にその方に

『私のお腹の中が喜んでいるので これから長くお世話になると思います』
と申し上げたら
その方も不思議な顔をしていたけれども
実際長く続くご縁になった

女性同士で、こんなに長く続くご縁になるとは思わなかったけれども
でも、なんとなく希望のような感覚を感じるのです

 

そしてその方と話そうという場面になると
ふと脳裏に浮かぶのは
どこかの洞穴で、ロウソクに灯が灯る場面が見えるところです

私の内部の誰かが、話を聞こうと
灯りをともしたのかもしれないな・・と思うと少し温かな気持ちになります

そしてその方も面白いところは
私と話をしているようで
注目しているのは明らかに、私ではない『私』にであるのです

その先生は
いつも最後に『また次回に会えるのを待っています』と言ってくれるのですが

なんとも言えない気持ちになり
バランスが少し揺れる感じになります

 

確かに
私もカウンセリングでは、目の前に座られている方ではないところを
見ていたり聴いていたりしますが

実際自分がそうされると、腹の底がこそばゆい感覚になるというか

でもですね、私の内部の人は
なかなか出てこない
それこそ頑丈な鉄壁がある感じで、出てこれないという感覚があります

でも実際の生活では
不便ではあれども、そんなバラバラの私でも
別にこれが私だからいっか という感じで
内部が争いをすることもないので放っておいてますが

でも、それでも刺激として
しんどいトラウマを刺激された時に

ワーワー泣く存在が出てきたりもして

こちらは一生懸命に知恵をしぼって、なんとか寄り添おうとするのですが

でもこの悩みというか
葛藤は解決の道がなく

スーパーバイザーも『宇宙の深淵』と言っていたトラウマなので
答えがない

 

だから、もうひたすらに聴くという行為しかないのかもなあ・・
と思って見守っているのですが

おそらく、私の、私に対する『聴く力』がまだ及ばずなのでしょうね

大人の私でも
ものすごい罪悪感に潰れそうになってしまうので
それこそ胆力と体力をつけて
私の内部の子供を迎えに行くしかない

いつになることやら

と思っているところです

 

なので『聴く』という行為も
非常に集中力を必要とする、コツがいる行為なのだなと再確認するのです

 

さて
先日に家族カウンセリングなどのブログを書きましたが

家族内での『聴く』という行為は
その家族のなかでも一番大事な核となる行為になります

話しをしている人が『本当は何を話したいのか』ということを
ずっとわかるまで
ただひたすらに聴く

カウンセリングの最中は時間の制限があるので
多少の整理はしつつ話を聴きますが

身体の全てを使って話を聴くと
クライエント様の方も
何か深いところで、何かが こちらに注目をしている という感覚を感じるらしく

内的なところに
自分でも自覚できないところに

明らかに、こちらの会話に注目している存在がいると感じられるようです

 

本当に、『語りたいと思っている存在』がいるということを
実感された方々は
その、内部の自分の中の存在の声にジッと耳を傾けるということを
され始めます

すると物事が急に動いたり

周りからの対応が変わったりするということは
それこそ沢山ありました

 

人のコミュニケーションが
目の上あたりの、こめかみラインでなされている時は

それこそお互いがジャッジモードになっていたり支配的になってしまったり
もしくは話を聴くことすらめんどくさくて話の意図を促してしまったり
することが多いようです

人生の長さが
昔よりも格段に長くなってきた現代で
これからは『聴く』とか『読む』という力が大事になってくるのではないかな・・

と思っています

 

私の子供の頃は
それこそディスカッションの場を作るなんてことが小学校で勧められて
討論だとか
意見の述べ合いだとかをさせられて

どうやって相手の論理を砕くか・・などに知恵をしぼったものでしたが

でも結局 決めては『多数決』で

なんだかその線引きの仕方では
そろそろ無理が出てきたのではないかあと思っています

マイノリティが どんどん声を上げるに従って
大きくなってくるという現象も起きていますが

圧倒的に足りないのは『会話力』で

それは言ってしまえば『聴く力』がお互いに弱いから
結局多数決なんていう幕引きをするのだけれども

でも根っこにある部分というのは
案外対立しているどちらともでも共通していたりもすることがよくあって

その部分をお互いに体感レベルで共鳴し会えたら
諍いや争いや、陣地取りのようなことは少なくなるかもしれないなと壮大な夢想をするのですが

でもお互いに同じ『不安』『恐怖』を持っているという間柄で
争いが起きるということはよくあることなのです

お互い怖いんだね・・と
深いところで分かり合ったら
譲り合いなどが自然にできるのではないかとどこかで信じているところがあります

そんな『聴く』『読む」』という一見地味である個人的行為なように思えることが
実は集団に関わる難しい色々なことを解決に導ける可能性を秘めているのではと思っております

 

そしてもう一つ
クライエントさまたちばかりではなく

人の話を聴く(聞く)と言う行為は
実はかなりの身体を使った行為だなと思うのです

じっと、ただ聴いている

自分の評論などに気持ちを傾けずに
ただ相手の話を聞き続けると言うのは
大変に集中力が必要です

全身運動といっても過言ではない行為ではないかとさえ思うのですが

実は見立てのときの
なんとなく背後にあるモノモノを見るときというのは

聴く(聞く)ということを
全身で行なっていると
その方の背後に連なる山々が見えてくることがあるのです

ある方の背後には
とても殺伐とした砂の平原が広がっていたり

ある方の背後には
瓦礫のようなものが、まるで何かの戦いのあとかのようにあったりします

またよく見るのが
とにかく大きな穴🕳️!

解離性障害の方の大抵はこの大きな穴が出現します

全身で👂聴いていると
見えてくる👁️ということを不思議に思うでしょうが
これは誰しもが出来ることなのではと思うのです

 

昔、朗読をしてもらったときなどに
上手な人の朗読だと
本当に、その物語がその人の背後にそびえてくるような感覚になったことが
あるのではないでしょうか

まさにあの感覚

面白い話をする人というのは
大抵、脳内に最初に面白い図を思い浮かべているそうで

その面白い構図らしきものが
面白く伝わるから、受け手はそれを面白いと感じてしまうらしいのです

名人の落語なんぞは
まさに話を聴いていると
その風景が浮かんできますものね

 

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でもその中でも
お話を聴いていて、その方ご自身が自分の内的な感情を感じられていない方は
この感情の部分が
白いもやのように見えたりします

その場合は、もやを少し移動させて
内的なものを見させていただくのです

   

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