どんとはれ

中学の時に
ある一冊の本に出会い、そしてそこから私は密かに
その本を研究とまではいかないが、何かの折りに解きほどくという作業をしておりました

 

その本は『遠野物語』

民俗学の柳田國男が著したものであります

遠野物語の舞台となる『遠野』は岩手県の中ほどにある
3方向を山⛰️で囲まれた土地でした

 

横浜で生まれ育った私には、岩手はとても遠い場所で
でも『いつか行きたい』と願っていたら

高校を卒業した時に、前の夫と会った
その夫の生まれは岩手の小岩井農場そばでありました

びっくりした私は
もうすぐさまに岩手に連れてってくれと願い
連れてってもらったのだが

もちろん岩手の小岩井農場らへんと、遠野は距離が遠いので

『遠野はまた今度ね』という話になったのだけれども

初めて岩手に降り立った時の
不思議な感覚は今も覚えている

 

土地が『記憶を宿している』という感覚だろうか

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この土地が記憶を宿しているという感覚は
色々な場所で感じるのだが

今の所、私がそれを大いに感じるのは岩手の遠野らへんと 雫石らへん

そして長野県の八ヶ岳などの152号線沿いのところ

この場所らへんにくると
私の脳内は、ものすごく変な感覚になります

変なゾーンに入るというか

地図を読まずとも

目の前に
立体の地図が浮かんでくるというか
こちらに行くと〇〇がある とか こちらの方向に×✖︎がある など

ぐんぐん進んでいくと必ず、それらがあります

 

だから車の中で寝ていて
急に起きて、『そこ曲がって!』などと言い
そしてその場所にたどり着いたら そこを堪能して また寝る

なんてこともよくあって驚かれた

 

動物も必ず出てくる
熊が出てきた時もあるし
大きな角を持つカモシカとか、可愛い子鹿の群れとかはいつも遭遇した

いずれも逃げずに
ジッと見つめあって、そしていなくなる

 

下調べしてるんだろうと
よく勘繰られたが、実際そんなことはなく
むしろ場所なんてどこのネットにも落ちてなかった

寝てるんだから分かりっこ無いだろうと思う

あの感覚はなんだったんだろうなあと思うのだけれども
その土地の記憶みたいなものに繋がったのかもなあと思わなくもない

もちろん、土地の記憶というものの出所がなんなのかは分かりませんが

 

山の神様みたいなものの気配はいつも感じる

山の神様はスキャンされるので
そのスキャンが終わらないうちに、その領域に入るとダメです

一度、同行者が
スキャンが終わらないうちに入って行ってしまって

私も止めるのも面倒臭いから黙って止まって それを見ていたら

目の前で
何もないところを登って行ったら吹っ飛ばされて
戻ってこようとしたら、また吹っ飛ばされて
そして、最後にダメ押しのように吹っ飛ばされて 面白かったのを覚えている

 

他の場所でも
また、スキャンみたいな
入ってはいけないという時間があって
それを山門で待っていたら

同行者が、登っていってしまって

『あーあ』と思って黙って見ていたら
おりてきたのだけれども

『横から小石が飛んできて 足に当たった』と言っていた

初めは蚊に刺されたような後だったし

そんなこんなしていると
その場所の緊張感みたいなものも解除されたので
無事に私も登ってみたのだが

そこは明らかなご神域だわな〜〜なんて思って帰ってきたところ

その同行者は
みるみるうちに足が腫れてきて

歩けなくなってしまった

 

運転もできないくらい痛いというのだが
容赦なく運転させて帰ってきて

後ほど聞いたけど話では、その後本当に数日間歩けなくなってしまったのだという

 

 

土地の記憶的な
その土地の『何か』は
場所によって違うけれども

私は特に遠野の『何か』を感じにいくのはとても好きで
個人的にずっと1人で地図を広げて印をつけたりなんかして
やってきたのだけれども

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その遠野物語に出てくる舞台としての山は三つあって

それぞれに3人の女性の神様がいなさる

 

早池峰山
六角牛山
石上山

 

その3人の女性の神様は姉妹でいらっしゃる

 

早池峰山は百名山でもあるので有名ですが
残りの二つの山もとても美しい

遠野物語はその山々のそれぞれの地区で、あった物語を纏めたものであります

 

その山の地区ごとに
現れる『何か』は違うのです

ある地区では
山男に山女 そして天狗
隠れ里(誰もいけない楽園みたいなお屋敷がある里)

ある地区では
オシラ様(人間と動物の恋物語 悲恋)

ある地区では河童に座敷童 神隠し

など
場所により発生があるのです

遠野物語の舞台は今で言う遠野市ですが東京都がすっぽり入るくらいの広さであります

だから
例えば
品川区ではこんな妖怪は出て

新宿区ではこんな異界があって

世田谷区ではこんな事件があった

などという規模でしょうか

日本のいずれを探しても
こんな場所は無いのではと思っているのだけれども

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実はそんな遠い世界のことではない

この妖怪とか、異界とか、事件というのは
実は私たちの魂に刻み込まれているなあと感じる今日この頃

私は、できるだけクライエント様に『ルーツ』を聞くようにするのだけれども

その『ルーツ』に
そのかたの苦しみなどを解く鍵があったりします

というより
『ルーツ』のなかに閉じ込められている『何か』が昇華されたりする
ことを望んでいたりするのかなあと思ったりする

 

クライエント様のなかにも
土地の声を聞くことができる方というのはいらして

そういう方達は
土を、土地を、土地の歴史を慈しむ仕事をしていて

その慈しみみたいなものは
全てを解放する鍵みたいなものだなあとみています

   

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