頭を混乱させる親

===21歳の方の例=========================

私は夕食の食卓の雰囲気が氷のように冷たい、暗い家で育った。
14歳の時に思い切って、夕食の時にそのことを言ってみたところ
両親は揃って『一体、何を言い出すのだ』と言うような不快な表情になり
食卓にはまずまず冷たい壁のような沈黙が訪れた。
私は自分が間違ったことを言ったのかと思い、
それからは親に質問をしなくなった。

===31歳の女性の方の例======================

私の母は、私が家の問題について指摘するたびに全面的に否定し
問題を指摘した私を口撃した。
そのため私は満瀬的な鬱積感に悩まされたが、母はそれに全く気づかず
知らん顔をしていた。ほんとうに気づかなかったのか、
または問題を認めたくないのでわざと気づかないふりをしていたのか
母は私が抑うつ症になっていることすら否定した

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(引用 不幸にする親 ダン・ニューハース著)

 

こんにちは
いきなり冒頭から今回はうちのカウンセリングでも『よくあるケース』の話をご紹介しました

この二つのケースは
『親が作り出す理解できない状況』にたやすくコントロールされてしまう子の例になります

親から、自分の思っていることと正反対のことを言われた場合
子供の得る結論は2つしかありません

 

① 私の親は間違っている またはうそをついている またはワケのわからないことを言っている

②私の解釈が間違っている 私の感じ方が間違っている 私は何かを理解し損なった

の二つです

 

そして多くの場合
②の『私の感じ方が間違っている』と言う方向性をとります

子供にとって
『親が間違っている』と言う事実は、それだけで子供をひどく不安定にさせるものですので
『自分の解釈が間違っていたのだ』と思った方が
子供には負担が(その場では)少ないのです

 

けど不安を消すために『親の否認や間違い』を受け入れても
子供にはすっきりしない気分が増すだけで、
また親自身も子供から指摘された『事実』を受け入れないため
子供の嘆きや悲しみを理解しようとはせず
ますますお互いに溝は深まるばかりになります

 

また『親自身の問題』を親がすり替えて
『子供の問題』としてしまうことがあります

例えば親同士の不仲やギクシャクしている関係性をを親自身が何とかしたいため
『子供がいい学校に入る』や
『自分達の子供が素晴らしい子供だった』
と言う事実さえあれば、家族が存続できるからと
『子供の方向性』に『親の欲求』を上乗せするケースは
カウンセリングでも本当によく見られます

 

また『お前がいなければ、どれだけ生活が楽だったか』や
『お前のためにどれだけしてやったか』
『家がこうなったのはお前のせいだ』などと言う親がいます

子供というのは生まれつき『親への愛情』を持っていますから
こういうことを言われると
大きな罪悪感を持つことになります

親がこういうことを言うたびに
子供は罪悪感を心の中に生じさせ、何とか親を助けたいと思うようになります

このような形で親が子供の心を侵略すると
子供は自分の問題と他人の問題を区別できなくなるようになります

真実を捻じ曲げて子供の頭を混乱させて、心を操る親は
『子供に対しての有利な立場』をさらに強固にさせてもきます

子供が自分の言いなりで
ましてや自分の『信奉者』になっている以上
子供を手放そうとはしません

しかし子供は子供で成長し続けていますから
子供の『変化』はコントロールする親にとっては非常に厄介なものとなります

なので子供の思春期などに『親以外に好きな人の出現』を以上なほど嫌悪します

この決裂は子供にとっては
『親が理解できない・・』と気づく大きな一歩なのですが

しかし子供を失いたくない親がまた、言うことをコロコロ変えてきたり
少し妥協したりして
子供に擦り寄る方向性をとってきた場合などは
子供自身も『親との訣別』を取れずに
またダラダラとコントロール下に戻らざるを得ない場合が多々見られます

このあたりでの『親との攻防』が
後々の『子供自身のパートナー』との関係性にも影響を及ぼしてくるのです