荒野の妄想癖

妄想って辛い

私が見立てをするときに
一番重要視するところは『どんな妄想をお持ちか』というところです

その中でも割と手がかかる『妄想』は『誇大自我』の妄想です

『誇大自己妄想症』とも言われますが
その特徴として

① 万能感
②自己顕示性
③唯一性
④共感性の欠如
⑤所有と支配
⑥傷つきやすさと回避と攻撃
⑦破壊性
⑧ファンタジー優位と解離的構造

①の万能感は
自分には『なんでもできる』と思い込むこと

②の自己顕示性とは
絶えず注目と称賛を欲する。それが得られないとひどく現実がつまらなく味気ないものに思えてしまう

③の唯一性とは
この自分こそが『世界の中心』だと思い込むこと

④共感性の欠如とは 自分以外の他者にも『気持ちがある』という認識さえ難しい状態のこと

⑤の所有と支配は
人間関係に置いて、相手の動向を
自分の好きなようにコントロールしようとすること

⑥の傷つきやすさと回避と攻撃とは
誇大自我を持つ人の特徴として、この方々の万能感は
『成果』や『結果』から導き出されたものではなく『妄想』から生まれたものです
発生源は『自信の無さ』や『無力感』からです
この発生源となる『無力感』を打ち消すために『自己を守るためとしての肥大したプライド』が
大きくなってきてしまい独り歩きしているような状態です

またその『肥大したプライド』を刺激され 回避できない状態に追い込まれると
攻撃性を持った行動に移ってしまいます

⑦破壊性
自らの万能感が壊されることをひどく恐れ
傷つけられることを許さないので 万能感を誇示するために破壊行動を選ぶことが多々あります

⑧自分の手中にあるコントロールしやすい対象や 理想化している対象に対しては
過度な感傷や感情移入をすることができる一方で

思い通りにならない他者には共感を持ちづらいという面があります

ではなぜ
こんな厄介で自分でも扱いづらい『妄想』を持ってしまうのかと言いますと

親からの関わりが鍵を握っています

『溺愛と愛情不足』
親が子供に対して
過度な『期待』を持っているところから始まります

『自分では達成できなかったが
その代わりに自分の子供にはこうあってほしい』という『裏の期待』を親が持つ場合
子供には悟られないようにしますが
子供はその『矛盾』にうっすら気付いてもいます

『どうやら自分は親の言う通りにしたほうが親は喜ぶみたいだ』

と言う暗黙の了解を子どもが飲んでしまった場合
親と子供の『裏契約』が結ばれてしまったりします

親が過保護になりすぎて
進路を決めるときなどに多大な干渉をしてきすが

それを、その時はもう跳ね除ける気力もなくなっていることが多々見られます

また『いい親』と『悪い親』の二面性をきちんと感じ取ることも
子供にとっては大事な成長過程で

思い通りに満たしてくれる親と
咎めたり叱ったりする親の

『その違い』をきちんと把握して
親の苦労にまで慮る心の成長が不可欠ですが

いつまでも『親というものは『いい親』でしか認めない』と
子供が『親の苦労』を理解できない場合
『誇大自我』を肥大させることになってきてしまいます

『誇大自我』と『妄想』がくっついてしまった場合
近くに『冷静なアドバイザー』を置くことをお勧めします

もちろんカウンセリングでもやりますが

『他人から見た自分』がどのように見えるか・・・
と言う『客観性』が
『誇大自我』を治癒していく最良の方法であります