本当に悲しいことや
とても悔しいこと
寂しいことを
そのまま『受け止める』という事は難しいものなのかもしれないな
と感じています
その『悲しいこと』『寂しいこと』『悔しいこと』を
感じるということは
『ストレスを感じること』になります
人間のストレスへの対処法として『防衛機制(ボウエイキセイ)』というものがあります
私たちは略して『防衛』と言ったりもしますが
この『防衛』とは、
悲しいこと、寂しいことなどを
そのままダイレクトに感じるのがとても不快なことなので
感じないように、
色々な心の中での対応をすることで
その悲しいことや寂しいことを
受け止めるようにするというものです
小さな頃は、たとえば親から理不尽に怒られて、
悲しくて泣いてしまったりするものですが
そのストレスを受け続けることが非常に負担がかかるために
人間は『防衛』をするようになります
フロイトはその防衛の種類として12分類しました
その娘のアンナフロイトは10種類
精神科医の先生方は割と8種類と
少ない分類をされている先生が多いような気がしますが
私が教えてもらった時の防衛機制の分類は26!!
多すぎる・・
しかし、この防衛機制
細かい方が、私としてはかえってカウンセリングの指標となるので
ありがたいという面があるのです
カウンセリングではそれこそ
育ってきた何十年もの歴史をクライエント様が話されるわけで
そのエピソードひとつひとつが時系列で綺麗に整理されていません
たとえば幼稚園の頃に生じてしまった『心の傷』が癒えないまま
そこがまた小学生になって、
上塗りするが如く
より一層傷つけられたということもある
なので防衛を軸に見ていくと
『いつ傷ついたか』という大体の目安を感じやすいのです
なぜ、目安を感じやすいのかというと
『防衛』には年齢ごとの特徴があるからです
たとえば『防衛』のなかでも『否認』というものがあります
否認とは『受け入れがたい事実に心を閉ざして無かったことにする』というものですが
これは5歳以下程度の子供がよくする防衛方法です
この『否認』を日常生活で多用して
成長してくると
なかなか治療も難しいものです
否認といえば有名な『アルコール依存症』があります
『否認』とは、
受け入れがたい出来事を、無かったかのようにする
という対応方です
心のシステムとして
『現実を見ない』という方法を用いることによって
負担を軽減させるものです
この防衛を成長してから
どうにかしたいとなっても
日常のストレス対応としての防衛が5歳程から発生して
変化していないということは
根源となった記憶を思い出すということでの治療が難しいのです
また小さい頃からの防衛が、その人の人格の構成に関わっているので
依存症を治すということ自体が
その人自身を変えていくようなものになってしまうことを
クライエント様自身が嫌がるということにもなります
なのでアルコール依存などの治療は
『飲まないということを毎日挑戦する』ということしかないよね・・
という治療になってしまうのです
幼い頃に『無かったことにする』という
心の手段を取らざるを得なかったというものは
非常に痛ましいなと思うのですが
防衛しているご本人は『問題を問題として捉えない』ということで完結してしまっているので
周囲が巻き込まれることで医療やカウンセリングにつながってくるという状態が多いです
また治療やカウンセリングを嫌がるのが特徴でもあるので
困った状態をご本人が感じない状態の時には
無理に進めても抵抗されてしまいがちです
しかし・・と思うのです
そういう困った症状も
その人なりの『歴史』があるものだよなあと感じたりもするのです
それこそ幼少期に抱えてしまった癖のようなもの
なくても良かった癖
それとどう共存してきたのか
というところに
その人なりの、ご本人のリソース(才能)があるのではないか
と考えてきました
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26もの防衛を分類してみていると
どれも、なんとなく
その人が浮かぶような気がします
たとえば防衛のなかでも有名な『受動攻撃』というものがあります
これは『何もしないことで相手を攻撃する』という方法です
対象とする相手に対して
間接的で、かつ効果がない方法で攻撃をすることで
自分の傷ついているところを感じないようにするという防衛です
・・念のこもった無視 といえばわかりやすいかもしれません
これ、割とよく見る防衛なのですが
家庭の中、特にパートナー間でよくみられる。
一種の、守りたいが昂じた攻撃なのですが
これをしているご本人の精神の内部は
かなりの葛藤をしていると思われます
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これまで多くのクライエント様を見てきましたが
目の前で
お話を伺っていると 次第に
そのクライエント様の姿が変化してきます
そのかたも
その方の『本質』が出てきて
それがウニャウニャと見えてくるのです
そしてそれが像となると
大概
何かしらの変幻のもととなった姿であります
ある人は、ものすごく大きな赤ちゃんだったり
ある人は
叩かれすぎて頭が凹んでしまった子供の姿だったり
そのいずれの姿も
何かしらの武装をしていて
それがいわゆる『防衛』なのかなあと感じます
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