私の心が繋がらない

カサンドラ症候群というものがあります

カサンドラ症候群(カサンドラしょうこうぐん: Cassandra affective disorder)、カサンドラ情動剥奪障害(カサンドラじょうどうはくだつしょうがい: Cassandra affective deprivation disorder)」とは、アスペルガー症候群を持つ配偶者、あるいはパートナーと情緒的な相互関係が築けないために配偶者やパートナーに生じる、身体的・精神的症状を表す言葉である
(Wikiより)

 

簡単にいいますと
身近な人がアスペルガー症候群などの発達障害などの場合、

その人とのコミュニケーション
もしくは意思疎通がうまくいかない為に生じる苦痛や悲しみ、絶望、怒りなどの
ネガティブな感覚が持続してしまい

そしてそれが日常化してしまうにつれて
頭痛や不安・パニックの感覚、胃痛、倦怠感などの身体症状にまで及んでしまうという
症状であります

 

実はカサンドラ症候群は正式な疾患名ではありません

病院で診断の際に用いられることもある精神疾患の診断基準『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)には記載がありません

 

しかし
パートナーや家族などが発達障害で
情緒的なやり取りが空振りになってしまう体験を多くしていくと

そのうちに
心が無気力になったり
わけもなく涙が出てきたり
もしくは急にイライラしたりなど

なんらかの不調が体調に出てきたりします

 

もちろんこの場合のカサンドラ症候群は『夫婦』ということに
限定されているけれども

実はよく周りを見ると
この『カサンドラ症候群』のような関係性から生じる、鬱などの状態は
たくさんあったりします

 

そのうちの一つが
『親が発達障害だった』という場合

これ、うちのカウンセリングでも結構多いパターンなのです

親が鍋をずっと火にかけ続けて火事に何度もなりかけた
とか
親がよく分からない格好をしていた(奇抜にも程があるよ・・ってなくらいの理解不能な格好)

だとか
とかく、だらしがない(汚部屋に住まわされた)とか

性的に逸脱しているとか

制御が効かないくらい攻撃してくるとか

ーーー

それらが発達障害からくるものか、否かは
ご本人がご来所されないと分かりかねるところもありますが

 

実は大事なのは

『子供が親に窮状を訴えたか、どうか』というところです

 

親の、こういう行為が困るとか
親のああいうところは、恥ずかしいとか

そういう『親の困ったところを、そのまま親に言えたかどうか』というところ

たいていの方は
『少し言っては見たけれども変わらないんですよね・・』と遠い目をして仰る

ーーーーーー

この『言っても変わらないんだ』という学習は
子供の心に大きな影響を及ぼします

自分の困っているところを改善してくれないんだ

親は自分の言っていることなんて取り合ってくれないんだ

誰も助けてくれないんだ

など

『孤立無援』な感覚を強めて
でもご本人を取り巻く環境は何にも変わってないから

次第に『感じないようにしよう』という

自分の心を守るために『無感覚』という手段で
自分に殻を作り過ごすようになります

 

この経緯というか経過は
『カサンドラ症候群』という名前を聞いた時から

(ああ、毒親のパターンもこれとよく似ているよなあ)

と思っていて

カサンドラ症候群は『夫婦関係』から声が上がったけれども

夫婦なら
お互いに成人はしていることだし
それなりに『困ったことを言語化できたり』もするだろうけども

『親と子』の『子供が困ってしまっている』というパターンに
救済の手や眼差しが届くのは
まだまだ先なんだろうなあと思っていました

子供は
よもや『自分の親が何か変だ』ということを実感するということは
自分の土台を揺るがしかねないことなのだ

それを実感しろと
子供に迫ることはなかなかに酷なことで

子供は『親を信じたい』ものなのです

何かあったら親を助けたいと思うものだし
親を笑わせたり 喜ばせたりしたいものであり
親は子供にとっては『絶対的存在』なので

その『絶対的存在』が情緒のやり取りが交わせないとなると

子供は宙に放り出されたような感覚を覚えるわけです

ーーーーーーーーー

中には
早々に『自分の親は、何かおかしい』と気づく子供もいますが
実は周りがそれを許さないことも多いです

周りというのは
近所や親戚などの人たち

子供が『自分の親、何かおかしいんだ・・』となっても

その相談を受けた周りは
助ける手段もなく
そしてもちろん『気づきたくない』という人も多いので

実見て見ぬ振りをするという人も多かったと
よく聞きます

この見て見ぬ振りをされた記憶は
実は結構な傷となってる人が多く

それは『助けてもらえなかったトラウマ』として残っていたりします

ーーーーーーーーー

そんなこんなでどうしたらばいいかという話なのだけれども

実は
このカウンセリングルームは
ご存知の通り神楽坂の下町的なところに移転してきたのですが

まあ、周りがいいオバ様が多いのです

最初はビビったのですがね

声かけが半端ない

どこ行くのー?やら
ここの八百屋いいよーやら

あの家はどうだとか
この家はこうだとか

色々な話をしてくれる人が多くて

でもそんな中で
皆んな、性格が合うわけではないけれども
『支え合ってる』感じがすごいのです

それを支えているのは
日々の声かけで

そして『お互いへの関心』が土台になっているのです

そうだよなあと思うのです

『関心を持つ』ということの大切さ

それは
たまにお節介などと揶揄されることもあったり
敬遠されたりもするけれども

でも原点の『助け』というのは
この辺りにあるのでは・・と思ったりもしつつ

今日もカウンセリングをしております

先月は大々的な神楽坂のお祭り(毎週のようにお神輿やら盆踊りやら)で
交通にご不便をかけてしまいましたが

ようやくそんな月も過ぎていい季節になってきました

   

Instagramはじめました カウンセリングルームの様子を よかったらご覧ください

 

↓TOPページへ戻る↓ユークリッド・カウンセリング ご予約・お問い合わせ等はこちら