親の本音

『父親』
『母親』

と、誰もが自分の親を認識すると思うが

その時に『母親』とは『聖なるもの』
    『父親』とは『偉大なるもの』として捉えがちな兆候があります

どうしても、自分の親は『親として自分に接してくれている』と
子供は思いたいものですが

親の実態としては
『親である前に、私だって人間だもの』という本音があります

私も実際に子供を二人育ててみて思うのですが

『親として接する』には『自制心』と『鍛錬』とが必要で

どうしても『人間としての生身のわたし』の方の勢いの方が強いものだから
そんな『親としての心構え』の前に

『満たされなかった子供の時の感覚』の方が
子育て中は呼び覚まされることが多く
常に不安と恐怖の中の子育てだった面もあります

わたしは子供に
『ご飯なに』
と尋ねられると、ものすごく我を失ってしまうところがあって

子供に
頼むから、尋ねてくれるな

とお願いしたことがあります

トラウマの治療をして来た中で わかったのは
自分が『ご飯を食べているという記憶が全く存在しないこと』と
『人とご飯を食べるときに、胃を押さえないとうまく飲み込めない』ということ

おそらく『食事』に関してのトラウマがあるのでしょう

トラウマとは記憶にないので本人は探しようがないのですが

外の世界に出て、周りと比べてみて
初めて、『あれ わたしのこれってちっと変だな・』
と思うところから始まります

食事のトラウマを持つ人って結構多くいらしていて

多分
食事時に『公開説教』とか『罰を与えられていた』ことが多かったのでしょう

うまく食事が取れない
もしくは
食事の時になると、食事が怖い
食事の味が🍽わからない
他人と食事をするのが苦手

など
食事の時と紐づけられた『トラウマ』の傷が疼くので
食事自体を怖がったり避けたりする方ってのは多いのです

『衣食住』
はわたし達の周りに存在する『生きていくために必要な要素』です

そこに『トラウマ』を植え付けられるような『説教』や『折檻』や『罰』が
与えられていると
どうしても生活が困難になってしまいがちです

トラウマを思い出しやすい『きっかけ(トリガー)』が
生活のあちらこちらに散りばめられているわけですから
ご本人としては生活を送るだけで精一杯になってしまったりします

きっかけ(トリガー)とは地雷のようなものです

トラウマ治療の中では
もちろん介入で、『トラウマを思い出しにくくする』という治癒を促進したりもしますが

一番効き目があるのは
『実態』を知ってしまうことです

なんの実態か、って『親の実態』です

『親の本音』とも言いましょうか

しれが介入するにつれて
理解が進んでくるようになります

ほとんどの方が『親に幻滅』し
そしてそんな『親の弱さ』を理解します

『実態』とは『親の切なる叫び』を聞く作業でもあります

親もその時代に翻弄された一人の人間なんだと
『親』ではなく
『人間』としてみれると

全ての動かなかった歯車がいきなり回転しだしたりします