トラウマを癒すカウンセリングというものを生業にしてきて思うことですが
トラウマと一口に言いましても
様々なトラウマの種類があることがわかります
わかりやすいのは『被害を受けた時に生じたトラウマ』です
例えば暴力を受けたとか
性的虐待を受けた
いじめ
パワハラ
セクハラ
など他人から悪意を向けられる 意地悪される
もしくは快感を一方的に求められて身体や心を搾取されるというトラウマです
とかく人権や人格を否定されたり
尊厳を著しく傷つけられたり、心を酷く傷つけられることで生じるトラウマです
治癒の一つの方法としては
『共感性』の感覚をこちらが用いて
精神構造の中がどんな様子になっているかをみることによって
それが癒されていくという方法があります
割とこの、(言葉は悪いですが)単純明快なトラウマは治癒が早いです
今年の秋頃に新規で来られたクライアントさまたちは
二、三ヶ月のカウンセリングの間に肩こりが気にならなくなってしまったとか
悪夢を見なくなったとか
食いしばりが良くなったとか
身体の不調が良くなったなど
割と良い兆候を見せています
どの方も良いお正月をお迎えしていただけたらなあ・・と思うのですが
もちろん、なかなか治癒が進まないケースも実はあるのです
その一つは『加害のトラウマ』のケースです
よくあるのがペットを虐待してしまった・・というケースです
親がペットを杜撰に扱っていて
なので自分も叩いたり暴言を吐いたりと粗野に扱ってしまった・・とか
親に言われてペットを捨てたことがあるとか
あと、先生がよくケース例として話すのが
親がペットを剥製にしていたというケースです
生きていた者(動物)を剥製にしてそれを飾っていたという、それが
子供には酷く不気味で受け入れ難く、ペットの感覚に共感してしまい
なぜかそれを思い出しかけると
首を絞められるような感覚にいつもなってしまう・・というケースがあったんだと
よく話してくれます
ペットの埋葬の仕方なども
多感で感受性が柔らかかった子供の頃は
重大な出来事として記憶に残されていたりするようです
実際、カウンセリングでもどのようなトラウマがあるかを探っていくのですが
加害のトラウマほどご本人が持つことを苦しんでいるものはありません
またペットだけではなく
学生時代や社会に出てから
『いじめをしてしまったという、トラウマまではいかないけど
酷く罪悪感を感じ続けて生きているケース』というのもたまにお会いします
自分責めをして生きているケースです
それを見ていると
誰かにきちんと怒られる、もしくは責められて反省するということは
ご本人にとって、とても救いになることなのかもしれないと
最近思うようになりました
自分がいじめをしたり
加害をしたりしても
そしてそれを誰にも指摘されたり責められたりもしない
けれども、いじめをしたり加害したりしたということは、自分ではわかっていて
澱のように心の底にその体験と感覚が沈んでいると
人はどうしても、他人を怖がるようになってきて
そして他人を酷く憎むようになる方が多いです
もちろんカウンセリングではその『加害のトラウマ』にもきちんと対処いたします
介入していくと
『本当はこんなこと、したくなかったのに・・・!』という感覚が
最後にポワッと出ていらっしゃいます
そうすると
その方の中にある加害のトラウマは治癒されて行きます
最近のカウンセリングでの課題は
『性別による差別』がテーマに上がってきています
おそらく来年を通じて、
このテーマはずっと上位に上がってきて考え続けさせられるテーマになると思っています
男性から女性への差別と蔑み
そして
女性から男性への恨み、怒り、怨念
この相反する男性と女性は
どちらに対しても『加害の感覚』を持っています
男性は女性を利用し、搾取しようとし
女性は男性を利用し、搾取しようとする
どちらも『搾取』がコミュニケーションとなってしまっていることが非常に多いのです
搾取は加害です
しかも
それを見て育った子供は、父親と母親のコミュニケーションを学習し
男女間というものは『搾取』で成り立っているのだと
間違った認識を持ってしまいます
加害のトラウマで出てくる最終体系は
『男女』の分かり合えなさから生じた加害のトラウマが多いことも見逃せないです
男女の性差に着目したカウンセリングを行うことで
そうした『男女』の分かり合えなさ 何が分かり合えなかったのか どうしたら分かり合えるのか はたまた分かり合うことはないのか
ということを紐解いていきます
クライアントさまそれぞれの着地点があるようです
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