どうみられているかを操作する人  

なぜ現代は「なんかこの人きつい」が増えているのか

まなざしが溢れた社会で起きていること

最近なんとなくこういう感覚はありませんか

この人、きつい
理由はうまく言えないけど疲れる
関わると妙に消耗する
体が重くなる 

でもその人は周りからは
普通に受け入れられていたりむしろ魅力的だと言われていたりする

だから余計に自分の感覚が信じられなくなる
自分が変なのかと思ってしまう

でも最初にここだけははっきりさせておきます

おかしくはないのです 

むしろかなり正確に何かを感じ取っている状態だと思います 

現代はとても特殊な環境になっています

人は昔から
見たり見られたりしてお互いに生きてきましたが

今はそれがほとんど途切れなく続いています

朝起きてスマホを開くと誰かの顔や言葉や生活が流れてくる
レビューを見れば知らない誰かの評価が先に提示される
会う前からその人の印象が決まってしまう

まだ会ってもいないのに『その人がどういう人か』が先に出来上がる

こういうことが当たり前に起きています

ここで一つ大事な言葉を使います

『まなざし』です 

これは単に見るという意味ではありません

まなざしとは『その人の位置を決める力』です

この人はこういう人
この人は信頼できる
この人は危ない

そういう意味づけが言葉や評価として流れていく
ーーーーそれが『まなざし』の持つ力です 

そして問題はそれが本人より先に広がることです

例えばこういう場面を想像してみてください

初めて会う人のことを事前に

{あの人優しいよ}

{あの人変わってるよ}

{あの人ちょっと怖いよ}

・・・と聞いていたらどうなるか

その人をそのまま見ることが難しくなります

すでに見方が決まってしまってしまうからです 

これは自由に見ているのではなく
『見させられている状態』であり
『まなざし』が発生している状態です 

そして
世の中にはこの『まなざし』を引き込むのがとても上手い人がいます

やたら距離が近い人
強く感情を乗せてくる人
こちらに向けて話している感じを作る人

その人といると気づけば話を聞いてしまう
なぜか反応してしまう
終わるとどっと疲れている

こういう経験がある人は多いと思います

ここで起きていることはとてもシンプルです

あなたが『見る側』から『見させられる側』に変わっているのです 

映画館を思い浮かべてください 

自分1人1人は観客です
スクリーンを自由に見て感じることができる存在です 

でも
もしスクリーンの中の人物がこちらを見て
あなたに向かって話しかけてきたらどうなるか

観客でいることができなくなる
相手との関係に引き込まれる

これと同じことが日常で起きているのです

これが『まなざし』のもつ場です 

なぜこういうことが増えているのかということですが

理由はとても単純です

見られること自体が価値になったからです

SNSでは見られることがそのまま影響力になる
評価や数字が可視化されて 
注目が資源になる(つまりお金に直結しやすい) 

その結果、まなざしを集めることが力になる

人はそのからくりを知っているから
無意識にそれを強める

そして一部の人はそれをうまく使うのです 

プロパガンダなんていうものも
そこをうまく利用したものです 

しかし、ここで重要なことがあるのです 

引き込む側だけでは成立しないということです

受け取る側の条件も必要になります

・感じる力が強い人
・共鳴できる人
・深く受け取れる人

こういう人は相手のとの回路(通路)が開きやすい

引き込む構造と開く構造が合わさると関係が成立して
初めてまなざしの場は完成します 

そのとき人は

吸われる感じ
何かを出される感じ
濁る感じ

こういう体感を持つことがあります

これは比喩ではなくて実際に身体で起きていることです

身体はとても正直です

違和感
重さ
吐き気
めまい

これらは全部これ以上入れるなというサインです

でも多くの場合人はそれを無視してしまう

失礼かもしれない
嫌われたくない
気のせいかもしれない

そうやってもう一歩入ってしまうという吸引力がある

なぜなら、
『見捨てられ不安』とまなざしの関係は
とても密接な関係があるからです 
(それは次回のブログですぐ出します) 

カウンセリングではどの方にも『境界線』のテーマを
取り扱いますが

境界は壊されるというより、開いた瞬間に相手から越えられてきます 

その瞬間はほんの一秒です

相手を優先した一秒

そのとき主体(自分はこう感じるというところ)の位置が外れる

これは性格の問題ではなく、構造の問題だと考えます 

ではどうすればいいのかということですが

やることはとてもシンプルです

入らない

違和感が出た瞬間に止まる
見ない
応えない

それだけでいいのです 

しかし多くの人はここで誤解します

ちゃんと断らないといけないと思ってしまう

でも!
入らなければ断る必要もないのです 

もし

なんかこの人きつい
説明できないけど疲れる
巻き込まれる感じがある

そう感じているなら

それは自分の問題ではないと考えてもいいです 

関係の構造がそうなっているだけであり
それは『構造を体感すること』により
自然に体感として理解していきます

カウンセリングで、私が新たにやり始めたものも
これに近い体感を感じていただくものになります

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現代はまなざしが溢れすぎています

でもすべてに応じる必要はないと思っています 

あなたのまなざしは
あなたが使うものだと思っています 
 

そして

他人からのまなざしから目を逸らすことも
そこから降りることも出来る体験をしていくことで

ある意味、『良い無視』ができるようになります