生理的フラッシュバックというものがあります
最近、私も知ったのですが
こういう名前がついているのです
それでは生理的フラッシュバックとは何かというと
『子供が首を絞められた時のことを語っている際に
首を絞めた加害者の手の跡が首の周りに浮かぶという不思議な現象である』
(杉山登志郎 教育講演より)
これは臨床で私もよくクライエント様において見るものでした
また私も母親のことで、あること辺りの記憶を思い出していると
首の周りに赤いスジのようなものが浮かぶというものがあります
まさに首を絞めたかのような指の跡が浮かんで
高之瀬も気味悪がるほどです
生理的フラッシュバックというものは
臨床では『そう見える』というくらいのもので
なかなかエビデンス(根拠)もないので
治療者の間では、『そう見えること、あるよね』と
どこかヒソヒソと語られるものというでした
あるクライエント様は
トラウマを負った辺りの出来事を思い出されると
顔の半分が凹んだような形になります(私からそう見えるということです)
頭の形は円形ですが
それが、三角錐というか、何かにぶつかってしまったかのような形状になるのです
これは、私がなんとなくのイメージでそう捉えているのか?
と思っていましたが
尋ねる機会がありまして
『自分の頭の形が、球形ではないと感じることありますか?』と
恐る恐る尋ねてみますと
『なんでわかるんですか!』
とご本人様の自己イメージを話され始めたのです
その方は
母親から勉強ができないと何度も何度も壁に打ちつけれていて
それで自信を失うどころか
もはや
無気力、無感覚になってしまい
自分の頭の半分くらいが認識できないのだそう
お痛ましいことだと思う
クラインエント様の声でもよく書かれていますが
生育の過程で
虐待や、いじめを受けてくると
どうにも身の置き場がないような気がしながら生きざるを得ません
喜んだら虐待されるし
嬉しがったら嫌がらせをされる
なのでなるべく『なにも感じない』という
状態に自分を持っていくのです
喜びや嬉しいことなどは
成長によって度合いが変化します
思春期の頃からになりますと
異性や他人に興味を持ち始めるので
『自分の身体を装うこと』
『相手からよく見られるように振る舞うこと』
などを考えるのも
実は喜びに入ります
思春期は親元を離れて
全くの赤の他人との関わりを増やそうという時期ですから
例えば化粧をする
かっこいい振る舞いを真似る
などは自然な欲求となります
しかし虐待を受けていて
尚且つ
虐待者が『子供を支配下に置くこと』を理念としている場合
『成長すること』は
虐待者にとっては許せないことです
・・自分の目が届かない場所には行かせたくないから
何故なら、外の世界はそんなに恐ろしくもないし
なんなら今まで否定して見せてこなかった世界が子供を受け入れたら
子供は当たり前に、外の世界を選ぶでしょう
虐待者は、自分が子供に見せている世界が
『虚像の世界』だと自覚があるので
躍起となって邪魔をしてくるのだと思われます
もし、虐待者が、『自分の好き勝手出来ないから子供は邪魔』という
スタンスの人だったら
おそらく子供が外の世界に興味を示したなら、
喜んで、外の世界はいいよ〜と追い出して
自分は悠々自適に過ごすでしょう
しかしそうならないで
思春期の子供の『巣立ち』を邪魔してくるのならば
これは少し注意深く親を観察してみる必要があると思われます
巣立ちを邪魔する虐待者の目的は『支配』だと思われます
そして『支配できなくなる』という状況にならないように
なんとかして外の世界に出ていけないようにして
『カゴの中の鳥』のようにするべく画策するのです
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子供が幼い頃は『家から放り出されてしまう』という『見捨てられ恐怖』を
上手くつかって子供を支配しますが
思春期になり子供も育って外の世界に出て行こうとすると
決まって虐待者が邪魔をする手口は何パターンかあって
① お金で縛るパターン・・外の世界で生活するお金の使い道で
罪悪感が芽生えるようにします お金を渡さない
②虐待者が具合を悪くするパターン・・自分を見捨てていくのか!と
育ててもらった恩を着せる
恩着せがましい罪悪感のパターン
具合が悪いと連呼する
なんならいきなり入院とかもする
③とにかく監視パターン・・なにしてきた どうした こうした
と聞きたがるパターン
④いきなり虐待者が子供返りをするパターン・・虐待者が幼く振る舞い始めます
成長した子供に対して、親が反比例して幼くなっていくパターン
⑤ 自分の子供の頃の話をしだして罪悪感を持たせようとするパターン
私の若い頃は・・と苦労話をして行動を阻む
夢の邪魔をする『私の若い頃は、そんなに自由はできなかった』
などという
⑥子どもの夢を否定して潰すパターン
『そんなことやっても何にもならない』『食べていけないよ』『(子どもの成果に対して)気持ち悪い、みっともない』
などといってとにかく夢ややりたいことへの意欲をなくす
もちろん複合パターンもよく見かけます
虐待者が『邪魔』をするのは
『自分が不適切な関わりをしている』と自覚があるからです
自覚があるからこそ
幼少期と思春期以降と対応を変えるのです
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もちろん対応が変わらないパターンもあります
ずっと『見捨てる』というパターン。
育児を放棄して、そのままずっと放棄し続けるというパターン。
これはこれで虐待に入りますが
親の言動と態度が一致しているので
子供のトラウマも、そこまで複雑化はしていないことが多いです
(混乱のレベルという意味です)
『親は子供を可愛がれない人だったんだな』という理解をされると
トラウマとなっていた『蟠り(わだかまり)のもと』はずいぶんと小さくなるものです
子供は親の言動に振り回されてきたので、自分の人生を送りたがっていますから
このような一貫した親の育児放棄のトラウマは
『親を理解』すると
あれよあれよと寛解していくことが多いのです
しかし、虐待者の目的が『子供ありきの支配欲求を満たしたい』型の場合は
ものすごく構造が複雑になってきてしまいます
虐待者は、自分の支配欲求を満たすために
絶対に『子供』を離しません
なので、言動が一致しないのです
子供は成長により、分別も倫理観もついてきて
何より『恐怖の対象が親ではなくなる』ので
虐待者はそれまでの『恐怖政治』を変えざるを得ないのです
従って、思春期に差し掛かり子供が親元を離れるとなると
急に手のひらを返したかの如く
言動を変えてくるのが虐待者の特徴です
大概は、それまで放置気味だったのが
いきなりベタついた交流を求めてくる
子供は困惑してしまい、今までの恐怖感は一体なんだったんだろうと
なるわけなのですが
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私も子供を育ててきて
今はもう2人とも大きくなり独立しましたが
思春期に差し掛かると
子供は途端に親を拒否したり否定しかかります
そのエネルギーたるや、なかなかのものでした
私は、思春期特有の子供の反抗に対して
むしろ大歓迎みたいなところがありましたので
多いに罵詈雑言を受けました 笑
でも、なんだか可愛かった 2人とも。
一生懸命に、もがいて
親に当たり散らすのが愛おしかった
精神的に親元を離れるという時の心と身体は
本当に不可思議な働きをもたらすものよなあ・・と思いながら
どんとこい 大いに親を否定しなされ と思っておりました
自由に育ってきた子供(と仮定させていただきますが笑)でさえ
ここまで親から離れることにエネルギーがいるのだから
虐待をする親から離れるということは
どれだけのエネルギーを要するか想像に難くないです
うちにいらっしゃるどのクライエント様も
親からの呪縛のような、育てられてしまったという催眠から
抜け出すのにかなりのエネルギーを要します
まずトラウマが解消し始めると
身体が変化してきます
とにかくタンパク質を欲します
お肉、お魚お豆と、かなりの量を食べたいと思うようになります
そして、ビタミンも。
来(きた)る時(呪縛からの解放)に備えて
身体が自然と欲するようです
また運動を始める方も多いです
(ヨガなんかはトラウマ治療の文脈でも注目されつづけています)
そして、身体の内部から、自然と物凄い怒りなどが出てきて
それが通り過ぎると
みなさま、驚くほどお綺麗になります
その通過儀礼の一貫として
最初に書いた『生理的フラッシュバック』のようなものが
よく見られます
またアレルギーとトラウマというのも
関わりがあるような気がします
それはまた別のお話で詳しくかきますが
アレルギーは、自己免疫の暴走だとかいうけれども
私としては、何か異物(虐待者の感覚)が入ってしまって
それに対しての反応が出ているのではないかな・・と
感じてしまうケースにとてもよく出会います
実際、トラウマの回復に従って
アレルギーが治癒してくるというはよく見られます
また、余談ですが
私二ヶ月前くらいから急に髪の毛が天然パーマになりました
ものすごく小さな頃は天然パーマだったのですが
トラウマの核のところに介入したら
急に天然パーマになったのです
おそらく天然パーマの人格あたりが記憶と繋がって
復活したのだと思うのですが
またそれも別のお話として。
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