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お釈迦様のお話はウィットに富んでいるので
なるほどなあと思って読んでいたのですが
そのなかで『愛すること』と『好きなこと』の違いは何か
という問答にお釈迦様がお答えになったというくだりがあります
お釈迦様は
『花があったとして
花が好きな人はその花を我が物にしようと
咲いている花を摘んでしまい
花を愛している人は花を育て
毎日水をやり 声をかける』
というものだった
現代のなんでも揃っている世界での感覚でこれを理解しようとすると
愛してるも好きも対して変わらないじゃんと思いがちですが
そこは少し立ち止まって考えてみると面白いことが見えてきます
人は誰からも愛されたいと思うものですが
それは
『お世話をされたい』という感覚に近い願望だったりすることがあります
それは小さい頃
母親からお世話をされた感覚を彷彿とさせるのでしょうか
子供から見て
母親からのお世話というものは『負い目』を感じないものです
子供は『母親は自分のいうことを満たしてくれて当たり前だ』という
感覚を持って生まれてきます
だから自分を満たしてくれない『母親』は悪い母というククリになります
子供の思考というものは
自己中心的で
自分を満たしてくれるものは『良し』として
反対に自分を満たしてくれないものは『悪し』とします
この『判断』は子供ならではのものです
この『判断』は大きく育ってくるにつれ
壊れることが望ましい大人へのステップになります
どうやれば壊れるかというと
『自分の思い通りにならない世界がこの世には存在するのだ』
という『諦めの学習』が子供を大人にのしあげていきます
しかし『諦めの学習』をするには
まず『自分を肯定してくれる母の存在』を全身で感じとる時期を経てからです
まず自分の要求を飲んでもらうという体験をすることとともに
どんなに万能だと思っていた母親にも
『万能ではない 自分の要求を叶えられない母親が存在するのだ』
という学習をして
大きかった母親がどんどん小さくなっていくというのが
育ての経過になります
カウンセリングにお見えになる方のほとんどは
『まず肯定されてない』という体験をお持ちの方がほとんどです
なので地盤ができてない状態で
『諦め』をしなくてはならないので
インナーチャイルドが泣くわけです
地盤がぬかるんでいて
足元がおぼつかない状態で『諦める』ということは酷なものがあります
子供が抱っこしてと叫んでいるのに
勉強しろ!人のために働け!!
と鞭打つようなものです
しかしこの場合でも
地盤は違うもので補うことは可能です
大人になってから固くてしっかりした地盤を作ることは可能です
しかしそれには時間がかかる工程も必要です
めんどくさい自分に付き合う覚悟が必要ですし
苛立ち暴れる自分を辛抱強くなだめるという時間も必要です
その覚悟と時間を
ほとんどの人は忙しくて取れないので
手っ取り早く
違うことでそのインナーチャイルドを黙らせる方法をとるのです
ある人はお酒で黙らせて
ある人は異性(同性もあるな)との関係を持つことで黙らせて
ある人は買い物依存でその子供の訴えを黙らせて
ある人はギャンブルすることでその子供を失神させて黙らせる
インナーチャイルドの切実な声というのを
人は無視しがちです
大抵のインナーチャイルドの訴えは『ありのままの自分を受け入れてほしい』です
それだけ
インナーチャイルドは育つことを許されずに
心の奥の檻に閉じ込められ
恨みに思っているということです
閉じ込められたインナーチャイルドの恨みはなかなかのものです
個人差はあれども
とっても怒っています
カウンセリングではその怒りと恨みを昇華していきます
けどもクライアントさまご自身が
インナーチャイルドから目を背けていることも多く見られます
おそらくそのインナーチャイルドは
ご本人の『親』からダメ出しされたり叱咤されたりしたのです
親からされた体験や言動を『真に受けて』しまったご本人は
その体験が強烈のご本人の中に残っていて
その恨みを持っている自分を抑えきれないのです
やるか やられるか
ぐらいの緊迫した状態を心の中に持っているので
いつも疲弊してエネルギーがそちらに取られてしまいます
そして『親の目線』から自分自身のことを
常に罰します
インナーチャイルドを自分で罰するわけです
これは本当に痛ましい限りです
ただでさえ 嵐のような中に一人ぼっちで立たされるインナーチャイルドを
たくさん見てきました
どの子もとても辛そうな表情で泣き叫んでいた子ばかりです
人の心の中
精神構造というのは簡単に割り切れるものではありません
めんどくさい側面がありますが
それを嫌がらずに
寄り添っていくことを諦めないということが
お釈迦様のいう『愛する』かもなあ・・と思うのです
自分を愛するという工程を味わっていただきたいです
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