誰が喋ってる

インナーチャイルドのケアでも、解離性障害などでも
ポイントとなるもの

それは『感情』です

 

トラウマなどで、凍りつき自分の感情を出せなくなり
色々な場面で固まってしまったり
オドオドしてしまったり
怒りが止まらなくなってしまったり
パニックになってしまったりなどがあります

それをクライエント様は『治したい』とこちらに来られますが

よく見ると
重大な『捉え違い』をされている時があります

 

こちらに来所された時に
私の前で話される方は(言葉は悪いですが)『外面』になります

自分のことを説明したり
困まりごとなどを話されたりするわけなのですが

どことなく『感情』を邪魔者扱いしているところがあります

 

怒り
恐怖
不安
羞恥心

を『無くせばいい』と思っていらして

理由は『邪魔だから』『不便』などとおっしゃるのです

 

確かに社会で生きていく時に
怒りや不安や恐怖などを感じながら生活をしていくのは
とても大変だと思います

そこはカウンセリングでもきちんと取り上げるところですが

でも少し視点が違う気がする時があるのです

 

私たちは
その『怒り』『不安』『恐怖』『羞恥心』などの方こそ
『本当の自分』だと捉えております

それを無くしたいというお話を伺っていると

『扱いずらい自分を、抹消したい』というお話しになってくる場合がありまして

すると、その発言をする裏に
ものすごくドス黒い存在を感じたりするのです

 

小さな頃に
母親から『のろま』と罵られて育ってきた方がいらっしゃいます

何をするにも他人と比べられて
非常に苦しい思いをして来られています

怖い 苦しい 悲しい しんどい という感情も感覚も
そこにはきちんと感じておられる

しかし行動が遅いと、親から何やかんやと折檻や罰を受けるので
なんとかその罰を受けないように

行動の遅い自分のことを、
律して厳しく、早く行動できるようにご本人自身も鍛錬していきます

自分のことを責めて、責めて、責めて
なんとか親から罵られないようにと
自分で自分に鞭を打って生活をするのです

 

次第に、その方も努力(と言っていいのか分かりませんが)の甲斐があり

親から叱咤されない程度に
自分のことをできるようになってきました

いつの間にか親からも怒られないようになってきます

 

しかし、その時の内面はどうなっているかというと

『親は自分をノロマという』
『自分はノロマなのだ』
・・ということを自分自身で受け入れてしまっている

そして『そんなノロマは矯正するしかない』
という思考を母親から伝授される

『ノロマは親を怒らせるのだ』
『ノロマは親から嫌われるのだ』

といつの間にか
自分が親のようになり
自分自身を罰して追い立てるようになる

 

『のろまは人から嫌われる』

ということを母親から『取り入れて』しまったので

『好き 嫌い』の概念の中まで
母親に侵食されてしまったわけです

これを『感覚のあけ渡し』とでも言いましょうか

好き 嫌いという中に母親の感覚を取り入れてしまったのです

 

よく聞かれるのは
例えば母親が虫嫌いだと
子供にも虫嫌いが感染るという話

お恥ずかしいことですが
私も経験がありまして
息子がダンゴムシをかなりの数、虫籠に入れて持って帰ってきたことがありました

『これを飼いたい!』

という息子

それに対して私は

『ダンゴムシ、卵産んだら もっと増えるよ』

と声かけをしたところ
息子はその言葉に急に怖くなり
ダンゴムシをそのまま虫籠の蓋を開けたままで
外に捨ててきてしまったそうな

 

そんなことをすっかり忘れていた頃の
つい去年ごろでしょうか

『母さんから、『卵産むよ』と言われた途端に
急に気持ち悪くなって それ以来 俺は虫嫌いになったと思う』

と言われたのです

 

確かに小さな頃は虫なんてへっちゃらだったのが

そのあたり以降
蚊にすら怯えるようになり

どうしたんだ・・!と思っていましたが

本人の中ではそれが記憶に鮮明にあり
私から声をかけられた以降 虫を見ると具合が悪くなるのだそうな

『うん!ダンゴムシいいね!飼いな 飼いな』
なんて言えなかったよな・・

でも声の掛け方はもう少し工夫できただろうに
あの頃は、何もしらなかったからこんな言葉をかけてしまった
悔いが残るなあ

と思っております

 

 

この一件からも
親からの言葉がけというものは子供に大きな影響を与えることがわかります

よく差別的な思考を持っている家は
例えば親がニュースを見ながら『あれがダメだ』なんて言っていると

子供をそれを『普通』だと思うようになり

『差別の眼差し』を取り入れてしまうなんてこともあります

 

また思い出すのは
子供が小学生の頃に学級懇談会で、先生が

『親御さんが、家で
「あの先生は頼りない とか 学校は当てにならない」
などとお子さんに言っていると
学校を馬鹿にしたり 学級を崩壊させたりするということが
多く見られますのでくれぐれもご家庭ではそのような発言をなさらないで
ください』

と言ったのです

発言を控えてくれとお願いするとか
それでは学校の対応が悪い場合はどうするのか・・など
その場ではいろいろな問答がなされましたが

先生が何を言いたかったのかというと

子供の思想は、かなりの割合で親からの影響を受けている

ということを言いたかったのではと思うのです

 

 

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話が少しそれましたが
カウンセリングルームへいらした時のクライエント様がお話しなさるときは
どちらかというと

他の誰かが喋っている時が多いのです

 

多くは、『親』が喋っている時が多い

 

親が子供(ご本人)を貶していた場合は
こちらのカウンセリングルームでも、もれなく
『自分を貶めて』いる発言を多くされる

なので、そのお話しを聞いていると
こちらも
『誰と喋っているのだろうか』という感覚になります

クライエント様ご本人が、きちんと自分の言葉で
喋ることができるようになるまでは
かなりの時間を要する場合があります

 

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そして最近、気になるのは
親以外の人物が、そのクライエント様ご自身に成り代わって
喋ってくるというケース

 

大概、その騙って喋るかたは『教祖』です

教祖と言っても、エセ教祖でありますが

 

一見、『人の為』だとか言いながら
ものすごい『自分の為』だったりします

教祖の特徴は、『執着』です

教祖は『信者』がいないと成り立ちません

必ず、自分の言うことを慕って崇めてくれる存在がいて
成り立つご職業になります

そして教祖は、信者が自分以外に何かを信じることを許しません

教祖という仕事も
見ているとなかなか大変そうで
いつも信者の動向に目を光らせていなければならないようで

まるでそれは『共依存の権化』とも言いましょうか

その教祖が喋っている時というのは
綺麗な事柄をお話しされているのですが

胃のあたりがムカムカしてくる感じがあり
目がチカチカしてきます

 

教祖は、どこにでもいて
それこそセラピストの世界にも多く
支援者などの職業にも多いなあと思っています

また影響力のある仕事に就いておられる場合も多い

だから、私も
『もし自分が教祖的だったらどうしよう・・』と悩んだ時もありました

が、教祖ではない人と教祖の見分けかたとしては
『仕事に執着がなさそうなら教祖的ではない』
というのがまずは一番の見分けかたかもしれないです

 

ちなみにスーパーバイザーも禅の先生も執着がない

『私が治してしんぜよう』的なものがない

だからものすごくドライなお付き合いであります

私も含め
この辺りの関係性は
『あとは各々よしなに』的なものです

なので、先生方と対面しても
それこそ対等であり 意見も忖度がない

 

うちのカウンセリングでいいなあと思っているところは
クライエント様、皆様
私のことを崇めないところです

色々と本音を言ってこられますが
それは隠しようのない叫びを皆様おっしゃられるので

執着にアレルギーがある私としてはものすごくありがたい

ともに、クライエント様の精神構造を眺めながら
『あーでもない こーでもない』と言い合っている
エンジニアのようなカウンセリングが展開できるのは
本当にありがたいのです

 

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ちなみに『先生』や『目上の人』、『上司』を
『教祖』にするのは
信者自身であります

相手に『引っ張って行ってほしい』『導いてほしい』という
依存心は『教祖』を生み出します

頼られて崇められるということを快感と思うかたは
そこで『教祖』の芽を出します

 

そして何より懸念しているのは
この『教祖』はウイルスのように感染していくところです

誰かが崇められていたり
中心になっていたりすると
『ああなりたい・・』という気持ちを
このウイルスは、見分けてすぐに感染してきます

このウイルス(的なもの)は
特にSNSを媒介として急速に広がっているような気がします

でも先天的にこのウイルスに強い免疫を持っている方もいらして
それは執着のない方であります

人と人との関係性に無頓着な方

そしてその無頓着な方々は、発達障害と言われてきた方々に
多い気がするのです

世界の采配というものは
非常にユニークな側面を持っていて

それまで『治療対象』と世間でされてきて肩身の狭い思いをされてきた方々に
実はものすごいギフトを贈っていることがあります

未来で、すごいどんでん返しが起こる予感がしますが
それまで寿命があるかどうか 笑

ではまた

   

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