家庭内劇場 

たまにいらっしゃる方であります
パーソナリティとして『自己愛性人格障害』などといいますが

この人格の系統をお持ちのかたは
現代では生きるのが困難に感じられたりするのでは・・と思ってみております

 

カウンセリングにいらっしゃって
まず言い出すのは『自分がいかにダメなのか』ということを
永遠に述べられます

こちらが『そんなことないですよ』と
やんわり(短所は捉えようによっては長所になるから)
リフレーミングしようとすると

*リフレーミングとは思考の枠組みを変化させること

躍起となって、もっと『自分がダメな事柄』を滔々という

でも、こちとら
もっとダメ🙅危なっかしいダメなことをしてきた人をみているわけです
・・ここでは書けないようなことをしてきた人もいるのです

だけども、このかたの中では
『世界で一番自分がダメ』ということに浸りたい

世界で唯一無二の存在だと思いたい

ダメなことを周りに訴えると
周りの方々は『困っているのか』と認識して
解決策を色々と言ったりするが

ご本人としては、それは求めていないのです

 

例えばーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『もう仕事もできないし、生きている価値のない人間なんだ』

👩『なんでもいいからバイトしてみたら?』

『正社員にならないと意味がないんだ』

👩『・・・?』(正社員だったら意味がある人間ってこと・・?)(意味って、何を意味しているの?)

 

例2ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『生きている価値がない 誰も友達がいないんだ』

👩『自分から連絡してみたら?』

『誘われないと意味がないんだ』

👩『・・・?』 (誘った友達は、誘った自分のことどう解釈すればいいの?)

 

例3ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『誰も自分の話を聞いてくれない』

👩 『私が今聴いていますけど・・それなら誰に聴いて欲しいのですか?』

『誰ということではない! 誰も聴いてくれないのが嫌!!』

👩『どういう状態だったら聴いてもらえると感じるの?』

『羨ましいみたいな表情で聴いてもらえたら満足する』

 

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そうなのです

ご本人の求めることは、ただ一つ
どんな立場にあろうとも『主役になりたい』ということ
誰かに認められたいということ

悲劇のヒロインや勇敢なるヒーロー
など悲喜交々には問いません

とりあえず、自分に世界からのスポットライトが当たってることを望むのです

主役になりたいという欲望はいいと思うのです

もちろん誰しもが
自分に人生の主役なのですが

主役はいいとしても
周りを脇役として捉えているところも問題なのです

周囲の人に対して、自分と同じ思考を持っていると思えていない

 

問題なのは『賞賛や賛美を求めること』です

賛美を得たいという欲求は、
『他人に自分の欲求の決定権を委ねる』という意味で
もっとも叶えにくい欲求と言えると思います

常に『賛美を求める』のはいいにしても

周囲の人々は、そのご本人に対して
『いつも賛美をしなくてはらない』という歪な関係性を強制されます

周りは『歪つだな』と感じたら
それこそ自由ですから
付き合いに距離を置いたりもできるのです

なので知らず知らずに孤独になってたりもします

 

『主役たるもの賛美がなくてはならない』という催眠は
まじで苦しいと思われます

自己完結が難しいし

必ず周りに人間を必要とする欲求の種類です

また、現代における『賛美の対象』は
傾向として残念なことに『儲けてる』とか『美しい』とか『知能が高い』とかなので
この対象とならないかたは賛美されない

もう、みているだけで苦しい餓鬼界のような構造なのです

食べても食べても満たされない

褒められても褒められても満たされない

もっともっと
すごいと言ってほしい

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カウンセリングでは、この世界にハマってしまい
『褒めてほしい 賛美してほしい』という方もいらっしゃいます

 

ご要望通りに
『すごいですね』
・・とこちらが言っても
なんとなく不満顔で帰られていきます

 

そしてその次に『そうじゃないんだよな』と怒っていらっしゃいます

『降参してほしいんだ』と言われるわけなのです

降参すればいいのね・・と思ってみていますが

正直、降参することがすぐには浮かばないので

『なんでそんなに降参してほしいの?』と尋ねていくと

自分が負けている状態に耐えきれないんです・・とおっしゃる

そして次第に薄暗い顔で
『心の中に鬼がいる感じがある』

と言って
『苦しい 苦しい』となるのです

 

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これまた大変だなあと思うこととして

『主役になるための努力』というものが
この方達はしんどくてたまらない

一っ飛びに『主役の座』に躍り出たいので
なんとかして『楽な方法』でそこに辿り着きたいとおっしゃる

だからこそ流行するのが『引き寄せ』とか『無意識の催眠』などなのでしょうか

 

『自分がやりたいことだけやっていけばいい』という方法は
この『主役になりたい欲望』を持つ人には合わないと思われます

しかし、この方法にすぐに飛びつくのも『主役になりたい病』の方で

喫茶店なんかにいくと
『これだけ出資すれば三年後はドバイに住めるよ』なんていう
話をしている胡散臭い輩が多くいます

でもほとんどの方は、この誘いには乗らずに
でも鬱々と
『自分が主役になれる道』を探しつづけます

下積みとか我慢が苦手なので
すぐに『主役になれる肩書き』をどこかで手に入らないかと模索します

なんとか、自分が納得できるそういう場に入ったとしても
自分より『主役』がいると
途端に自己否定と、『場の否定』をしはじめます

あそこはダメだ

そこもダメだ

わかってない

自分が一番わかってる

今更コツコツなんてできない

コツコツしてダメだったら誰が責任取ってくれるんだ

早く認めろ

俺を一番と認めろ

保証がほしい

保障がほしい

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さてこんな方々でも
『活躍できるかもしれない』場所や『主役になれるかもしれない』という状況になると

途端に活力が湧いてきます

すんごいパワーを出します

何日も寝ないで大丈夫なくらい元気になってしまったり

笑顔とユーモアに溢れた人間になったりします

他人から『期待』され『賞賛』されると
興奮して猪突猛進で仕事をやります

目の前にもっと美味しい『賞賛』と『賛美』が吊り下げられると
それを味わおうとして、それに向かって走り切るのです

その馬力といったら敵うものはいません

でも気をつけて・・と思うのです

目の前の人参🥕でこれだけ仕事ができる人材なんだ・・と把握するや否や
虎視眈々と
そういう人を操作して自分のために働かせようとする人間もいるのです

この人たちは
思ってもいないのに、
ただうまく働かせようとして
心がこもっていない『賛美や賞賛』をします

そして『賞賛や賛美の言葉』でコントロールと支配をしていくのです

なのでむやみやたらと褒めたりする人は危険です

『褒め』を支配と催眠のツールとして使う軍団はおります

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ひと昔前だったら
もしかしたら、この愛すべき『主役希望』の方々は
色々な場所で交わることなくそれぞれに活躍できていたのだと思うのですが

現代ではSNSからもっとすごい『主役級』の方々の暮らしが流れてくる

そうすると、本当に苦しいのではとお察しします

情報にイライラして
焦ってしまうという毎日はしんどいと思うのです

 

ではどうすれば安心して暮らせるようになるか・・という
提案のおはなしになるのですが

この『主役希望』の方は
大きな組織に属さない方が心が穏やかに過ごせるのでいいと思われます

なるべくこじんまりとした閉鎖的な組織で
かつ
自分の融通がきくところを拠点として過ごして行かれるのをお勧めします

競争相手などが
なるべく目に入らない環境に身を置くことがポイントです

なので就業としましては
大きなビル群などで働く・・などは神経がすり減ってしまうので
避けた方がいいと思われます

町中の小さな働き口で『リーダシップ』と『自分の融通』がきくように
環境を整えられたら
心も身体も落ち着かれていきます

かといって
『主役の座を希望』の方の中にも
ビッグドリームをお持ちの方もいらっしゃいます

『日本一になる』とか『世界一になる』とか
そういうことを
なんの気兼ねもなく言えてしまう方はそれこそ『器が大きなかた』ですので

『自分が傷ついた』とか
『落ち込んだ・・』なんていうことも
どこか楽しめてしまうという天性の持ち主になります

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こんなに心の病が増えてきて
無気力や無感情の人が多く困っているのは
なんでだろうと考えたことはありますか

誰かに搾取されたり、感覚を奪われたのが原因なのでしょうが

感覚を取り戻すに当たって
一っ飛びに解決する唯一のことを探しがちですが

実は『コツコツ自分と向き合う』という作業が
きっても切り離せないのです

カウンセリングでお勧めしているノートのワークでもいいですし

何か、自分で自分と約束する、といったその約束を『守り続ける』ということは
ゆくゆくは揺るぎない自信につながっていきます

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そして何より
こういった方々は『親』になられた場合

子供が被害と一番の困難を背負うことになります

いつも自分が主役ですから
子供は当然
自分を引き立てる脇役なわけです

自分を引き立てる脇役は
自分が思う通りの配役で、きちんとその役割を全うしてもらわないといけないと
主役は思うわけです

なので

子供の感情など無視して

自分の気持ちを優先させた
『劇場』を繰り広げようと幕が上がります

家庭なんぞは、地下劇場さながらの様相を呈します

自分が主役で、かつ舞台監督にもなれる・・・そんな『家庭内劇場』では

脇役となった子供たちは
本当にしんどい思いをします

『話を聞いてもらっている気がしない』とか

『親はいつも自分の趣味や仕事にばかり興味があるようだ』とかと

子供は自分が主体的な感覚を持てないのが
家庭内劇場なので

そのうちに『何を感じているのかわからないかも・・・』となり

幕が閉じた後も
苦しい胸のうちを抱えたまま生きて行かざるを得ないのです

 

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