鏡の向こう側

トラウマ治療と言いましても様々なアプローチがありまして
どの方法が良いかを一緒に模索していくのも大事なことなのです

 

ナラティブセラピー(自分の物語を語る)と言った方法や

認知行動療法などもあり

もちろん私のカウンセリングの特徴である『介入(記憶を取り戻したり当時の出来事を俯瞰したりできるようになったりする)』も致しますが

 

ほとんどは
幼少期に理不尽に怒られたり、なじられたり、非難されたり
嘲笑されたりすることにより

『自分は間違っているのだ』

と思い込み

相手の世界観を真に受けて
その世界から逃げることができないと言った状況は

それは『催眠、もしくは洗脳にかかった状態』なので
それを解くといったことをします

 

その中でも
特に注目すべきことは『世代のトラウマ』なのだけれども
世代によって背負わされたトラウマというものがあります

 

今の80代から上の世代の方は言わずもがなの『戦争のトラウマ』世代です

『戦争のトラウマ』というものは過酷でして
本当に心に影を落とすものだなあという感覚を持ちます

私の祖母は夜中に寝ていると
いまだに軍隊が行進していく革靴の音が聞こえてくると怯えます

私にはその音は聴こえなかったけれども

でも祖母のしわくちゃの身体のどこかには
いまだに怖がって怯えている心の部分があって
それを抱えながら生きるというのは、どんな感覚なんだろうとよく思っておりました

 

祖母の兄妹は大人数なのだが
いずれの兄妹も皆、死ぬ時に不可思議なことを起こして亡くなる人たちばかりでした

祖母の兄が亡くなった時間、
その時間に
祖母の兄は犬の散歩をしているところを多数のご近所さんに目撃されていて

そしてご近所さんが『退院されたんですね〜』と声をかけたのだが

祖母の兄は会釈だけをして
犬を連れて行ってしまったらしい

後日、ちょうど目撃されていたその時間に
病院で亡くなったのだと知ったご近所さんたちは皆仰天し

その話は
密やかに、盆暮れなどに話される一つの大事な出来事だったのだけれども

こういう話に枚挙がない

 

戦争で亡くなった世代というのは
どこかしら生きている時から、もうすでに
片足をあちらの世界に踏み入れているような雰囲気を感じる

そのあちらの世界というのは

実感として
『死が隣にあった世界』を体験しているということがあって

その体感をされてきた方々というのは
生きている時から
なんとなく『死が近い』という体感と共に生きてきたのではと思うのです

 

さて
私の世代だとそうそう
そんな窮状を体感した人というのは居ないのだけれども

たまに、その『片足をあちらの世界に踏み入れたことのある身体』で
生きてきたという方にお会いすることがあります

それは『生きるか死ぬか』の体験をしてきた方々で
実はその『生きるか死ぬか』の体験は『虐待』の体験であったりします

 

その『生死を彷徨う体験』というものは
あちらの世界に『自分の魂のかけら』を置いてくるような感じです

以前、『すずめの戸締り』という映画が流行って
それを観に行ったのだが

これはまるで、本当にあちらの世界だわ

と思って観ておりました

そうしたらばクライエント様の(あちらの世界と繋がったままの方たち)から
『みたことある風景だった』と次々と言われて

やはり共通の風景〜それは心象風景とも言えるのかもしれないけれども〜が存在して
そしてそれをみんなで観ているのかもなあと思ったりします

 

この場合の共通の心象風景は『あの世』です

私もその風景があるのはわかるのですが
たまにブログで書いたりしていて

そしてそれを読んだ、『死の世界をのぞいたことがある方』たちからは

『あー その風景、ブログ読んでたら見えました』と言われる

そしてそうおっしゃるいずれの方も片足をあちらに置いているような方達なのです

読んでたら見える・・というのは不思議に思うかもだけれども
共通の世界がそこにポカリと浮かんでいるような感じに浮かんでくるのです

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この間、ふと
霊感があるという方のことを考えていて

もちろん生まれつきの方もいらっしゃるのだけれども

それではなく、後天的に『みえるようになってしまった』という方々は
交通事故から奇跡的に生還したとか
溺れかけたとかなど
死にかけた経験を持つ方が多く

いずれも、あちらの世界に触れたことで
その世界を認識できるようになってしまったのではないかなあと思っております

 

あと、余談ですが
霊感が強い方のそばにいると、その世界と近しくなるということも大いになるなあと思っております

私の感覚からすると
マジックミラーのように、あちらの世界はそこにあるような感じがあります

マジックミラーって明るいと、鏡のように見えてしまい
裏が見えませんが

暗いところでマジックミラーを覗き込むと
その裏側がうっすら透けて見えます

だから、なんとなく自分の周りの『照明』的なものを暗くして
そこに集中すると
あちらの世界がボウっと浮かび上がってくるような気がします

そして、その世界は一つだけではなくて
何種類かあるのもポイントであります

クライエント様たちと共通でよく見るのは
花畑のような草原と
洞穴というか、長く続く洞窟の二つですね

   

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