明けましておめでとうございます
今年の年明けはいかがお過ごしでいらっしゃいましたか
私はずっと寝正月でした
眠くて眠くてね・・
気がつくと寝ておりました
『寝る』ということがトラウマ持ちの方には難しいことがあります
昔、トラウマ治療を始めたときに
私はある心象風景を見た時があります
それは森の中にある小さな白いお家で
そのお家は陶器でできているような質感の家でした
家に窓や扉はなくて
ただ、出入り口となるところが空いていて
誰でも出入りできるような、そんな家でした
寒くもなく
暑くもなく
とてもとても小さな家
白く丸みを帯びた、すべすべとしたその家は
夜空に星が無数にでる夜になると、ほのかに白く発光します
その家には灯りは無いはずなのに、その家からは灯りがもれるのです
黒く静まりかえった森の中に
オレンジ色の柔らかな光が、扉の無い白い家から静かに在りました
そしてそこには小さな女の子がおりました
髪の毛は黒くて肩まであり
白いワンピースを着ています
そのこは黒い瞳を持ち、言葉を喋らないために口がありません
夜になるとどこからか折り紙を出してきて
小さな家の中で折り紙を折り続けます
眠ることはなく、夜はずっと折り紙を降り続けるのです
誰も訪ねてこないし
どこにも行こうとしないその子は
夜は眠りません
なんで眠らないのかと訪ねても
その子は黒い瞳でずっと見つめてきて、ふいと目を逸らし
また折り紙を折り続けます
ただこちらを見つめてくるけれども
喋るということを忘れてしまったというより、
何も心を動かされていないということの方がしっくりくる感じで
質問されても
何をされても
ただ見つめてくるだけで
その子はずっと折り紙を折り続けているのです
たまに覗くと
絵を描いた後もあったりしますが
大抵、片付けはされておらず
紙や折り紙は、その白い家に置き去りにされています
昼間になるとその子は家からは消えてしまいます
折り紙も絵も消えてしまいます
森のどこかに行ったのか
食べ物を探しに行ったのか
誰かに呼ばれたのか
どれもしっくりとはこなくて
ただ忽然と消えるのです
そして森が夕方になり
空が紅色から薄むらさきから紺碧の色に変わること
ふと白い家をみると
オレンジ色の光の中にその女の子がいるのです
その子は何かをしているようですが
夕方のその時間はそのこは、うとうとしていることの方が多く
壁にもたれかかるように寄りかかって眠っていたりします
そして夜になると目を覚まして折り紙をして過ごすのです
おそらくこれは私の中の人格(パーツ)の一つで
割と重要人物なのだと思われます
この子はコミュニケーションを取る気はなくて
ただ静かな世界で生きているようです
夜になると起きるので私としては自分の睡眠がなかなか深く取れません
眠ろうとすると
心の中のどこかに灯りが灯ってしまう感覚なのです
なぜこの子が存在として生まれてしまったのかはわかりませんが
その子が生まれた時期はなんとなくわかります
おそらく2歳頃ではと思います
しかし その後
トラウマ治療で、その子のことを先生(精神科医)に話した後に
その子が消えてしまったことが在りました
びっくりして、
でも『まあいなくなることもあるか』と思って放っておいたのですが
その子は戻ってくることはありませんでした
しばらく何年もその子はどこにもいませんでした
あの白く冷たいすべすべの家もいつも覗くとガランとしていました
どこに行ったか探ってみても
消えたという雰囲気しか感じられませんでした
多分先生に連れていかれたのだと思うのです
私は少し先生にその子のことを話したことを後悔していました
その子が心にいることは
私にとって、なぜかとても大切なことでした
心の中の大事な場所にいたその子はとても可愛かったのです
そしてそんなことを忘れていた頃
不意に
ある日その子が違う場所に隠れて存在していたという風景が見えてきたことがありました
夜ではなく
昼間の風景でした
その子はとても広い草原で花を摘んでいました
誰かにあげるのか輪っかの花の冠を作っていました
一瞬で
その冠をあげる相手が誰なのか私はわかりました
私の中には死んでしまった人格がいます
白骨化した人格です
そ
どうやらその人格は13歳の頃に死んでしまったらしいのですが
その人格の白骨化した頭蓋骨の眼の部分からは綺麗な花が咲いておりました
死んでしまった人格に花を手向けようと、その子は花輪を作っていたのでした
なぜかその風景が白昼夢のように見えてきた時に
私は解離の凄さを感じました
一人の人の脳内に
人格がいくつも宿るということの意味がわかったような気がしました
人は『治癒』というメカニズムを持っていて
それは自然治癒力みたいなものなのだけれども
治癒はそこで人格として現れるものなのだとも分りました
ただ、人格はいくつもの複雑な様相を呈しており
色々な性質を帯びています
そしてお互いに人格同士は影響を及ぼしていたり
及ばされていたりします
その中には『毒親の人格を取り込んだ人格』というものもあります
それは私が感じるに
毒をもって毒を制す
と言いますか
親からの毒がただただ注入されるだけでは個体は壊れてしまうから
仕方なく
その毒を少しずつ取り入れることにより
毒を制するというか、耐性をつけるということを
人間はやり始めたというか
毒が入るおかげで
ある個体はその毒にやられてしまうこともあるけれども
でも他のある個体はその毒が入るおかげで
新たに変異するというか、特化したものが生まれやすいというか(それは才能だったりするのだけれども)
それは
進化すると言いますか
新たなる人類の幕開けのようなものを感じざるを得ないのです
先生は『解離は新しい人間の防衛』だと言っていました
現代は毒(悪意)に汚染されてはきてはいるけれども
でも
そんななんかで、たくましく進化している新たなる芽みたいなものも感じたりするのです
さて今年はどんな年になるのでしょうか
今年もどうぞよろしくお願いいたします
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