不健全な親からのコントロールのモデルの最終章
残りの4項目になります
このあたりにくると
『親が人格障害だった』というレベルのケースになります
今日、「生後2カ月の次男をホテルの冷凍庫に入れるなど暴行した疑いで、父親が逮捕された」
という痛ましいニュースが報道されていました
その父親は、
「暴行のつもりはなかった。子どもがかわいいという気持ちで意地悪をしたいと思い、行為に及んだ」
などと、暴行の故意がなかった旨の供述をしており、今後どのように司法手続が進んでいくかはまだわかりませんが
仮にこのようなケースで(暴行の故意が認められた前提で)、
『人格障害』であるとの診断がくだされても、
妄想性パーソナリティ障害等で妄想が犯行動機の形成に影響を与えていた場合などの
例外的なケースを除いて、ほとんどの場合では、責任能力は否定されず、犯罪が成立し
処罰の対象となります
最近だと他には『煽り運転』をして捕まった人がいますが
刑事司法の場に現れる被疑者・被告人の中には、
『反社会性パーソナリティ障害』をはじめとした人格障害をもつ者が
一定数以上いると言われています
対して
精神障害(例えば統合失調症など)は
その程度にもよりますが、責任能力が無いと判断され、刑罰の対象にはならず、医師のもと治療がなされたりしますが
『人格障害』については本人の性格であり
自分で矯正もできるし自制も効くであろうという責任能力論、受刑能力論のもと
制度・解釈論が構築されているのが今日になります
痛ましい虐待の事件などは『人格障害』のレベルの方々が
自分の心のストッパーを超えて起こしてしまうことが多いと、私は見ております
人の痛みが分からない
自分の快楽を追い求めてしまう
自制が効かない
などの方がたが『親』だった場合
子供はどう生き抜いていったら良いのでしょうか
残りの4ケースを見ていきましょう
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⑨子供をいじめ虐待する親
暴力を振るう 性的な行為をする 言葉による虐待や精神的な虐待をする
子供を怖気付かせる 子供が自分を守ることを禁じる
結果: 孤立感や見捨てられた気分が高まる
うつと不安症候群の危険が高まる
自分はいじめられてもおかしくないと思うようになる
衝動的な行動が抑えられなくなる
なんらかのアディクション(依存症・嗜癖)に陥るリスクが高まる
⑩ 子供の幸せを取り上げてしまう
親が気に入らないことがあると愛情を与えない
暖かさや励ましを与えない
守られているという気持ちや『家族の一員である』という安心感を与えない
結果:自分は愛されるに値しないと感じる
依存心が増す
自信がなくなる
期待を持たなくなる
『ひどい扱いでも受け入れよう』という意識が増す
うつと不安症候群の危険性が高まる
11)子供の頭を混乱させる
はっきりしない規則を作る 意味がどちらにでもとれることを言う
言動がしょっちゅう変わる 言うことがクドクドとわかりにくい
結果:孤立感を高める
物事が決められず自分から率先して何かを始めることができない
12)陰湿な手口を用いて子供の心を操る
恥ずかしい思いをさせたりスケープゴートにしたりする
結果:他人に対する不信感を生む
中身より見かけによって自分の価値が測られると感じるようになる
自分には責任のない家族のことを、自分のこととして内在化する
うつや内心の怒りを生む
(不幸にする親 ダン・ニューハース著 講談社+α文庫より)
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さて、3回に渡って『子供を精神的に虐待しコントロールする親」が使う12の手口を
見てきましたが
カウンセリングのケースでも、この方法で虐待をされされてきた方々を多く見ます
どの方も『他人に対しての不信感』や『孤立感』そして『焦燥感』などを筆頭に
一日、一日がどうにも重苦しく息苦しく感じられながら
でも何とか生き延びていらっしゃると言うのが現状です
最後の2ケース、『頭を混乱させる親』と『心を操る親』のケースでは、『真実の捻じ曲げ』をされています
なので実際の世界の捉え方が
親により、より苦しく困難に思えてしまうということがあります
この場合、『エネルギー療法』等でトラウマそのもののケアを行った上で、
『催眠療法』や『認知行動療法』などで
親から植えつけられた『恐怖感』や『不安感』などを解消していく方法があります
また親が必要以上に干渉してくる場合もあり
『親がいないという生きていけない』と言う親からの干渉もあるので
『鬱積感』や『罪悪感』に自分で気づいていく必要があります
また親の『価値観=欲望』をそのまま飲み込まされている場合もあります
けど
それよりなにより感じるのは
みなさま『休息』が圧倒的に足りていません
いつも考え、どうやれば『支配的な親と訣別できるか』に心血を注いでこられた方々は
ひとときも心が休まることが無かったのが現状でもあります
その場合はもう『休む練習』を一緒にしていくしかありません
『自分を責めない』
『鈍感であっていい』
『自分を一番に考えていい』
としつこく何回も何回もカウンセラーなどと
確認し合い、繰り返していくことで
『休むことへの罪悪感』が実は幻だったとまずは気づいてもらうことが第一歩です