解離のカウンセリング

カウンセリングを受けようと思っても、

「何を話したらいいのかわからない」

「聞かれると、急に頭が真っ白になる」

「自分のことなのに、どこか他人のことのように感じる」

「つらかったはずなのに、そのときの気持ちがわからない」

「記憶がところどころ曖昧になっている」

ということがあります。

話そうとすると眠くなったり、ぼんやりしたり、身体が固まったりすることもあります。

解離がある方のカウンセリングでは、このように「わからない」「話せない」ということ自体が、とても大切な手がかりになることがあります。

ですから、最初から自分のことをきれいに説明する必要はありません。

解離とは

解離は、強いストレスや耐え難い体験などに直面したときに、意識や感情、記憶、身体感覚などのつながりが、一時的に切り離されるような現象です。

ただし、解離の現れ方は人によって大きく異なります。

たとえば、

・現実感がなくなる
・自分を外から見ているように感じる
・記憶が抜ける
・感情がわからなくなる
・急にぼんやりする
・身体の感覚が遠くなる
・場面によって自分が大きく変わるように感じる

などがあります。

一方で、本人には「解離している」という自覚がほとんどなく、

「どうして普通にできないのだろう」

「自分は怠けているだけなのではないか」

「自分がおかしいのではないか」

という形で悩んでいることもあります。

「過去のことを無理に思い出す必要はありません」

 

「解離のカウンセリングでは、過去のつらい出来事を詳しく話さなければならないのですか」

と心配される方もいます。

無理に思い出したり、話したくない出来事を最初から詳しく話したりする必要はありません。

むしろ大切なのは、その人に「いま」何が起きているのかを見ることです。

あることを話そうとすると、急に言葉がなくなる。

身体が固くなる。

笑ってしまう。

眠くなる。

何も感じなくなる。

「わからない」としか言えなくなる。

カウンセリングでは、こうした反応を「できていないこと」として扱うのではなく、その人の心や身体がどのように自分を守ってきたのかを知る手がかりとして、一緒に見ていくことがあります。

 

身体に起きていることも大切にします

 

言葉では「大丈夫です」と話しているのに、身体は強く緊張している。

頭ではもう終わったことだと思っているのに、ある場面になると身体だけが反応する。

理由はわからないのに、胸が苦しくなったり、喉が詰まったり、身体が固まったりする。

そのようなこともあります。

カウンセリングでは、言葉だけではなく、そのとき身体に何が起きているのかを手がかりにすることがあります。

ただし、身体感覚を無理に感じてもらったり、反応を起こそうとしたりするものではありません。

その方のペースを大切にしながら進めていきます。

「わからない」から始めることもできます

 

自分の気持ちがわからない。

何がつらいのかわからない。

過去の記憶がはっきりしない。

どうなりたいのかもわからない。

それでも、カウンセリングを始めることはできます。

カウンセリングは、すでにわかっていることを上手に説明するためだけの場所ではありません。

話している途中で出てきた言葉や沈黙、身体の反応、ときには自分でも意外に思う感情などを手がかりにしながら、

「自分の中では、いったい何が起きているのだろう」

ということを少しずつ見ていくことができます。

「解離かどうかわからなくても、ご相談いただけます」

 

「自分が解離なのかわからない」

「診断を受けたことはない」

という場合でも、ご相談いただけます。

カウンセリングを受けるために、ご自身であらかじめ診断名を決める必要はありません。

いま困っていることや、うまく説明できない違和感から始めることができます。

また、症状によっては医療機関での診察や治療が必要な場合があります。その場合には、必要に応じて医療機関への受診をご案内することがあります。

ユークリッド・カウンセリングで大切にしていること

解離のある方の中には、

「ちゃんと話さなければ」

「カウンセラーの質問に答えなければ」

「自分のことを理解しなければ」

と、カウンセリングの場でも頑張ってしまう方がいます。

けれども、うまく話せないことや、何もわからなくなること、突然身体に反応が起きることにも、その人なりの理由があると考えています。

ユークリッド・カウンセリングでは、言葉だけで理解しようとせず、沈黙や身体の感覚、そのときに浮かんだイメージなども、その方に起きていることを知るための手がかりとして扱います。

「なぜそうなったのか」を急いで説明することよりも、まず、その瞬間に何が起きているのかを一緒に確かめていきます。

話したくないことは、話さなくてもかまいません。

わからないときは、「わからない」と言っていただいてかまいません。

自分でもまだ言葉にできないものを、無理に言葉にする必要もありません。

その方の中で起きていることを急いで決めつけず、その人自身のペースで確かめながら、カウンセリングを進めていきます。