心象風景

 

どの方にも、心の回復に力をかすのが
やはり『芸術の力』だなあと見ていて思います

 

大人になって、でも何だかすごく居心地が悪い
しんどい、苦しいなどの方々には
『アート』を通して『心の中』を見ていくと『置いてけぼりの自分』に気づかれていきます

例えばモヤモヤの存在を言葉にすると言うのはかなり難しい作業になるのですが

それを絵に表してみると
なんとなく、それの『本質』を掴むことができたり

もしくはその存在の『実態』などがわかることにより
きちんとした形の『外在化』ができるようになります

 

『外在化』とは『自分の内面の問題を、自分の外側から眺めることができるようになること』です

トラウマ治療としてこちらにいらっしゃる方々の特徴として
『親の思考』なのか
『自分自身の思考』なのか
自分でも判別がつかないというところがあります

トラウマ治療の鍵となるところとして
『罪悪感』というものがありますが

罪悪感は、自分1人では生じえないものです

生まれたばかりの赤ちゃんは『自分は罪深い』とは思わない

なので大いに泣き、自分の世話を要求するのが
赤ちゃんの赤ちゃんたる所以なのですが

それが成長するにつれて

『罪悪感』を覚えていきます

 

『公共の場で粗相をすることは恥』と教えられて
粗相をした場合には悪いことだと感じ
罪悪感を感じる

泣いて何かを欲しがってみたところ
親から、ものすごく大きなため息をつかれたり
もしくは邪魔者扱いをされたなどの経験から

『自分が要求していることは、人を不快にさせることなのかも』と
自分の行動に罪悪感を感じる

 

など『罪悪感』と言うものは社会的な扱われ方から生じるものなのですが

それを感じるのは『自分自身の心』なので

『自分の思考』としての罪悪感が自分を苦しめるのか
それとも
社会(親)からの教育として植え付けられたものなのか

など成長してくると
それこそ親だけではない学校や環境から
たくさんの恥を植えるけられて

どれがどの人から教え込まれた恥だったのか
わからなくもなりますので

非常にこんがらがった『もの』を感じるだけになってしまうという
いわば『混乱状態』になるのです

 

その混乱状態のことを
人は『モヤモヤ』、『漠然とした不安感』『パニックになりそうな感じ』
などと表現します

これを最初から『言語化』すると言うことはとても難しいことです

 

なにしろ人によっては
インナーチャイルドの1人、1人がそれぞれに違う『罪悪感』や『恐怖』を
持っているということもよくあるので

そのような場合にはそれぞれのインナーチャイルドの方々が
お話されるのをじっと待たなければならない時もありますし

また『話せない』と言うインナーチャイルドもいらっしゃいます

 

そのような場合に『心の疎通』として
『アート』が一役買うのです

 

『頭痛』の感じを絵に表した時がありました

長年酷い頭痛に悩まされてきていて
特に右の頭に凹んだような場所がありそこがとても痛くて
吐き気が止まらない

頭痛のたびに『どうしよう』と悩んでいたのですが

頭痛の場所がトラウマの治療が進んでくるにつれて
移動されてくることを把握されているので

『では頭痛を絵に表してみましょう』となり
描いてみたところ
『頭に腐った花が咲いている』とイメージだなあ・・と思い

絵にそれを描いてみたらば

描いている最中に

『その花はラフレシアだ』となり

頭の少し横側にラフレシアが咲いている絵を描いていたところ

ラフレシアが上手く描けない・・となり
調べて描きつづけました

すると
描き終わるころに
『なんか舌で舐められていたような気持ち悪い臭さを感じる・・』となり

調べてみたらば『ラフレシア』は

ラフレシアは、異臭を放つ巨大な花として有名です。 開花は数日しか続かず、自生地も限られていることから「幻の花」とも呼ばれています。 また、葉、茎、根を持たず、光合成によって自ら有機物を合成することができないため、ホストであるブドウ科のツル植物に完全寄生するという独特の生態を持っています。
(総合研究大学院大学から引用)

 

『異臭を放つ花』

そして『寄生する花』

ーーーーーーーーーーーーーーー(あまりに気持ち悪い花と感じるので
興味があれば調べてみてください)

 

描いている最中に『父のおどけた顔がよぎる』と仕上げた絵は

まさに頭に寄生されてしまったような花でしたが

でもそれ以降、絵を描いたあとは不思議なことに
さっぱり、その場所からの頭痛は消えてしまった

父親に『私のこと、舐めたことある?』と
真偽を確かめることは今となっては出来ないので
本当のことかはわからないが

でもそれ以降、そこに発生する頭痛は無くなってしまったので
それはそれで良かったのだと思います

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またある方に絵を描いていただいたときのこと

『自分の中のある場所から聞こえてくる声』を描きたいと

なんだかいつも『不安な感覚』がここから感じられる・・とのことで
絵に表していただいたらば

根っこが張り巡らされて何かを狙っているかのような表現がなされました

 

『ああ・・これは母親がなんか触手を今も伸ばして
侵入してこようとしている感じがあるのと

実際に今現在も、これが私の身体の中にいて
なりを潜めているんです』

 

このかたが今後どう進むかは
またご紹介したいなと思いますが

とりあえずは『自分の中にあった掴みづらく御しがたいものが
自分が原因ではなく母親が何か動きをしているからなのかもしれない』

とわかっただけでも
だいぶ『切り離し』が出来て

かつ『不安』『恐怖』を感じていることを
外側から眺められるようになると言うことは

『自分自身』に『支援』をしやすくなる大きな一歩なので
とても大切なことなのです

 

『不安』だとか『恐怖』など『言葉に表しにくいもの』ほど

絵の力、アートの力が
クライエント様に力をかしてくれるなといつも感じています

子供の頃に受けた(侵害された)経験は
その年齢が幼ければ幼いほど言葉で表しづらいものです

なので、そのインナーチャイルド自身が出てきて

『絵』を描いてくれる時を
カウンセリングでは待っていたりもするのです

 

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