見立ての不思議

カウンセラーなどを目指す人から尋ねられることがあります

『見立てをどうやっているのですか』

なので今日はそのコツを書いてみたいと思います

 

ポイントは話に惑わされない

クライエント様は
うまく自分の気持ちを言い表せないということをわかっておくといいと思います

特にトラウマを抱えた人というのは
そのトラウマの記憶をうまく話すことができません

そのあたりのことを言おうとすると
周りくどい言い方になったり

もしくは話を逸らしたりします

 

目玉焼きを思い浮かべていただきたいのですが

黄身の部分を話したいのに
白身の部分だけをぐるぐると話す

なのでこの時に
白身(周りのダミーの部分)の話を分析しようとしたりすると
カウンセラーは疲弊した感覚に陥り
混乱して非常に重く感じたりするということがあります

この疲弊した感覚などを感じた時に
あえてその感情に注目して見てカウンセリングに活かすようにするのが
『逆転移』を利用したカウンセリングです

 

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しかしまず始めに理解することは
『転移』とは『患者クライエント様‍』→が『治療者‍⚕️(例えば医師とかセラピスト)』に対して
抱く感情のことです

 

『転移』における感情は愛情か憎しみが多くみられます

好意を寄せたり愛情を向けるというポジティブな転移を『陽性転移』とよび

憎しみや非難したくなるなどのネガティブな感情を
治療者やカウンセラーに向けたくなるなどの転移を『陰性転移』と呼びます

 

これはほとんどの方が抱く感情です

クライエント様にとっての『重要な他者(多くは父親 母親)』に本来向けられる
はずだったものが
目の前のカウンセラーや医師に向けられるというものです

多くの医師や精神分析家、カウンセラーは
この『転移』をある意味
脳内で分析しながら
その人の『黄身の部分』を探っていきます

 

しかし話を全て聞いて
それを分析するということはかなり大変です

クライエント様はそれこそ黄身の周りの
白身部分のドーナツのところしか話せない為

そのドーナツの部分は
話をただ聞いているだけでは

クライエント様は 黄身のぶぶんを言語化できない苛立ちなどから
どんどん、どんどんドーナツの部分が膨れ上がらせていきます

こんなことをされたんだというエピソードを膨らませていったり

多分あの時、あのひとはこうだったんだ
こっちの人はこう思ってたに違いない

など『自分の中からみた世界観を強固にするべく』
白身の部分を一層固めていきます

 

ちなみにこの白身の部分とは

『本当に傷ついている黄身の部分』を傷つかないように
包むために出来上がった『自分の心を守るためのもの』です

皆様、この白身の部分は多岐にわたる
多くのバリエーションをお持ちです

特に本当に深く傷ついている場合は
もっと深く霧の中にいるような感じにして

自分でも所在がわからないようにしてしまっている場合が多いです

黄身の部分(本当に傷ついている部分)は隠しているが
でも黄身の部分は24時間
傷が癒えないまま、そこにずっとリアルに在り続けます

クライエント様はなんとか
その傷ついた部分を感じないように
白身を強化していきますが

でも
なんだか眠りがうまく取れなくなってきたり
摂食障害だとか
依存症

脅迫性障害
統合失調症
解離性障害

などが出来上がってくるのです

 

実は精神の症状というのは白身の部分のコントロールが
長年そこを酷使してきたため
自分でうまく制御できなくなり暴走してしまうということが多い気がします

自分を守るためのツールだったものが

実はそこが誇大化してきて
そこに飲み込まれるということも多くみられるのです

 

カウンセリングではクライエント様は言語化が難しいため
そのドーナツの部分を沢山話していただくのですが

その時のドーナツ部分にも沢山の感情が込められています

そこに、先ほど書いた『未解決の感情』も含まれていることが多いです

私のところにいらっしゃるクライエント様の傾向としては
やはりこの『転移』を多く
私に対して感じられます

私自身が多く感じるのは『導いてほしい』『依存したい』という感情を私に対して
もたれるということです

それは、すなわち

『親からもっといい方向に進めるように育ててほしかった』ということや

『不安をわかってほしい』
『引っ張ってほしい』
『自分だけ見てほしい』
『褒めてほしい』
『道を決めてほしい』

などの満たされなかった心のカケラのようなものです

 

そこで出てくるのが
私からのクライエント様に対する感情、つまり『逆転移』なのです

人間なので治療者が患者様に対して感じる感情というものも当然
生じてきます

私は自閉型なので1人でいることが好きなので
この『依存したい』という感覚には敏感な方です

それを同時に
自分も分析しつつ
クライエント様の白身と黄身の部分を分離させて
整理していくというのが大事なポイントです

あまり推奨されないマルチタスク(脳に負担が掛かるため)を使って
カウンセリングを行うことになります

 

治療者が、クライエント様に対して感じる感情(自分自身の感情)は
特に注意深く見ていく必要があります

大事なのは『自分の感情を正直に受け止めることができるかどうか』です

好意だとか愛情に近い感情というものは
テンションも上がるし気分も良いので見落としがちになりますが

実はクライエント様との共依存に陥る場合があるので
(例えばお互いに褒め合い続けるとか、あなたがいないと生きていけない同士になってしまうとか)

なので、よくよく見ておかないと

本来の目的であった
『クライエント様の心を健康にする』ということから遠ざかります

 

自分の存在がいることで、
クライエント様が元気になっても仕方ありません

大概そういう元気にするというやり方は
ドーナツ部分を強化するだけなので

結局社会からは分断されているという感覚をクライエント様は感じており

『ここだったら、自分をわかってくれる』などとカウンセリングに依存し
余計に社会との隔たりを作ってしまうということは本末転倒です

それぞれに精神疾患などの度合いが違うので時間はかかるものだけれども

これと言った気づきや変化がなくずっと通われてくるというのは
やはり不健全なものだと
こちらはわかっておく必要があります

なので『ここまで』と、時期を設定して
時期を超えてしまいそうだったら

そこから『仕切り直し』をすると宣言して依存関係を脱却し
新たに方向性を変えていく必要があります

 

黄身の部分の『本音』を言語化できるように
白身を整理して

白身で黄身を守らなくても生きていけるようにする

もしくは黄身自身を
『無』の状態にする

本当にドーナツすら無くしてしまう方法ですが
実際の究極は
これが一番悟りに近いような人生観を持つことができる方法です

 

カウンセリングにおける精神分析は色々なやり方がありますが
一番王道のやり方が一番安全で
かつ一番クライエント様を傷つけない搾取しない方法だと思います

 

カウンセラーの一番の極意と言ったら
それは『自分に正直であること』だと思っています

お金を稼ぎたいだけなのか

自分ができると思うことが
手っ取り早く人の話をただ聞けばいいからと思っているからとか

どれもあっていい動機だと思うのです

色々な方がいらっしゃるので
色々なニーズに応えるカウンセラーがいていいと思う

でも、これだけはしんどくなるだろうなあと思うのが

自分の心に正直でないと
相手が言語化できないケースの場合に
おたがいがハレーションを起こすということも多いです

何かのふりをしてクライエント様に向き合うと
クライエント様の方でも実はよくこちらを観察していたりもするものです

特にトラウマなどを負ってきた方々の傷ついた心は
『世間からの嘘』により傷ついてきた部分もあります

世間は耳聞こえのいい正義のようなことを言いますが
でもそれも脚色が入っていたり
ズルが混ざっていたり
先延ばしにしているだけだったりします

トラウマ持ちの方は敏感なので

余計に社会に対して不信感を感じているところなので

カウンセラーなどの心理に関わる人の
特に正直であり続けるという姿勢は
一番、誠実であると思っています

 

 

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