第二次的欲望

自分の中の欲望を意識する

クライアント様を見ていて
どうも自分の中の欲望を見誤っている時があるなあ という状況に接することがあります

人が 
自分の欲望というものに正直に生きられれば
人と人はそんなに衝突しなくても済むのかもなあとおもうのです

どうも欲望という言葉から
人は性行為とか食欲とかを想像する人が多いですが

しかし私たちが一旦『欲望』というものを一つ一つ丁寧に掬ってみると
朝起きてからよく寝るまで
人は小刻みに欲望を発動させて生きていることが実感できるようになります

朝起きたらすぐ出てくる欲望は
『もう少し寝たい』などという欲望が生じはじめます

それから少しするとお腹が空いたとか
トイレで排泄したいなど細やかな欲望が出てきます

仕事に行きたくない欲望も出てくるでしょう

仕事のストレスでかかる負荷を軽減したい欲望も出てきたりするかもしれません

作り笑いしなければならない
じっと座っていなければならない
怒られないようにしなければならない
失敗をしないようにしなければならない 

など
自分の身体に負荷をかけたくない
自分を守りたいという欲望も出てきたりするかもしれません

なんとか働いて時間をこなし
少しするとお腹が欲望を刺激してきます

何か摂取したい お腹を膨らませたい 満足したい

飢餓の状態は身体が
お腹の欲望に集中してしまいがちです

ここで例に出した欲望は、身体からの欲望で生まれた時からの純粋な欲望になります

『生命維持』のために身体から出てくるシグナルみたいなもので
抗うのは難しい欲望です

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それとは少し別の次元に『人に認められたい欲望』というものがあります

人は一人では生きづらい生き物ですから
他者を必要としますが

『認められたい』の度が過ぎている場合は
この欲望をよく眺めてみる必要があります

大抵は幼少期の『親に存在を受け入れてもらいたい』の欲望が充分に満たされていない場合に
この欲望をずっと大人になっても持ち越しているということがほとんどです

存在を受け入れてもらえなかった人は
どうやれば存在を受け入れてもらえるかと

美しく装ったり
高い車を買ったり
他人が羨むものを身につけようとしたりします

もしくは名誉を高めることに固執したりするかもしれません 

この存在を受け入れてもらいたいという欲望を叶えるために生じる『第二次的欲望』は
いくら叶えても心は空虚なままです

本当の欲望ではないからです

この場合の本当の欲望は『私を愛してほしい』とかであり

『車がほしい』
『老いたくない』
『人に羨ましがられたい』
などは
本当の欲望ではなく
いわばダミーの欲望で
このダミーの欲望を満たし続けると底なし沼にハマります

かく言う私も第二次的欲望に振り回されていた時期がありました

しかし 目に見えるところだけを満たしても満たしても
一向に安定しない自分を見て

『本当の私の欲望はなんなのだろう』と言う疑問に至りました

私が私に尋ねて待って出た答えは
『安心する場所で眠りたい』でした

それから私はこの欲望を叶えるべく動き出しました

もちろんトラウマがあるので
普段の無意識は『安心』どころか『警戒状態』です

常に過敏で疲れやすく誰かに攻撃されないかといつも身を潜め
自分の中から響いてくる『母親の声』をなんとかして打ち消したくて
追い立てられる日々

なのでこんなにトラウマとか
精神構造とか精神疾患、発達に興味が広がったのです 

それらの先に自分の『安心』が待っているかもしれないと思うと

ただただ翻弄されるよりかは
はるかに頑張れました

自分の中の『欲望』は自分の中の人生の指針になるようなものです

欲望は無意識下の世界から気付かれないで
私たちをコントロールしています 

依存症など
『欲望』が関わる症例は 本当の心の声を繋がった結果、治癒に至るとも言われています

欲望を無くそうとせず
どれだけ自分が普段に無意識下からの欲望をキャッチして生きているかに
気づくだけで割と人生がググっと進む時があります

カウンセリングのテクニックでもあります 

   

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