100万回生きたねこ

2月22日は猫の日です

もうすぐ猫の日

2022年の2月22日
ということで巷の本屋さんで、よく『猫』特集がされているのを見かけます

私も無類の猫ラブで
ついつい、そのコーナーを覗いてしまうのだけど
そんな中に懐かしい本を見つけました

『100万回生きた猫』

2021年においては122回目の増刷となっていて
私が生まれた頃に第一刷として世に出た本が
ずっと長く読まれ続けて、今もなお増刷され続けるなんて凄いこと

絵本ってそういう凄さがありますよね

経営の本とか
生きづらさの本とか
マニュアルの本とかに何十年ものロングセラーって余り聞かないけど

絵本って何十年も常に新しく読まれ続ける

多分、小さな頃読んだ絵本の中で
いまだに覚えている物として
また、子供に贈りたいと、選んだということなのかなとも推察します

『100万回生きた猫』がロングセラーになった理由はそのスクリプト性にあり

では何故 この本がロングセラーになったのか

下世話ながら考えてみますと
明らかに『スクリプト』的な要素がある本なのです

スクリプトとは、『台本』などという意味を持つ言葉ですが

現代催眠においては
『あらかじめ、意図的な意味を持つものが無意識下に作用するように
 作り上げられた文章』とも言いましょうか

有名どころではミルトン・エリクソンが、
自分のセラピーを受けにくる人のために書いた文章だったり、指図があります

ミルトン・エリクソンは、元々障害があったため
通常より鋭敏な感覚があり、そのため
『人が言葉の指図によりどういった作用を受けるか』
ということを熟知していたといいます

危険な『プリンセス願望』に注意せよ

話がそれましたが
『100万回生きた猫』は
あるスクリプトを大いに含んだ、しかも分かりやすいスクリプト絵本だと思われるのです

そもそも
私たちの周りには
『愛されたら幸せ!』
という洗脳が ここかしこに溢れています

ディ○二ーのプリンセスなんかは
『王子様が見つけてくれたら万事オッケー』みたいな洗脳を仕掛けてくるし

とかく『愛されたら幸せ』
という『受け身の体勢』こそが『人生の成功』と言わんばかり

結構『プリンセス願望』って危険なのですよ

自己愛だけを肥大させかねない

『主体的な感覚』こそ『自分』

そんな中
『100万回生きた猫』は本の中で
100万回愛される

王様や 泥棒や 船乗りや おばあさんや 女の子に愛されて
死んだら皆んな、ワンワン泣いてくれる

しかし
猫は言い切るのです

『ちっとも幸せではなかった!』と。

確かに本の中の愛されてた時の猫はつまらなさそうなのです 笑

いつも連れ回されていて
振り回される

けれども
100万回目にやっと
『誰のものでもない ただの猫』になったとき
猫はやっと
『自分を大好きになる』のです

だって、誰のものでもないんだもの

だって、誰からも所有されないんだもの

自由なのだもの

他のメスネコから求婚されても
誰のものにもなりたくない猫はアクビなんかして
馬鹿らしくて仕方がないという風情

そんな時に100万回生きた猫は出会ってしまうのです

白い美しい猫に。

さて、その後どうなるかというのは
是非、この絵本を買って読んでみられたらいいと思うのですが

『誰かに所有される喜び』こそが幸せ
・・みたいな考えは
非常にその後を生きにくくします

うちのカウンセリングに来られる方々も
その感覚に非常に苦しまれる

実はこの『誰かに所有される幸せ』が
実は『家父長制』を助長させる要因でもあるのです

それを、この本は見越して書かれたのかは定かではありませんが

『誰のものでもない自分だけの自分』
を感じている猫はとても満ち足りていそうですし

『愛する対象』を見つけた猫はとっても幸せそうです

この本にあるメッセージは『主体的な感覚』こそ『自分』

カウンセリングでも
この『主体性』を取り戻すということは非常に大切なテーマでもあります

自分の『主体性』こそ『自分自身』といってもいいと思います

猫は主体性を得た結果
ある結末を迎えました

これを幸せと見るか

もしよければ
猫の日なので読まれてみて下さいませ

ちなみにネタバレしたらスクリプトにならないじゃん!っていうような声も聞こえてきそうですが
この絵本は絵も素晴らしいのですよ

視覚的にも美しいスクリプトでありますので、是非