こんにちは。高之瀬です。
カウンセリングルームからスカイツリーが見えるんですよ。
さて、箱庭療法ブログ第二弾です。
前回は、箱庭療法とは?ということから歴史を紐解いてきました。
今回は、どんな人に箱庭療法を受けてほしいか?ということに関連して、
我々ユークリッドカウンセリングがなぜ箱庭療法を導入するに至ったのか、ということと
箱庭療法の特徴について、書いていきたいと思っています!
どんな人が箱庭療法の適用対象になるの?そもそもなんで箱庭療法を導入したの?
箱庭療法は、当初は主に子ども用の治療法として用いられていましたが、現在では、幼稚園児から大人・老人まで非常に多くの年代のクライアントに対して、病院や相談機関だけではなく、幼稚園から小学校・中学校・高校、さらには特別支援学校や児童相談所まで、幅広い場で、様々な病態の方に用いられています。
そのような意味では、乙原は、「どんな人にも箱庭療法を受けてみてほしい!」と申しております。
特にどんなお悩みを持っている人に受けてほしいと考えているか、という点については、そもそも我々ユークリッドカウンセリングがなぜ箱庭療法を導入したのか?ということを先にご説明するのが早いかもしれません。
ユークリッドカウンセリングでは、これまで、主に現代催眠療法とエネルギー療法を二本柱にカウンセリングをご提供して参りました。
どちらも無意識を大事にするもので、これまで幸いにも多くのクライアント様にご利用いただき、回復とご好評の声をいただいてまいりました。
しかし、その中で課題を感じることもありました。
カウンセリングでは、クライアントさまが訴えるその真の意味内容を、乙原がその言葉から推し量るという作業をしていきます。
その中で、言語化しづらい体験や想いをクライアントさまが表現しようとするとき、クライアントさまが苦しんでいる様子が多く見受けられました。
それを乙原が言語化していく形になるのですが、それを行うと、クライアント様の防衛や抵抗が働いたり、クライアントさまの世界観を阻害したりしてしまうことがあり、乙原はそのクライアントさまの言語化できない想いや体験をどのようにクライアントさまと共有していけばよいのか、ということをずっと模索していました。
特に、言語化できない部分というのは、幼少期のトラウマ・わだかまり・葛藤に関するものである場合が多く、体験した当時の語彙が少なく、言葉で表現できる手段をもっていないため、余計に言語化しづらいという性質もあります。
いわば、クライアントさまは、自分の中に「傷ついたインナーチャイルド」が存在しており、しかも、そのインナーチャイルドの声を汲み取れない状況に陥ってしまっている(ことが多い)のです。
そうすると、人は自分の中の2つの声に板挟み状態になってしまいます。
すなわち、一つはインナーチャイルドからの怒りや恨み等を「わかってほしい!!」という突き上げるような声です。
もう一つは、「こうでなければならない」「人から嫌われてはならない」「成功しなければならない」「認められなければならない」といったような世間や親の声・固定観念です。
このような状態を乙原は「中間管理職状態」と呼んでいますが(笑)、多くのクライアントさまは自分の中で板挟み状態になってしまっていて、身動きがとれない状況に陥っているのです。
そんなときに、インナーチャイルドの声なき声、心象風景を表現できるような手段・場があったらと乙原が考えた結果、行き着いたのが箱庭療法であったのです。
これが、我々ユークリッドカウンセリングが箱庭療法を導入した経緯になります。
悩みがあったり、生きづらさを感じたりしている人のほとんどは自分の中で上に書いたような板挟み状態が起きているので、
そういう意味では、ほとんど全ての方に箱庭療法をお勧めしたいと思っています。
箱庭療法の特徴
それでは、そのような言語化できないようなインナーチャイルドの声なき声のようなものは、箱庭療法で表現できるのでしょうか?
ここでは、箱庭療法の特徴を踏まえてそのことについて論じていきたいと思います。
箱庭療法の特徴として、一般的によく言われることに、「砂を触ることによる心理的な『退行』」があります。
ここで言う「退行」とは、防衛機制の退行というよりも、砂を触ることでいわば童心に帰り、子どもが遊びに没頭するような感覚で表現ができるということを指すのだと思われます。
すなわち、砂に触れて自由に表現をすることで、インナーチャイルドの声なき声を表現できると私達は考えています。
砂を触れて、心理的な退行が起こることで、自分の意識のレベルが下がり、自分の無意識、さらにその奥の『なにか』に触れることができると考えられています。
(その『なにか』とはなにか?ということについては他の無意識についての記事を読んでいただきたいですが、乙原は『海』と呼んだりしています。ユングが『集合的無意識』と呼んでいるものと考えていただいても構いません。)
乙原は、箱庭療法のことを『遊び』と捉えており、「遊びこそが『癒やし』をもたらす」と考えています。
遊びとは、なんなのでしょうか?
私達は、遊びとは、『我を捨てること』だと思っています。
小さい頃、遊びに没頭して、我が無くなる感覚というものを誰しも経験したことがあるのではないでしょうか。
(遊びに没頭して、気がついたらこんな時間が経っていたというのもそうですね)
遊びの中で、あぶくのように思い浮かぶ「ああしてみよう」「こうしてみよう」というもの、それこそが無意識とのつながりであり、『そこ』に繋がることこそが人間にとっての無我の境地だと考えています。
その感覚を楽しみながら味わってみる。
それができるのが『箱庭療法』だと私達は考えています。
さらに、何よりも大切なのは、『安全に遊べる』ということです。
子供の遊びは、仲良くするだけが遊びではありません。
自分の制御しきれない感覚を表出させたり、誰かを仲間外れにしたりすることもあれば、いじめたりすることもあります。
箱庭療法では、それをカウンセリング中に、箱庭の中という安全な場で表現できるという大きな利点があります。
インナーチャイルドの声には、さまざまな声があります。
誰かを支配したい、というもの。
何かを壊したい!隠したい!いじめたい!
という衝動的なもの。
それらを制限するものはありません。
箱庭の中ではどんな表現をしても構いません。
私が箱庭療法を習った先生から聞いたのは、
家庭内で虐待を受け、不登校にもなった子どもが、箱庭療法で建物から人間を何度も落とす、という表現をしたそうです。
それは『死にたい』という心の声を表現したものだったそうです。
その表現を何度か繰り返すうちに、その子の不安定さは次第に消え、学校に再び通えるようになったそうです。
(埋めてもいいんです)
そのような、実際にやったら大事になったり、はばかられたりするような表現も、カウンセリングの箱庭の中では自由に思う存分に表現ができるのです。
表現できること自体が、その人に癒やしをもたらします。
そして、その表現を乙原は絶対に否定をしません。
『安全な場で、自分の深い部分(例えば、インナーチャイルドの声)を表現できる』というのが箱庭療法の特徴の一つであると考えています。
今日はここまで
今日はここまでです。
次回以降は、箱庭療法の効果や実際の実施方法について書いていきたいと思っています!
また読んでくださいね〜
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