なんと言っても
催眠のお爺さん先生は
自分の失敗談を話してくれるのがいい
故 吉本先生と働いていたときの
相談室時代のお話を
まるで つい さっき起きたかのように
お話をしてくれて
そのお話は
ひとつ の幹から伸びた枝のように
どんどん枝分かれしてゆき
たまに
少し その枝に腰掛けて 少し お休みしながら
また
幹に戻って 違う枝に進んでみたり
今の季節は 冬なのに
木陰で 陽の光が
チラリと あたるなかで
のんびり なにかの音を聴いているような
気持ちになるのです
先生が先週 教えてくれたメソッドを
次の日に
クライアントさんに 試してみたらば
今週
劇的に変わっていた
目も 真っ直ぐになり
そして なによりびっくりしたのは
「わからないと 人に言えるようになった」
と
言っていることが ダイレクトに
伝わり 意思疎通が自然になったそう
その方法は
カウンセラーが 施術するのではなく
クライアントさん、ご自身のなかにある
「なにか」を 統合する方法でありました
わたしゃ 椅子から転げそうになったわい
一生懸命エネルギー療法をしたり
言葉で介入したりしたが
なかなか 難しいケースで
悩んでいたのだけれども
クライアントさんの自然治癒力を
目の当たりにした瞬間でありました
先生に 嬉しくって
「クライアントさんが凄かったんです!」
と 先生の方法を試してみたらの
結果を報告したらば
「僕の力が足りず 申し訳ない」
と
私にしてくれた施術で私が変化してないと
捉えたのか
拗ねていらっしゃいました 笑
先生は
悔しいとか 失敗した話や
若かりし頃の突っ走った思い出や
怒りなんぞも
一見 ネガティブな感情を
包み隠さず 伝えてくれて
それが かえって
私を安心させてくれているのだなと
思うのです
人間は 言葉以外からも
目線や 声色や 顔色 空気感で
感情を伝えてしまえるので
私は そのギャップに酷く 怯えていたのですが
最近は
あまり動じなくなりました
それも
私の周りの人たちが
大丈夫だよ
と ただ待っていてくれたからなのだと
わかってきました
大丈夫だよ
という待ちの姿勢
これこそが カウンセラーの
極意なのかもと
私は その樹によりかかり
葉っぱをゆらす 風の音を聴きながら
思うのです
乙原