『恨み』の感情について
クライエント様たちからの相談の中でも
特に上位に上がってくるものが『恨み』の感情をどうするか
についてです
恨みって、しんどいものですよね・・
ネガティブで
できるならば感じたくない感情だと思います
また『うらみ』にも
漢字は色々あって『怨み』『恨み』『憾み』とあります
意味合いとしては
①他からの仕打ちを不満に思って憤り憎む気持ち。怨恨 (えんこん) 。「あいつには—がある」「—を晴らす」
②他と比べて不満に思われる点。もの足りなく感じること。「技巧に走りすぎた—がある」
③残念に思う気持ち。心残り。未練。「—の雨」「あの結果を—に思う」
④悲しみ。嘆き。「行く者の悲しみ、残る者の—」
・・そうなんです
割と日本語でのバリエーション、多いと思いませんか?
これほど日本では
このネガティブな感情に、それぞれの漢字を当て嵌める程には興味といいますか
思い入れがあるのかもしれません
日本の昔話を読んでいても
この『うらみ』の物語って、割と多いです
また、私は山だとか湖だとか森によく出かけるのですが
そのような場所の伝説だと物悲しい恨みのものによく出会います
住む場所を追い出された大蛇だとか
夫に捨てられた妻が待ち続けて・・・とか
神様同士の戦いの末に、この地に安住したとか
禁じられた食べ物を、飢えてどうしようもなくなって食べてしまった
とか
どれもこれも
語り継がれてきた理由としては
語り継いできた人々が
その物語の『哀しみ』に共感してきたからなのだと思うのだけれども
何故、共感してこれたかというと
やはり『明日は我が身』という
人ごとではない雰囲気を物語から感じ取っていたからなのだと思うのです
なので、個人の物語というよりも
集落
村
地域などにあるどうしようもない貧しさや、差別などの悲しみを
語り継いできたものが多いのです
『うらみ』という言葉に当てた漢字が多いのも
これは日本という風土ならではと思っているのです
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また、うらみの中でも『怨み』という文字は
とてつもない人生を賭けた大きな怒りを感じます
『怨』は『怨霊』などにも使われるように
生前の恨みが、死して尚続いて継続している状態の時に
よく使われる文字でもあります
なんとなく『怨』という文字が『しゃれこうべ☠️』に見えなくもないデザインなところも
恐ろしさを感じます
日本を代表する怨霊様といえば
菅原道真様・平将門様・崇徳天皇様です
どなたも策略により命を落としまして
その後、世の中に『怒りの現れ』として様々な現象が出てしまい
その怒りを鎮めるために
神として祀ることをしてきたのが日本の風土の面白さでもあります
今では学問の神様、商売繁盛、縁切り神社などとして人気でもあります
この『負の力』が『陽と転じる』ということを
日本の人々は
なんとなく雰囲気で理解していたのかなという感覚があります
日本独特の、すべてのものに『八百万の神様』を見出す眼差しがあったからなとも思うのですが
いずれのものにも
色々な力動がある
ということを肌身を持って理解していたからなのかなと感じるのです
どんな存在にも『意義』があり
『存在理由』があり
そして
『人がいれば、それだけの道理がある』ということを
理解していたからなのかなとも感じるのです
なので
『いずれの存在にも敬意を持つ』ということが
全てを同時に存在させることのできる唯一の方法だと知っていたのかなと感じるのです
話が大きくなりましたが
毒親だとか、パートナーとか、子供、ご近所、職場の人
関わる人が多ければ多いほど
ちょっとした行き違いとかから
怒りを感じる時とか げんなりすることも多いと思います
そんな時に
怒りを感じるのはとても大事ですが
その怒りを適切に感じないで
腹の中にためて熟成してしまうと『恨み』の出来上がりです
その恨みは
どうやったら昇華できるかというご相談を
カウンセリングでは多く聞いてまいりました
その昇華して手放す方法は、途中段階として
『理解をする道を経ること』しかないのかなと感じるのです
『理解をする』ということは
相手のヒトトナリを知り
そして分析して、理解をして
そして 忘却する
ということが一番なのかなと思います
カウンセリングでは
ある意味『忘却する』ということを目指しているところがあります
なので
今まで、ご自身を攻撃してきた人を分析していくことをします
分析して、分類して、
これ以上、細かくできないよ・・!!というくらいにまで
粉砕するが如くクライエント様と分析して理解していくと
粒子レベルで
そのお相手の姿が見えてくると言いますか、
毒親をスキャンするようにしていくのですが
それをしていくと
なんだか『恨み』が変化してくるようで
そうすると
自分の中の『恨み』が
とても綺麗なお花のようなものになっていたりするようです
みなさま、自然とその花を
かつての恨みの相手に手向けるのですが
そうすると
『因縁』が解ける様子が見えます
また素晴らしいことに
そんなクライエント様に向けて
どこからか祝福のようなものが届くから面白いよなあと見ています
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また補足になりますが
ネガティブで感じたくない感情として
『憎しみ』と『恨み』はツートップですが
『憎しみ」と「恨み(ルサンチマン)」は違うとも言います
憎む人は、憎しみの対象と一切かかわりを持ちたくないが、
恨む人は恨んでいる対象に半ば興味を持っている(承認されたいと思っている)という
ことがあるようです
自分の心の中の
ネガティブな感情は
どちらの感覚でしょうか
『相手をギャフンと言わせたい』という復讐心を伴う苦しい感情は
『恨み』に近いのかもしれません
そしてそれは
ある意味相手に『執着している』という状態にあり
頭から離れない理由があるはずなのです
『恨み』『怨み』『憾み』などは
感じていても身体が心地よい状態ではないのは確かなので
ご自身で
自分の心を、これでもかというくらいにまで分析して
そのネガティブな塊を粉砕してみることをお勧めします
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