『本当に大事なものは目にはみえないんだよ』
と サンデグジュペリの 星の王子さまは言いました
とても有名な一節
私はこれを読んだ小さい時に
なんだそれ つまらない教訓か と思ったのですが
大人になるにつれ じわじわ くる一節なのでしょうね
ことあるごとによく 思い出すようになるのです
夕暮れの空を見ながら
さっきまで 天高く 青く 蒼くあった空が
朱く染まり そして ラベンダー色から濃い紫になり
そしてやがて 空に宇宙の漆黒が透けはじめ
星が瞬くようになる時間を
昔 私は よく眺めていました
その時に
『目には見えないんだよな 大事なものって』
と ぼんやり想っている自分が居たのです
このところ 夕焼けがとても美しいですね
だからか また 最近のわたくしは
『だいじなものは目に見えない だいじなものは目に見えない』
と なにかとっておきの秘密のおまじないのように
呟いて 夕暮れの空の向こうにあるものにこころを飛ばすのです
そう言えば
初めて 人類で月に降り立った宇宙飛行士の3人の言葉は
なんとなく それを 暗喩しているような
とても大事なものを見たかのような
月に降り立ち 遥かな地球を仰ぎ見た
そんなときの静謐で厳かな感覚を
まるで 詩のような. 美しい言葉で 残しています
あの距離からだと、親指を立てたら地球がすっぽり隠れてしまう。
それまでに経験してきたことすべてが、そして愛情も、悩みも、世界中の問題
たった1本の指の向こうに隠れるんだ
(ジム・ラヴェル)
私は親指を立てた。
片目をつむったら、地球の姿が親指の向こうに消えて見えなくなったんだ。
自分が巨人になったとは感じなかった。
自分を、とてもちっぽけに感じた。
(ニール・アームストロング)
われわれが地球から遠ざかるにつれ、その姿は小さくなっていった。
とうとう最後には、ビー玉大になった。
とても美しく生き生きとしたその物体は、あまりにもろく、繊細な様子で、指1本で触れるだけでばらばらになってしまうようだった。
こんなことを目の当たりにしたら、人生観が変わらないわけがない。
(ジェームズ・アーウィン)
Otohara