Case73 『昇華』された父親が居なくなった後に出てきたのは

クライアント様からの声

Case73
『昇華』された父親が居なくなった後に出てきたのは(20代・女性)

 

乙原先生

いつもお世話になっております。

カウンセリング後の経過をお送りさせていただきます。

憑依がとれてから しばらくゆっくり好きなことをして過ごそうと思っていたのですが、
父の残像のようなものを感じていました。
先週1週間はフラッシュバックがひどく、また戻って来てしまうんじゃないか…という
恐怖・焦りとともに過ごしていました。
憑依されているときは父がほとんど見えなかったのですが、
出て行ってから(特に前回のカウンセリング後)、妖怪のような恐ろしい父の姿が見えてしまいました。
気を緩めてはいけない、また入り込まれるかも…と思い、結果的に自分を監視しているような状態でした。
少し強迫的になっていたようにも思います。
今はフラッシュバックのような父の映像もだいぶ落ち着きました。

そんな状態が続いたときに、また胃が痛くなり始めて、
焦ってパニックになり、すぐに痛みを消さなければ!と思いましたが、
「痛い、助けて」という声が聞こえてきて我にかえりました。
自分の痛みを蔑ろにしてはいけないな…と思いなおし、
痛みを受け容れて過ごしているとすぐに痛みはひいていきました。
声の人は輪郭が薄くてなかなか姿を見せてくれることはありませんが、
(必ず助けにいくからね)(痛くてもいいよ)(痛みで教えてねー)と痛みに向けて話かけたりもしていました。

そのあと、フラッシュバックが治ってからは
自分の思考のなかに否定の声が入り込んでいることに気が付きました。
買い物をしているとき、「そんな余計なもの買って無駄使い」「どうせ使わないのに頭が悪いなぁ」「だから人としてダメなんだ」と
すごい勢いで否定してきます…。
その思考の声は仕事中もよく出て来て「こんなこともできないのか」「だから失敗するんだ」
「そんな簡単なこともできないでみんな呆れている」「早くしろ、アホ」と他人基準で罰してきます。
自分がイライラしているときや不安なとき、この声に脅かされているのだと思いました。
そして、罰するだけでなく、他人(世間)基準で褒めたり、おだてたりもして来ます。
トリックのように上手に自分の思考の中に入り込んでいて、自分で考えないようにさせられているようです。
否定される事はもちろんですが、承認されるのも不快に感じるので、
これもすべて自分のものではないんだな、と思いました。

私が自分で考えたり、感じたりして、特に「自立すること」「家(親)から離れること」が気に入らないようです。
おそらく、両親の声だろう。父母どちらかは判別が付いていません。
否定の声とともに連想されるのは、○歳のころと、△歳のころ、
結婚したいと思ってお付き合いしていた方がそれぞれいたのですが、
付き合いが深まり、結婚に向けて動き始めると不思議と両親ともに、
競うように体調を崩したり怪我をして入院することでした。(しかも長期で重症)
弟のときも同じ事が起こっていると、うっすらと気付いていました。
(弟も婚約破棄のあと、結婚して離婚しています。
弟の婚約破棄のとき、母がすごく嬉しそうに報告してきたのを覚えています。)
そして私の恋愛が終わり絶望感を味わうと、ふたりとも元気になっていくのです。
絶望感は別れたことの絶望よりも、(私はこの家にずっと縛りつけられ続けるのだ)という絶望が大きかったです。
電話恐怖を発症したのもこの時期でした。

「うまくいかないのを親のせいにばかりしてはいけないな…」と、
抑圧して消し去っていた過去なのですが、否定の声を探っていくとどうしても両親の姿にたどり着いてしまいます。
父は虚ろで狂ったような目をしていて恐ろしく、
母は片時も逃すまいとこちらをじっと見つめています。
それが自分の中にいた親の姿なのだろうと思います。

今回、振り返ってみて、そこまで私のことが気に入らないのか、と何度も思いました。
どこかで自分であることを許されてないような感覚もあり、
心理的に親を切り離したいという気持ちが強いです。

以上です。
明日もどうぞよろしくお願いいたします。

 

乙原より

 

こんにちは

この度も、その後の経過を送っていただきありがとうございます

フラッシュバックな感じやら
とてもリアルで、読んでいて鳥肌が立つようでした

 

さて
この『昇華』された父親が居なくなった後に出てきたのは
今度は『母親』でした

という話はカウンセリングをしていても
よくあることなのです

 

先に、虐待が派手な方が抜けていきます

そしてその後に『地味な虐待』がじわじわと姿をあらわすのです

 

虐待というのは
『攻撃されたトラウマ』『暴力を振るわれたトラウマ』などが
わかりやすいですが

実は、その裏に『助けてもらえなかったトラウマ』というのが
必ず存在するのです

要は『見て見ぬ振りをされるトラウマ』とか
『押し付けられるトラウマ』とか
『見捨てられるトラウマ』などです

 

大概は、両親のどちらかが
この役割をしています

父親が酒乱だったら
それを暗黙の了解としていた母親・・とか

母親がヒステリックだったらば
外で愛人を作って自分だけ避難する父親・・とかですね

パートナーという存在が
それなりに私もおりましたが

2人揃って、『負』を子供に押し付けるというのは
遺憾であります

世の中には
似たもの同士という言葉にもあるように

1人が曲者だと、
そのお相手もナカナカのお人柄なのです

人間というのは、誰か1人でも『助けてくれたら』
そこで心が救われたりするものです

子供が、もし泣いていたらば
声をかける

そんなことが当たり前の世界になったらいいなと思っております

乙原

 

 

 

 

 

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